[造手] Laroque D'antan / ラロック(ラロク)・ダンタン
[銘柄] Néphèle / ネフェール
[国] France / フランス
[地域] Sud Ouest / シュッド・ウエスト
[品種] Sauvignon Blanc 50%, Sauvignon Gris 28%, Verdanel 13%, Mauzac Jaune 3%, Mauzac Rose 3%, Mauzac Vert 3% / ソーヴィニョン・ブラン, ソーヴィニョン・グリ, ヴェルダネル, モーザック・ジョーヌ, モーザック・ローズ, モーザック・ヴェール
[タイプ] 白 / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml

<銘柄エピソード:Edited by essentia>
地質学の世界的権威クロード・ブルギニョン夫妻が造るのは、白ワインと赤ワイン、それぞれ1種類ずつ。Néphèle ネフェールとは、フランス語で地中に存在するミネラル成分の一種の名称です。

<輸入元テイスティングコメント:Edited by essentia>2023VT
ドメーヌによる2023ヴィンテージのコメント:2022年とは全く対照的に、2023年は猛烈な天候に見舞われ、極端な天候から極端な天候へと移り変わりました。うどんこ病と黒腐病が歴史的な猛威を振るい、南西地方のブドウ畑の殆どが被害を受けました。ブドウ畑での懸命な努力にもかかわらず、収穫量の少なさからもわかるように、ドメーヌは大きな損失を被りました。ネフェール2023は2022年よりも控えめです。しかし、豊かで芳醇な風味は健在で、フィニッシュには私達のテロワールを特徴づける塩気のあるタッチが残っています。このキュヴェは、蜂蜜と新鮮なマルメロのほのかな香りが混ざり合ったフローラルなノートを堪能するために、じっくりと時間をかけて熟成させる必要があります。

<栽培:Edited by essentia>
栽培面積:1ヘクタール, 植樹比率:8600−9200本/ヘクタール, 土壌:キンメリッジ階の石灰砂利土壌。生物多様性とテロワールを尊重したビオロジックを創業時より実践。2022年に認証を取得。今後完全なビオディナミに移行する予定。
ドメーヌの畑に植樹したブドウ木は、全て他のドメーヌのセレクション・マッサルに由来するもの。ソーヴィニョン・ブランはフランソワ・コタとダグノーから、ソーヴィニョン・グリはマルマンデのエリアン・ダ・ローズから、モーザックとヴェルダネルはガイヤックのドメーヌ・プラジョルから譲り受けたもの。*Verdanel ヴェルダネルは、カオール地方の忘れられた地場品種です。ブルギニョン夫妻は、ガイヤックのドメーヌ・プラジョルで、ビオロジックで栽培され続けていたこの品種をマッサル・セレクションした苗木をドメーヌの畑に植樹しました。

<醸造:Edited by essentia>
フィールドブレンドで手摘みで収穫した異なる品種のブドウを全てアッサンブラージュして垂直式圧搾機でソフトにプレス。自然に清澄にさせた後、30%はステンレスタンクで、70%はジャック・セロスから譲り受けた古樽(容量228ℓと400ℓ)で、野生酵母のみで一緒に発酵。醸造添加物は一切加えずに醸造。SO2は必要最小限のみ添加。引き続き、シュール・リーの状態でマロ発酵と熟成。無濾過で瓶詰め。2023ヴィンテージの収穫日は9月4日。総生産量は2,081本+マグナム200本。

<ストーリー:Edited by essentia>
世界的な地質学者が追い求めた夢
今では世界中で畑のテロワールへの理解が深まった。その最大の功労者は、90年代からブドウ畑の土壌分析をして、テロワールの重要性について世界中のワインの造り達を啓蒙してきたクロード・ブルギニョン夫妻であることは多くの人が認めるのではないだろうか。そのブルギニョン夫妻がワイン造りに乗り出した。畑を購入したのは2002年。場所はブルゴーニュでもボルドーでもシャンパーニュでもなく、南西地方だ。二人は、いつか引退後に自分の顧客達にモデルとなるようなワインを造りたいという夢を持っていたのだという。
『テロワールは品種よりも強い』信念から生まれた南西のグラン・ヴァン
「テロワールは品種よりも強い」という信念を持つブルギニョン夫妻が、ワイン造りの夢を心に抱いてから実に四半世紀。森だった畑を6年かけて開墾・整地し、2008年にカオール地方の畑のテロワールに理想的な品種を植樹。そして、2017ヴィンテージで白ワインを、続く2018ヴィンテージで赤ワインのキュヴェを醸造し、ヴィニュロンとしてデビューしました。世界的な資質学者の名に恥じない『グラン・ヴァン』のフィネスを備えた南西ワインが生まれました。
ドメーヌについて
Domaine Laroque d’Antan ドメーヌ・ラロク・ダンタンは、地質学の世界的権威リディア&クロード・ブルギニョン夫妻が2002年に南西地方のカオールに土地を購入して、創設したドメーヌです。90年代から、DRC、ルロワ、ルフレーヴ、ジャック・セロスなど世界の超一流ドメーヌの畑の土壌分析をしてきたブルギニョン夫妻は、いつか引退した後に自分自身でワイン造りをしたいという夢を抱いていました。しかし、ブルゴーニュの土地は高騰して手に入れることはもはや不可能でした。
1993年、ある南西の造り手の畑の土壌分析をしたことがきっかけで、二人はカオール地方のブドウ畑の素晴らしさに魅了されます。その後、何度もこの地を訪れた二人は、カオール地方のブドウ畑が130年前にはフランスで二番目のブドウ栽培面積があったこと。しかし、フィロキセラ禍で実に99.5%近くが荒廃してしまったこと。さらにカオール地方のコース(台地)のテロワールはブルゴーニュに比肩する素晴らしいテロワールであることを発見したのです。
現在、カオールのブドウ畑は大きく二つのテロワールに分かれています。一つは、ロット河岸辺の肥沃な段丘の畑。もう一つは地元でコース(台地)と呼ばれる高台にあるテロワールです。実はフィロキセラ禍以前、ブドウが栽培されていたのは、石灰岩を多く含む痩せた土壌であるコース(台地)のテロワールでした。ブルギニョン夫妻が、ブルゴーニュのテロワールに比肩すると断言しているのも、まさにこのコース(台地)のテロワールなのです。
地質コンサルタントとして数多くの造り手にアドバイスをしながらも、顧客が彼らの全てのアドバイスを必ずしも実践していないことから、夫妻は顧客達のモデルとなるようなワイン造り、つまり、テロワールを尊重したブドウ栽培を行えば、『グラン・ヴァン』を造ることができるということを証明したいと考えていました。
二人は、農薬が一切使われたことのない、汚れていないピュアな畑を求めて、2002年、カオールのコース(台地)にある見捨てられた荒れ地の森を購入します。夫妻は、その荒れ地を6年掛けて開墾・整地したのです。森林の株を引き抜いて整地した後は、2年間小麦を栽培して土壌を整え、その後は周りの森で取った木やブドウ剪定の際に切ったブドウ木を細かいウッド・チップにして表土に敷き詰めて自然に堆肥化させ、地中の微生物を活性化させるという取り組みを行いました。
こうして、2008年に5.8ヘクタールの畑に、マッサル・セレクションで選別したマルベック、カベルネ・フラン、セミヨン、ソーヴィニョン・ブラン、モーザック、ヴェルダネルなどを植樹したのです。カオール地方のブドウ畑の一般的な植樹比率は1ha当たり5千本ですが、夫妻はブルゴーニュに倣って1ha当たり1万本近い密植にしました。そして、2017ヴィンテージの収穫ブドウからネフェールと命名した白ワインのキュヴェを、続く2018ヴィンテージではニグリンヌと命名した赤ワインのキュヴェを造り、ヴィニュロンとしてデビューしたのです。
ブルギニヨン夫妻による、ビオとテロワールの有益性
リディア&クロード・ブルギニョン夫妻は地質コンサルタントとして数多くの造り手と仕事をしてきましたが、二人はビオやビオロジックがテロワールをワインに忠実に表現するための最適な方法であると考えています。夫妻はドメーヌがビオやビオロジックに転換する際にも、そのプロセスに立ち合います。例えばDRCがビオディナミに転換する際には、DRCの従業員をトレーニングしながら、数年間に亘って転換のプロセスに立ち会ったそうです。
夫妻は「テロワールは品種よりも強い」と提唱しています。例えば、オーストラリアのある顧客の畑で、二人はガメィに理想的なテロワールを見つけました。しかし、その造り手はピノ・ノワールを栽培したいと言ったのです。夫妻は「でも、あなたのワインはガメィの味わいになりますよ」と説明しました。その後、出来上がったピノ・ノワールのワインを試飲してみると、ボージョレと間違えるほどの味わいだったのです。これは品種よりもテロワールの味わいが勝ることを示す典型的な例でした。
ブドウなどの植物は微生物の助けがなければ地中から養分を吸収することができません。なぜなら、微生物は土中の有機物を分解して、根が吸収しやすいように消化を助けてくれるからです。一方の微生物は、根から栄養豊富な分泌物をもらって、根の周りに生息しています。根と微生物は、このような栄養分の交換をしながら共生しているのです。
ブドウ栽培においても、まさに、この植物と微生物の栄養交換があって、ワインの中にテロワールが現れるのです。例えば、モルゴンはマンガンが豊富な花崗岩のテロワールです。化学薬品を使わないビオやビオディナミでブドウ栽培をすれば、植物と微生物の間に正常な共生関係があり、高い比率のマンガンが根からブドウに吸収されて、モルゴンの特徴である味わいがワインに現れます。
しかし、殺虫剤や除草剤などの化学農薬は浸透性であるため、植物の奥深く、根にまで達して、根の周りに生息する微生物を死滅させてしまいます。そうすると、この植物と微生物の栄養交換がなくなってしまいます。根から養分が吸収されることもなくなり、結果的にテロワールの特徴がワインに現れることはなくなってしまうというわけです。
つまり、畑が生きた土壌でなければ、ワインにテロワールが表現されることはないのです。
(以上、輸入元情報を基にエッセンティアにて編集。転載の場合は必ず引用元を明記のこと)
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