[造手] Frank Cornelissen / フランク・コーネリッセン
[銘柄] Munjebel Bianco / ムンジェベル・ビアンコ
[国] Italy / イタリア
[地域] Sicilia / シチリア州, Etna, Northern valley / エトナ山、北斜面
[品種] Grecanico Dorato 50%, Carricante 50% / グレカニコ・ドラート, カッリカンテ
[タイプ] 軽めオレンジ / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml
<銘柄エピソード:Edited by essentia>
エトナ山の古い呼び名Mongibello(モンジベッロ)は「Monte bello=美しい山」から来た言葉で、元々はラテン語モンス(山)とアラビア語ジベル(山)から派生したと考えられている。古き良きエトナの伝統を、個性の違う畑(ときに異なるヴィンテージ)をバランス良くブレンドする手法をとることで踏襲してきた。初ヴィンテージは2004年、当初は、陰干ししたブドウを使い、長期間のマセレーションを行いアンフォラで熟成させていたが、徐々に醸造方法をブラッシュアップし、現在のスタイルに落ち着いている。
<造り手コメント:Edited by essentia>
私たちの最初の白ワインは、もともとオレンジワインとしてスタートしました。果皮と一緒に長期間発酵させたものでした。私はその触感や密度が気に入りましたが、一方で、たとえばロワールのようなクラシックなフランスの白ワインに見られる繊細さや精密さが欠けていると感じました。そこで2015年ヴィンテージから、エトナの純粋さと風味を追求するために醸造技術を変更し、果皮との接触期間を短く保ちつつ、瓶詰め前にセラー内で最も冷たい場所で長期熟成を行うようにしました。こうして得られた優雅さ、純粋さ、密度により、このワインは魚料理から白身の肉料理まで、幅広い料理と素晴らしく調和します。
<栽培:Edited by essentia>
ランダッツォおよびカスティリオーネ・ディ・シチリアの各コムーネにある区画、カルデッラーラ、クラザ、ピッチョーロ。北向き。平均樹齢30年以上。
<醸造:Edited by essentia>
丁寧に除梗、軽く圧搾し、3日間のマセレーションを行う。1500−4500Lの樹脂製タンクで約16ヶ月間、醗酵の続きと熟成を行う。無清澄。瓶詰め前に0.8ミクロンのPP(ポリプロピレン)カートリッジで濾過。亜硫酸はブドウの品質やワインの安定性によって添加の有無が異なり、15〜50 mg/lの範囲で変動。
<ストーリー:Edited by essentia>
シチリア島東岸、紀元前にギリシャ人によって造られた街タオルミーナから直線距離で22km、エトナ山(標高3326m)の北部に位置するパッソピッシャーロにあるワイナリー。フランク・コーネリッセンは、以前はベルギーやオランダへのワイン輸入の仕事や、豊かな語学力を駆使しインポーターにワイナリーを紹介するエージェントの仕事をしていましたが、2001年ヴィンテージより自らが理想とするブドウ栽培とワイン造りを始めました。
地中海最大の活火山であるエトナ山の噴火活動は、50万年前から始まったと推測されており、現在でも数年おきに小−中規模な噴火を繰り返しています。1600年代の大規模噴火ではカターニャ市の半分が壊滅し1万人の死者を出すなど、時に甚大な被害をもたらしてきましたが、現在でもシチリア島の全人口の約25%がエトナ山の裾野で暮らしており、住民にとって危険な場所ではなく、農業や観光など様々な部分で重要な地域であることを感じさせます。水はけの良い豊かな火山性土壌であるエトナ山は、標高が上がるにつれ昼夜の寒暖差が大きくなり、山特有の乾燥した風が吹き続ける環境で、農薬に頼らないブドウ栽培に適した場所です。その中でも、北部は他のシチリアのブドウ産地と比べて倍近い降水量があり、雨が浸透性の高い溶岩で濾過され地下水脈を構成しています。フランクは、フィロキセラ以前の古樹が残っているこの地域が、標高や方位によって全く異なる気象と土壌条件を持つことからも、ブルゴーニュのコート・ド・ニュイやピエモンテ州のバローロと同じく、コントラーダ(単一畑)から造られる赤ワインにとって最良の場所だと考えています。
当初1ヘクタールから始まったブドウ栽培は、徐々に面積を増やし、現在は総面積で24ヘクタール超になりました。伝統的なアルベレッロ仕立ての古樹の畑が13ヘクタール、幅の異なる近代的な畝へと仕立てられた古樹の畑が9ヘクタール、約2ヘクタールがオリーヴの樹で、それ以外の一部の場所に果樹、ハーブが植えられ、森もそのまま残されています。敷地内では、本来の自然の生態系が持つ複雑性を取り戻すため、野生のハーブや花々、雑草を共生させながら、地品種の果樹を植え、ミツバチを飼い、単一種栽培を避ける努力をしています。また、新たに植樹するブドウ樹は、台木を使わず、自根のブドウの中から選抜した枝を苗木にしています。ブドウ畑とその周辺の土壌にいかなる処理も施さないことを目指していますが、その年の畑の状況に応じて耕作や硫酸銅の散布を行う場合があります。
エトナのコントラーダを余すところなく表現するために、新しいヴィンテージの始まりに厳しい剪定を行い、徹底的に収量を制限し(最も重要なブドウは1株あたりブドウ300−600g)、ブドウの摘果作業(房の先端をカットして、まばらな熟し具合を均一にし、ダメージを受けた粒や、熟し切れなかった粒を1つ1つ取り除く)を妥協なく行っています。完熟を迎えたブドウは、状態の良いものを選別、除梗され、小さな樹脂製タンクでマセレーションとアルコール醗酵を行い、乳酸醗酵が終わったら圧搾しグラスファイバー製のタンクで熟成。醗酵や熟成に使われる容器は、容器の素材が、ワインに影響を与えないことを第一に選択されています。2018年から極少量の二酸化硫黄を添加。年間約12−15万本を生産。
(以上、輸入元情報を基にエッセンティアにて編集。転載の場合は必ず引用元を明記のこと)