[造手] Maurer Oszkár / マウア―・オスカル
[銘柄] Kadarka Basic / カダルカ・ベーシック
[国] Serbia / セルビア
[地域] Vojvodina Autonomous Province / ヴォイヴォディナ自治州
[品種] Kadarka / カダルカ
[タイプ] 赤 / 辛口 / ミディアムボディ / 酸化防止剤無添加
[容量] 750ml
<品種エピソード:Edited by essentia>
カダルカは古い歴史を持つブドウ。ピノ・ノワールに比肩する優美なアロマをもたらす最高品質のブドウと評価されながら、遅咲き、晩熟で、栽培が難しいため、その地位を徐々にブラウフレンキッシュに奪われていきました(マウアー家は19世紀よりこの品種を保存し続けています)。現在カダルカはその品質の高さから再び脚光を浴びつつあります。
<輸入元テイスティングコメント:Edited by essentia>
少し還元。しかしほどなく香りは開いていきます。美しいルビー色。赤リンゴ、サクランボ、野イチゴ、ゆすら梅、あんず、アセロラ。艶やかな香りは、何層にも重ねた薄絹が風にたなびいているような麗しさ。なんと素晴らしいワインでしょうか。
<栽培:Edited by essentia>
表土は深い砂地。その下に泥土、石灰、黄土。スヴォティッア地区(Talánterem vineyard(Hajdújárás)、Nosza hill)。1880年と1912年植樹の超古木のカダルカ畑より選抜された7種類のクローンを2004年と2007年に植樹。現在は剪定せずに自然のままに樹は育っています。
<醸造:Edited by essentia>
手摘みで収穫。セミマセラシオン・カルボニックで10日間の発酵。ハンガリーオークの古樽で12カ月の熟成。亜硫酸少量添加、無清澄、無濾過にて瓶詰め。すべての工程で重力を採用しています。
<ストーリー:Edited by essentia>
ハンガリー国境にほど近いセルビア最北の街スヴォティツァ(Subotica)で4代続く伝統あるワイナリー。地品種の古木を数多く有しており、中でも1880年に植樹されたKadarkaの古木は大変に貴重なもので、Jancis Robinsonの『Wine Grapes』にはそのことについての記述を見ることができます。
伝統あるワイナリーを引き継いだ現当主Oszkárはナチュラルワインへの転向をゆるやかに進め、2018年ヴィンテージ以降は多くのワインで亜硫酸ゼロ、または極少量添加でのワインづくりを実現しています(2020年よりすべてのワインで亜硫酸無添加)。
ワイナリーはセルビア北部のヴォイヴォディナ(Vojvodina)のスヴォティツァ(Subotica)に6ヘクタール、セルビアの宝石とも呼ばれるフルシュカ・ゴーラ山の麓スレム(Srem)に10ヘクタールの畑を所有しています。それぞれ人馬による有機栽培であり、良質なブドウを生産しています。
両栽培地ともにカルパチア平原にあり、ベースは砂地と石灰がわずかに混ざる土壌ですが、スヴォティツァは砂質が深く、2mに達する場所もあります。プレ・フィロキセラのKadarkaはそうした土壌に植えられています。スレムではドナウ川沿いに畑が広がっており、リースリングは川岸50m付近に植えられています。火山岩が混ざる土壌です。気候は温暖な半地中海性気候で、歴史的にも銘醸地として知られた土地です。
化学薬品の無い時代、ワインはどのように作られていたのか。この時代の恩恵を享受しつつ、真に歴史を尊重し伝統に回帰するとはどういうことなのか・・・。思索を続けるOszkárは古いワインの書物やワイナリーに残る記録を読み、実践し、旅に出ます。
さまざまな産地をめぐり、生産者同士でお互いのワインについての議論を深め、決まって最後は兄のような存在であるZsoltのいるStrekov1075を訪れます。
Raw Wineの創始者として知られるIsabel Legeronは、Maurer Oszkárの大ファンであり、「Collective Wine Series」という名で世界に彼のワインを紹介しました。彼女は彼を「繊細な感性を持つ、謙虚で柔軟性のある好人物」と評し、彼とのプロジェクトを大いに楽しんだそうです。
ニューヨーク、ロンドン、デンマーク、タイなど、世界のガストロノミーの中心地ですでに高い評価を受けるワインとなっていますが、Maurer Oszkárの進化はまだ始まったばかりです。
(以上、輸入元情報を基にエッセンティアにて編集。転載の場合は必ず引用元を明記のこと)