アピウア / ラ・ムヴェイズ・レピュタシオン.L197 2019

B542

4,800円(税込5,280円)

[造手] Apiua / アピウア
[銘柄] La Mauvaise Reputation.L197 / ラ・ムヴェイズ・レピュタシオン.L197
[原産国] Italy / イタリア
[地域] Marche / マルケ州
[品種] Verdicchio / ヴェルディッキオ
[タイプ] オレンジ / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml

<輸入元コメント>
ヴェルディッキオ172と違い、ヴェルディッキオ単体で醸造。
ブドウの個性を純粋に表現するためにボトル詰め
ヴェルディッキオのもつ骨格、奥行き。
シリアスでいて熟成への期待感を感じる白。
ファーストヴィンテージのため、実験的に2つのタイプを別々に醸造。
今後はマルヴァジーアを混醸したものだけとなる。
樹齢60年。

<醸造>
収穫後、果皮と共に7日間マセレーション(果皮浸漬)
圧搾後タンク内でシュール リー状態で9カ月の熟成。

<ストーリー>
マルケ州アンコーナ県、「カステッリ イエージ」と言えば、誰もが思いつくであろうイタリアを代表する知名度を持つブドウ「ヴェルディッキオ」。しかし、イエージよりもクプラモンターナこそ、ヴェルディッキオの最高品質と呼ばれる唯一の土地である。古くはバローロに並び、区画(Cru)ごとの個性を表現できる、そう考えられるほどの土地の可能性(San Micheleなど一部のみ知られている)を見出されていながら、結局実現されることはなかった。近年は高品質というより、大量生産の代表格として、世界中に知られるようになってしまったヴェルディッキオ。このブドウ、そしてクプラモンターナの可能性に興味を持ったのが、アピウアの当主ロベルト カスティニャーニ。彼は元来の造り手ではなく、建築デザインを生業としてフランス、パリに暮らすようになった。その時住んでいたアパルトメントの近くにあったエノテカ「Crus et Decouvertes」で飲んだワインに衝撃を受けたことがきっかけに、ヴァンナチュールの魅力に取りつかれたと話している。
そのうち、ワインを飲むだけではなく、その魅力を体験したい・自分で表現したいと考えるようになったロベルト。当時、最も親しかったジル・アゾーニ(Le Raisin et L‘Angeル・レザン・エ・ランジュ)のもとで2年、働きながら経験を積み、妻フランチェスカの故郷であるクプラモンターナに移り住んだ。クプラモンターナの土地の可能性を感じ、この土地でワイン造りを始めようと考えたロベルト。しかし、思うように土地を貸してもらう事ができず、当初は近くのワイナリーよりブドウを買いながら実験的な醸造を行っていました。
2018年に、その買い付け先の一つだったLa Marca di San Micheleラ マルカ ディ サン ミケーレより、マンチャーノにある高樹齢の畑を売りに出すという話を持ち掛けられ、その土地を購入。突然の購入によって、資金の大半を使い果たしてしまう事となったロベルト。カンティーナ、醸造設備など、ほとんど資金がない状況でのスタート。彼曰く、「はじめは畑、カンティーナと借りて、タンクなど設備をそろえようと思ってたんだ。でも1年以上探してもどこも貸し手がいなくて、、。この畑は樹齢も理想的で土壌環境もとても素晴らしい、このタイミングを逃したら、二度とこんなブドウ畑は手に入らないと思ったんだ。」
クプラモンターナは標高500mを越える土地で、勾配が激しく斜面に富んだ畑が多い。そして石灰質、粘土質が豊かで、石灰の影響で土地が白く見えるほど。最も有名なサンミケーレは石灰、粘土が大半で白亜質(Gesso)がみられることが特徴的。標高が最も高く、日照に恵まれている偉大なる土地。それに比べ、マンチャーノは斜面が多く、ポジションによって地質が複雑に変わるのが特徴。谷間に位置する場所も多く、日照は決して恵まれているとは言えない。しかし、それが近年のイタリアの猛暑の影響を受けにくい、そう話すロベルト。地質は同じく石灰が多く、砂質が多く入り、粘土質、マール(泥炭岩)、白亜質と入り混じっている。
畑は合計3ha、上部の畑(1976植樹、ヴェルディッキオ、トレッビアーノ少し、マルヴァジーア少し)と、下部の畑(1960植樹、ヴェルディッキオ、マルヴァジーア2列)、畑では基本耕すことはなく、雑草が茂ってきた場合のみ、樹の周りだけを切る。チマトゥーラは果実のフェノールの生育を妨げると考えているため行わない。上部が伸び、茂ることで強い日差しを遮ったり、雹から守る傘になる。銅は最低限、2021年は1ha/700gという少なさ、硫黄も同様に少ないが、使うものも天然由来の硫黄物しか使わない。また、特出すべきは高樹齢の畑のため、新しい苗木は植えず、プロヴィナージュによって植樹を行う。フィロキセラの問題はもちろんゼロではないが、「フィロキセラの大流行より150年経った今、当時のようなリスクが同様にあるとは思っていない。周囲の畑もみんな台木を使っているのなら、蔓延も起きないのではないか?」そう考えるロベルト。そして何より、やはりピエ ディ フランコ(自根)のもつ魅力(樹のバランス感、果実の表現力の強さ)にとても興味があると話す彼。
醸造についてはジル アゾーニで働いた経験、そして自分自身がこの畑で感じたことをベースとしている。中でも一番重要だと感じていることは、ピエール オヴェルノワの言葉、「醗酵は決して簡単なことではない、奥が深くミステリーがいっぱい」だと話すロベルト。「ワインは畑で造るもので、ブドウは美しさよりも健全さを尊重している。長い時間をかけた醗酵に、酵母が死に新しい酵母へと引き継がれながら続いていく、同じブドウだとしても隣り合うタンクそれぞれで、醗酵の表情も違うし結果も異なる、決して同じ現象が起きないもの」。フランスでの経験をもとに自身の体験から学び、さらには先駆者の言葉に確信を持ち、その感性のままワイン造りを行うロベルト。
樹齢の若い畑のブドウより造るピスタ ラスピ。果皮との接触は1日のみだが、それでも十分すぎる色素とタンニンの抽出があるというヴェルディッキオ。そして酸が非常に高い個性は、やはり偉大さの表れと考えられる。まるで火打石のようなミネラル分、そして熟成により生まれるペトロール香は正直驚きを隠せない。繊細でありながら複雑さを併せ持つ、冷涼な2019ヴィンテージ。 そして高樹齢の畑のヴェルディッキオで造られる「ラ ムヴェイズ レピュタション」、フランスのシャンソン歌手、ジョルジュ ブラッサンスの楽曲タイトルより名付けたワイン。直訳すると「悪い噂」、サビの部分「Mais les braves gens n'aiment pas que L'on suive une autre route qu'eux」がまさに今の自分たちを表している、そして自分の始まりでもあるフランスに敬意を表して。こちらはヴェルディッキオのもつ個性を最大に表現。除梗し果皮と共に5〜7日のマセレーション。絞るタイミングは「果皮の要素が最大限に抽出されたタイミング」だといいます。初めの年(2019)は2つのロット(ヴェルディッキオ単一がL197、2列分のマルヴァジーアが入っているのがL172)を別々にボトル詰め。これほどの個性、存在感をもったヴェルディッキオを飲んだことがありませんでした。リースリングに通じるような熟成、ペトロール香。タンニンと高い酸は長期熟成を安易に想像させる。そして土地由来のミネラル感は、カルソを彷彿とさせる。しかし、後からくる力強さと果実味は、そのどれにも当てはまらない個性、、。それこそが「ヴェルディッキオの個性」と話すロベルト。
2019年で4000本強の生産。2020も5000本程度。生産量の少なさはもちろん、カンティーナの狭さは驚愕に値すします、、。まさにガレージを間借りして造られるワインでありながら、その想像を遥かに越えるインスピレーションとポテンシャルをもったヴェルディッキオ。これがファーストヴィンテージであることの衝撃は、想像を大きく越え、初めて体験するような感覚さえ覚えました。Apiuaはラテン語でAcciuge(カタクチイワシ)、小さくも味わい深い(旨味がある)、そんな存在を目指していると話すロベルト。彼らのこれからが本当に楽しみであり、そしてこうしたワイン生産者がほとんどいないこのマルケに、新しい可能性を見せてくれる素晴らしい造り手です。
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