[造手] Velenosi / ヴェレノージ
[銘柄] Rosso Piceno / ロッソ ピチェーノ
[国] Italy / イタリア
[地域] Marche / マルケ州
[品種] Montepulciano 70%, Sangiovese 30% / モンテプルチャーノ, サンジョヴェーゼ
[タイプ] 赤 / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml
<銘柄エピソード:Edited by essentia>
「花のアロマが注目を集めますが、このワインは赤ワインにも関わらず白ワインのような酸があることも特徴で、豊かな酸とサラミや脂肪分の多い肉料理は、互いの良さを引き出しあうのでオススメです」
とエノログのフィリッポは話していました。ラベルは畑の北側にある古いオークです。10人が手を広げて囲む程の大木で、その姿が人々の絆をイメージさせます。ヴェレノージの拠点は、州南端のアスコリ ピチェーノで、北のヴェルディッキオとラクリマは距離が離れていますが、それでも皆の力を合わせて造っているという意味も込めています。ラクリマは非常に個性的な特徴をもつ品種で、果皮が薄いため熟した葡萄の実からは、まるで涙を流す様に果汁がこぼれ落ちます。これが 「涙=ラクリマ」と呼ばれる由縁です。このワインの甘さ(4g)は、フルクトース(果糖)による自然な甘さで、これがラクリマの特徴です。
<輸入元テイスティングコメント:Edited by essentia>
バラのような香り、フレッシュでフローラルな香り。味わい濃く、マスカットを思わせるような、じわっとした果実味があります。タンニンもあります。
<栽培:Edited by essentia>
アンコーナのマルチェッリにある自家畑で、標高は100〜150mです。何世紀にも渡って後世に残る品種としてラクリマを植えました。主に粘土土壌です。栽培はオーガニック(認証はとっていません)、肥料は牛糞、虫除けは植物成分由来のカプセル。
<醸造:Edited by essentia>
通常9月半ばに、小さなケースに入れ収穫します。念入りに選別した後、除梗して、温度管理したステンレスタンクで発酵させます。毎日ルモンタージュしながら、20日間醸しをします。
<ストーリー:Edited by essentia>
1984年:アンジェラ(当時20歳)& エルコレ・ヴェレノージ(当時25歳)により設立
2005年:ヴェレノージS.R.L.となる
自家畑160ha(マルケ145ha、アブルッツオ16ha)、賃貸150ha
「1984年若い二人が、アスコリ ピチェーノでゼロからワイン造りをスタート」
ワイン造りに身を投じることを、アンジェラの両親もエルコレの両親も反対でした。アンジェラの実家は靴のビジネスを、エルコレの実家は食品関係の仕事をしていました。親たちは自分たちの跡を継いでくれることを希望していましたが、アンジェラ達は、親の決めた道ではなく、自分たちがやりたいと思う分野で成功を収めたいと思っていたのです。2人は抑えきれない情熱と共に1984年にヴェレノージを設立、エルコレは25歳、アンジェラは20歳でした。僅か9haの畑から、3種類のワイン(ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ・ブレッチャローロ, ファレーリオ, ヴェレノージ・シャルドネ)でのスタートでした。ワイン造りを始めた当初は本当に大変でした。お金も無く、有名な畑を所有している訳でもなく、ワイン造りの家系でもなかったため、自分達で勉強するしかありませんでした。昼間は畑とセラーで働き、夜は懸命にワイン造りの勉強をしました。それから20数年後、その努力が実り、ようやく親たちも認めてくれましたが、長い年月がかかりました。現在は、自家畑を160ha所有、その他に賃貸契約の畑もあります。家族経営のワイナリーとしてはマルケ州で2番目の規模となり世界約55ヶ国に輸出するまでになりましたが、ワインへの情熱は当初と変わりません。
アドリア海とアペニン山脈に挟まれた、葡萄栽培に理想的な環境
マルケ州はイタリア半島中部に位置しています。北はエミリア・ロマーニャ州、西はトスカーナ州とウンブリア州、南はアブルッツォ州、ラツィオ州に接しています。西はアペニン山脈、東はアドリア海に挟まれる、南北に延びる州です。約70%が丘陵地帯、30%が山岳地帯で、平野部はほとんどありません。ヴェレノージの畑も、全て斜面に位置しています。日中はアドリア海からの冷たい海風が葡萄畑を吹き抜け、日中は日当たりがよく葡萄を湿気から守り、雨が降っても葡萄を乾かし湿気から守ります。夜間は暖かい風がアペニン山脈によって冷やされ、畑に冷たい風が吹きます。これにより、昼夜の寒暖差が生まれ、葡萄のアロマの成長が促され、ワインに豊かな香り、そして酸をもたらします。
エントリークラスからトップキュヴェまで全てのワインに同じ労力をかけるそうした姿勢が実り、国際的なコンペティションでも高く評価されています
「ガンベロ・ロッソ」にてロッジョ・デル・フィラーレが12年連続、通算では20回、最高評価トレ・ビッキエーリを獲得するなど、イタリア国内のワイン評価本では定評を得ていたヴェレノージですが、近年では、国際ワインコンクールでも高い評価を得ています。ベルリン国際ワインコンペティション2019では「Italian winery of the year」に、同コンペティション2020では「Italian white wine winery of the year」に選出されました。ヴェレノージのワインがここまで広く受け入れられた背景には、彼らの哲学があります。それは、生産量が増えてもエントリークラスからトップ キュヴェまで、全てのワインに同じ姿勢で向き合い、同じ労力をかけ、品質の向上に注力しています。
「国際市場でマルケ州のワインを牽引するワイナリーは数少ない。その中で重要な役割を果たしているのがヴェレノージで、毎年世界市場での存在を広げている。(中略)固有品種による白ワインやスパークリングワインから力強い赤ワインまで、このワイナリーの強みは沢山あり、品質が非常に安定している」
−ガンベロ ロッソ イタリアワインガイド2017より抜粋−
アブルッツォでも躍進を遂げる
マルケ州アスコリ・ピチェーノ周辺で造られるワインの発展に尽力してきたヴェレノージですが、2016年にアブルッツォ北部のテーラモのコントログエッラに16haの畑を購入し、ワイン造りをスタートしました。マルケで長年培った知識、経験を活かして造る、ヴェレノージのアブルッツォワインも既に高い評価を得ています。ヴェルソ・セーラ・モンテプルチャーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネは「ルカ マローニ」にて3年連続(2019VT−2021VT)で99点満点の評価を獲得しています。また、2020VTは「デカンター 2024.04」のコッリーネ・テラマーネのパネルテイスティング特集にて91点を獲得するなどアブルッツォのワインも注目を集めています。
(以上、輸入元情報を基にエッセンティアにて編集。転載の場合は必ず引用元を明記のこと)