[造手] SETE / セーテ
[銘柄] FLORA / フローラ
[国] Italy / イタリア
[地域] Lazio / ラツィオ州
[品種] Moscato di Terracina(Moscato di Terracina Giallo) / モスカート・ディ・テッラチーナ
[タイプ] オレンジ / 辛口 / ミディアムボディ / 酸化防止剤無添加
[容量] 750ml
<品種エピソード:Edited by essentia>
ラツィオ州南部、特にテッラチーナ(Terracina)周辺の海沿い地域で栽培され、この品種名を関したDOCが「Moscato di Terracina DOC」として2007年に認可されている。果皮がやや厚く黄色がかった緑色で、アロマティック品種である。
<輸入元テイスティングコメント:Edited by essentia>
濃い外観。花を連想させるボタニカルな香りとパイナップルやライチなど溢れるフルーツの香りに満ちています。上品で繊細。優しさを感じます。アルコールが低く優しく染み込みます。セーテの中で最もアロマティックで人を惑わす魅惑的なワインです。
<栽培:Edited by essentia>
彼らの町プリヴェルノはレピニ山脈が近く、周りを山に囲まれています。畑はアマセーノ川の谷にあります。赤土を含む石灰&粘土質土壌。葡萄の樹齢は40年。
<醸造:Edited by essentia>
このモスカートは早熟で収穫も少し早い。2/3は除梗無しで全房を使用。半分は2週間マセラシオン・カルボニック。その後2日間マセラシオン。もう半分はカルボニック無しで5日間のマセラシオン。グラスファイバーのタンクで発酵、澱と共に6ヶ月間熟成。その間の移し替えは満月の日を避けて2〜3回行います。ノンフィルター。So2無添加。
<ストーリー:Edited by essentia>
ローマから南に100kmに位置する町プリヴェルノ。ローマとナポリのちょうど中間、海と山の間に位置するこの小さな町で、限りなく自由で自然なワインを造る若き造り手がセーテです。2013年に始動したセーテはレ・コステで仕事経験のあるリーダーのエミリアーノと、友人のアルカンジェロ、そして紅一点のマルティーナの3名で構成されています。セーテはプリヴェルノの町と自然を心から愛し、その郷土愛、再生と発展を目指す情熱、そして共にセーテというプロジェクトに関わる3人の強い友情から生まれたワイナリーだという事です。まだ30歳前後の彼等からは青春を謳歌するような瑞々しさと輝きを感じます。そしてそれらがエネルギーとなり、自然で極上の飲み心地を持つ彼らのワインに映し出され、まるで青春の輝きのようなまばゆい魅力を持ったナチュラルなワインです。これが初めて彼等に会い、ワインを飲んで感じた率直な感想でした。
彼らの町プリヴェルノはレピニ山脈が近く、周りを山に囲まれています。畑はアマセーノ川の谷にあり、葡萄も少ないながらも昔から栽培されており、畑は多数存在していましたが、うまく代替わりできずに多くの手入れ無しの畑が残されていきました。中には樹齢の高い貴重な樹もあり、セーテはこの残された畑や自然などを、ワイン造りを基に再生させることを主な目的とした、農業・社会・文化的なプロジェクトとして活動を開始します。
リーダーのエミリアーノは2010-2012年の3年間ラツィオのナチュラルワインの象徴とも言える先駆者グラードリの"レ・コステ"のジャン・マルコ氏の下で働きます。レ・コステでの経験は非常に濃密でした。レ・コステを退職し、これからの自分の生き方を考えていました。そんな中、町のパブで飲んでいる時に現メンバー、アルカンジェロ&マルティーナと出会います。出会いの場所はパブ。なんども酒を酌み交わし、エミリアーノの影響からアルカンジェロ達もナチュラルなワインに自然と魅了されていきます。そしていつしか共通の夢を思い描くようになります。"3人でこの町でワインを造り、畑や自然の再生と発展を目指す"、という目標が生まれました。まるでバンドのような熱い展開。畑やワイン醸造の経験があるエミリアーノを中心に、親族や知り合いの小さな畑を借りて彼らのプロジェクトが2013年からスタートします。2017年から醸造したワインの販売も始まり、ワイン業界にデビュー。
このエリアは多量の赤土を含有しているのも特徴で、赤土は柔らかくほぐれやすく、根が張りやすいため地中深くまで届きます。そしてここの土には多量のケイ素を含んでおり、存在感のあるミネラルに大きく影響しています。親族や知人から借用している畑は、農薬などが使用されていない健全な畑でした。仕立ては主にぺルゴラ仕立てで少し背が高い仕立てになっており、葡萄の樹と一緒に様々な果樹が植えられています。樹齢の高いピエドフランクの樹もあります。フィロキセラは根の張りがまだ浅い若い根を好み、地表8〜9cmに付着し活動と繁殖を行い養分を吸い取ります。彼らの畑の一部は赤土のおかげで根が地中深くに伸びる事によりフィロキセラ菌の被害を免れた貴重な樹なのです。ビオディナミにも関心があり、導入も検討していますが、あくまで自分達のエリアの特性、状況をみてそれらの為になる仕事を第一に考えています。畑の作業は主にアルカンジェロが責任を持って行っています。
彼らの醸造はSO2、酵母、砂糖、温度管理、フィルターなどは一切行いません。まずは健全な葡萄を用いる事、そしてカンティーナと醸造器具、移し替えやボトリングのホースなどに至る全ての徹底的な洗浄を行う衛生管理が大切なのだとエミリアーノは言います。
ワインの味わいはとにかく軽やか。それでいて口の中をただ通り過ぎる軽さではなく明確な"味"と"旨味"があります。通常9-10月の雨が非常に多いエリアなので8月末には収穫、そのため糖度は高く上がらないのがエリアの特徴としてあります。エミリアーノはプリヴェルノを「偉大なワインは生み出せないエリアかもしれない」と言いますが、「でもここで仕事を始められた事は逆に幸運だった」と言います。それは彼らの好きなワインが優しく軽く美味しくあることだったからです。この地域のテロワールに逆らうのではなくシンプルにプリヴェルノの"軽い"という特性を追求するワイン造りに集中しています。極上の飲み心地と表現できる彼らのワインはイタリアに於いて希少なタイプのワインだと断言します。まさに"SETE"="渇き"というワイナリー名通りに飲み手の渇きを存分に癒してくれるワインです
彼らのワインのラベルもまた魅力的です。エミリアーノの友人のデザイナーが各ワインに合わせて描き、それをエミリアーノの兄イバンノがグラフィックで加工しています。
(以上、輸入元情報を基にエッセンティアにて編集。転載の場合は必ず引用元を明記のこと)