[造手] Vigneti Massa / ヴィニェーティ・マッサ
[銘柄] Timorasso “Costa del Vento” / ティモラッソ・コスタ・デル・ヴェント
[国] Italy / イタリア
[地域] Piemonte / ピエモンテ州
[品種] Timorasso / ティモラッソ
[タイプ] 白 / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml
<輸入元テイスティングコメント> 2018ヴィンテージ
オイリーで粘度があり、重厚。
<畑・栽培>
西向きのコスタ・デル・ヴェント畑。畑名は風の通る畑の意味。マール土壌で石灰が少なく重い土壌。日照量も多いので葡萄は完熟する。口中での甘み、広がりが大きい。
畑は全てモンレアーレに位置。標高は300-350m。仕立はグイヨだが、春の摘芯を行わず、ツルは自然に伸ばされる。
<醸造>
手収穫後、低温で1日デブルバージュ。空気圧で酸化しないように圧搾。48-60時間のみマセレーション。発酵はステンレスタンクで18度-23度の低温で行う。バトナージュしながら1年間熟成。粗い珪藻土のフォルターに欠けてからボトリング。6ヶ月間瓶熟成してから出荷。
<ストーリー>
ティモラッソの父
当主ヴァルテル・マッサはトルトーナ地区モンレアーレの産まれ。祖父も健在で現役で「ティモラッソ」からワインを造っている。
『30年前まではモンレアーレには60軒以上のカンティーナがあり、ワイン造りが行われていたが5軒まで減少してしまった』
彼等はこの町を「ティモラッソ」で復興させようと、大量生産を中止し、当時は考えられなかった高品質「ティモラッソ」を造り始める。
『1800年代ティモラッソは食用として人気だった。トルトーナ原産だが北イタリア全域に広がった。アレッサンドリアではコルテーゼにブレンドされた』
PHが低く、糖度も高い。高貴品種としてのポテンシャルを持っていたが、正しい栽培と正しい醸造がなされていなかったことに気付く。
『ティモラッソは土地の個性を表現できる。そして偉大な酸を持っていた。しかし、酸化に弱かったので扱いは難しかった』
1987年から「ティモラッソ」を植樹し始める。その当時「ティモラッソ」をボトリングしていた人は1人もいな かった。全ての畑を6000本/haの密植に植え替え、収量制限を行う。繊細な香を活かすためにステンレスタンクで低温での低温発酵を採用。
『品種特有のナッツ香、グレープフルーツ、ミネラル感は高い温度での発酵やマセレーションによってマスキングされてしまう』
収穫後すぐに低温で2-3日だけマセレーション。25度以下に管理しながら、長めの30日間発酵させることで品種個性が前面に出てくる。
奇才ヴァルテル・マッサ
エリザベッタ・フォラドーリは友人ヴァルテルのことを何でもできる変人と呼んでいる。地元モンレアーレの町をワイン造りで復興させた情熱家であり、変革者。「ティモラッソ」という品種を一気に有名にしてしまうプロモーターでもある。
『そして品種個性を理解し、表現する天性の感覚を持った醸造家でもある。彼が造ると全ての品種の個性がワインに素直に現れる』
彼の畑は全てモンレアーレに位置。標高は300-350m。仕立はグイヨだが、春の摘芯を行わず、ツルは自然に伸ばされる。ツルの先端を切るとツルの成長が止まり、果実に栄養が使われるようにするのと同時に果実の成長を同じタイミングにすることになる。
『同じ成熟度の葡萄だけでは複雑味は出てこない。摘芯をしないで芽かきも最小限にすることで不揃いな成長が期待できる』
畑内で微妙に成熟度が違うことが重要で自然。成熟度が綺麗に揃った葡萄からは単純なワインしかできない。
『少し完熟前のティモラッソはグレープフルーツやカモミールの香がある。完熟したティモラッソは蜂蜜やナッツのニュアンスが出てくる』
色々な成熟度の葡萄が一緒に発酵することで、より複雑で奥行きのあるワインが産まれる。
新しい畑モンテチトリオ
■ステルピ:表土が薄く岩盤の上にある畑。土壌中にはシリスが 多く含まれるので痩せている。
『表土が薄くて支柱を打ち込めない。ワインは細くミネラルが強烈に表現される』
■コスタ・デル・ヴェント:南東向き。マール土壌で石灰がほとんど無い。日照量も多いので葡萄は完熟する。
『葡萄果実を最も感じられる畑。口中での甘み、広がりが大きい』
■モンテチトリオ:新しい畑でまだ樹が若い。粘土に小石が多く混じり 海に由来する化石も一番多く出る。
『最もティモラッソも個性を感じさせる畑。バランスが良いが熟成力もある』
(以上、輸入元情報より引用)[]