[造手] Aia Vecchia / アイア・ヴェッキア
[銘柄] Pinot Nero / ピノ・ネーロ
[国] Italy / イタリア
[地域] Toscana / トスカーナ州
[品種] Pinot Nero / ピノ・ネーロ
[タイプ] 赤 / 辛口 / ミディアムボディ
<醸造>
標高650mのところに植えたピノ ネーロをカルソの石灰岩で作った解放式醗酵槽で醗酵、ダミジャーナ(大瓶)で熟成。
<ストーリー>
ワイン界での人付き合いやら噂話等々に疲れを覚え、自給自足的な生活を目指すべく、2007年にファブリーツィオ&パトリーツィア夫妻は人里離れたところ(彼らはアイア ヴェッキアと命名)に住み始め、マッサヴェッキアの仕事は2009年ヴィンテージから娘のフランチェスカに丸投げしたわけですが、ファブリーツィオがワイン造りから完全に足を洗えるはずもなく…。結局、彼らの家がある標高650mの場所にピノ ネーロを植え、2015年からワインを仕込み始めます。
皆さんが興味を持ちそうなことを箇条書きにしますと…
なぜピノネーロ?: ポッジョ・ア・ヴェンティに使われているブドウを産するフォルナーチェ(標高450m)がサンジョヴェーゼにとってはほぼ栽培限界で、フォルナーチェから更に200mほど高いアイア ヴェッキアにサンジョヴェーゼを植えても、完熟させるのは難しいと考え、比較的早熟な品種であるピノノワールを植えることに。徐々に増やしていった栽培面積は、今現在では1.2haに。
マレンマ地方は、トスカーナ州の中でも温暖&寛大な気候がある上に、イタリアでも屈指の人口密度の低さを誇る地域ですので、容易に開墾もでき、ブドウ栽培にも適した場所を見つけるのに一切困らないような土地。ですから、わざわざ標高の高いところに品種を厳選してまで栽培しようとする、ファブリーツィオのような奇特な人は今までいなかったのかもしれません(笑)。マッサ ヴェッキアのワインが、マレンマ地方の伝統(ワイン文化、テロワール、土着品種…)へのオマージュでありつつも、南のワインが陥りがちな野暮ったさとは無縁な、軽い飲み心地の実現をテーマに掲げていたのに対し、ファブリーツィオがアイア ヴェッキアで表現しようとしたのは、マレンマ地方のワインに抱くステレオタイプ的なイメージからの脱却と、一切のエクスキューズを排した完全無添加ナチュラルワインという事になると思います。
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