[造手] Menti / メンティ
[銘柄] Riva Arsiglia / リーヴァ・アルシーリア
[原産国] Italy / イタリア
[地域] Veneto / ヴェネト州, Vincenza / ヴィンチェンツァ県, Gambellara / ガンベッラーラ。
[品種] Garganega 100% / ガルガネガ
[タイプ] 白 / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml

<栽培>
2001年からビオロジック、2010年からビオディナミ。
作業はすべて手作業で、自分たちで行っている。冬の剪定はステーファノとその父がすべて行い、それ以外の誰の手も借りない。ステーファノ父子はそれぞれの畑を知っていて、土壌の構成によって左右される樹勢の強弱や、それぞれの樹の樹齢、斜面の向きにあわせて、どのように剪定を行うのかを決めている。剪定を行った古い樹には、その後の植樹のため1年経った若い樹を接ぎ木する。若木からなる小さな畑の数々は、ガンベッラーラの地で最も典型的な畑なのだ。
剪定にくわえ、冬の間には緑肥を行う。オーガニック農法によって得られた数種の植物の種を蒔き、春の草刈期には水分や様々な物質を土壌に残す。数年をかけ、それらの様々な物資が土壌やブドウの樹々に有益だと認識することができた。
また、ビオディナミのプレパラート500番である雌牛の糞をつめた雌牛の角と、501番(補足:牛の角に水晶の粉をつめたもの)も冬の間に準備を行う。冬の終わりには、legagioneを行い、土壌が十分に水分を含んでいれば、より生きた土壌にするため、1度か2度、プレパラート501番の処置を施す。ベト病からブドウ畑を守るため、銅とアルコール含有の蜜蝋を用いる。オイディウム対策としては鉱山性の硫黄を、蛾にはバチルス・チューリンゲンシスを用いる。天気予報を注意深く確認し、処置がなるべく少なくて済むようにしている。もし春に雨が多く降れば、プレパラート501番である水晶をつめた牛の角の処置を必要な回数だけ施す。そうすればブドウの葉はより軽くなり、大気中の日光との伝達がよくなるのだ。

[土壌] 火山性土壌
[醸造] ステンレスタンクかコンクリートタンクで醗酵、ステンレスタンクで1年間熟成。

<ストーリー>
メンティ・ジョヴァンニは、19世紀末に設立された家族規模のワイナリーです。創業者のメンティ・ジョヴァンニ氏は、現在のオーナー(名前は同じくジョヴァンニ)の祖父にあたり、もともと自分たち家族で消費するために造っていたワインの販売をはじめました。現在ワイナリーは、ガンベッラーラの歴史的な地区にある7.5haのブドウ畑を管理しています。栽培されているブドウ品種は、ガルガネガとドゥレッラです。これらのブドウから、辛口の白ワインと、陰干ししたブドウから得られる甘口の白ワインが造られています。畑の管理からボトリング、さらには発泡性ワインの醸造にいたるまでの作業はすべて、自分たちのチームで直接行われています。自然と地域の伝統に対して最大限の敬意を払ったうえで造られるワインは、最高のクオリティを求めたコルク栓で封をされ、エレガントに外装を整えられます。2007年、ワイナリーはISO:9001, ISO:2000の認証をうけました。これは、品質を高めていくうえで、新たな一歩を踏み出したことになります。長年にわたり、このワイナリーのワインはイタリアを代表するワインガイドに掲載されています。重要なイタリア国内のレストランに加え、ヨーロッパのみでなく、アメリカやアジアのインポーターや、個人顧客に購入されています。(以上、輸入元情報より)

<出会い>
3月初旬にヴェネツィアのレストランで出会ったとあるワインに惹かれ、ヴェローナ近郊の造り手をヴィニタリー直前に訪ねました。17世紀の農家の作業場めいた醸造所は、冷んやりとした澄んだ空気に満たされ、建物が呼吸していることが感じられました。森の側にある畑は冷涼で、もちろん灌漑もしていません。年若き生産者が、2001年に父親と仕事をするようになってからビオロジックに転換したためか、鷹・鷲・雉・うさぎなど様々な生物がいて理想的な環境が整っています。「何故、今まで、どの試飲会にも参加しなかったのですか」と尋ねたら、「ヴァン・ナチュールの人たちとは考えがあわず、ヴィニ・ヴェーリは新しいエントリーを受け付けていなく、ヴィニタリーは参加費が高すぎて縁がなかった。けれども、今年VIVITが設けられ、しかも出展料が安いので、初めてヴィニタリーに参加することができた」という答えが返ってきました。若さに似ず、しっかりとした考え方と理論がみごとに栽培・醸造を貫いており、それに基づいて造られる自然な醸造のワインには、優しさと芯のある確かな味わいが満ち溢れています。陽のしずむ夕方の訪問時、教会のカリオンが響く美しい村に春の訪れを感じ、幸せな思いでいっぱいになりました。イタリアの自然派ワイン界は、メンティの登場で面目を一新したといっても過言ではありません。ソアーヴェ地区の東に隣接する畑から、かくも理にかなった各種のワインを、抑えられた情熱をもって秘かに育て上げてきた、造り手ステーファノ・メンティ氏に、満腔の拍手を贈りたいと思います。(2012 年 4 月発行 『ラシーヌ便り』No.78 合田泰子 より)

<ガンベッラーラについて>
ソアーヴェの東隣、ヴェローナから東に約25kmへだてる丘陵地帯を中心に、約600haに渡って広がるDOC。ソアーヴェ同様、白のガルガネガが中心だが、一般的にソアーヴェより低収穫で、より“ガルガネガらしさ”が表現される。このブドウ品種については「尋常ではない品種。収量を抑えて栽培すると、キッパリした辛口の白で、シャブリにも似たミネラル感というか石のような風味を伴う」と、マット・クレイマー。ジャンシス・ロビンソンは「良いガンベッラーラは、カモミールと黄色いフルーツの香りを帯び、数年の熟成で蜂蜜や薫香を持つ」と称賛する。DOC法はガルガネガ80%以上、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ、またはトレッビアーノ・ディ・トスカーナ20%以下のブレンドが可能。近年では、プロセッコの成功と拡大により、ガンベッラーラの町の南側・平野部に広がるガルガネガを、グレーラへと植え替える動きも進んでいる。レチョートの甘口、レチョート・ディ・ガンベッラーラのみDOCGとなる。(輸入元情報より)

<ヴェネト州について>
イタリア北東部、ヴェネツィアを州都とする州。イタリアの中では平野部が多く、全面積の56.4%が平地、丘陵地帯が14.5%。ワインの生産量の面でも、常にシチリアやプーリアと共に、同国のトップ3を争う。量の面でも知名度の面でも、この州の三大重要DOCは、イタリア最大の湖、ガルダ湖からの温かい風の影響を受けるヴェローナ周辺の丘陵地帯を中心に生まれるバルドリーノ、ヴァルポリチェッラ、そしてソアヴェとなる。いずれも一時期(極少数の偉大な生産者を除き)、人気に甘えた安易な大量生産で品質が低下したり、低迷した時期もあったが最近ようやく復活しつつある。また近年では生産地を拡大し、辛口化を推し進めたDOCプロセッコの生産と輸出の急伸長も、大きな話題になっている。プロセッコは2013年にはついにシャンパーニュを、輸出量の面では追い越した(ただしDOCプロセッコの生産地の極一部は、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州にまたがっている)。(輸入元情報より)

<プチ情報>
イタリアには多くの火山があることから、ガンベッラーラのみならずソアーヴェ、ピティリアーノなどヴェネト州近隣、フレグレイ平野などのワイン生産者が「火山ワイン協会」と称する団体を2012年3月に発足させた。
同協会は、マイアミやロンドン、デュッセルドルフなど、世界各地で開かれるイベントに積極的に参加。火山ワインのみならず、所属する生産地のワインの試飲サービスを提供するなどして、売込みを行っている。(WINE BAZARRより)
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