[造手] Fattoria di Bacchereto / ファットリア・ディ・バッケレート
[銘柄] Sassocarlo "Terre a Mano" Bianco / サッソカルロ・テッレ・ア・マーノ・ビアンコ
[国] Italy / イタリア
[地域] Toscana / トスカーナ州
[品種] Trebbiano / トレッビアーノ, Malvasia / マルヴァジア
[タイプ] オレンジ / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml
<輸入元コメント:Edited by essentia>
当主、ロッセラは山奥の古い洋館に1人で住み、お手伝いのお爺さんが薪をくべて、料理を作ります。照明はランプで石畳の部屋に、古いテーブルと椅子。もう時が止まっているかのような生活。2008年の初来日時はエレベーターを恐がって大変でした。そんな彼女が造るワインは、一見現代的にすら感じるほど完璧なんですが、なんですが、飲めば飲むほど素直で素朴な美味しさを感じるはずです。
<輸入元テイスティングコメント:Edited by essentia>21VT
新樽比率が0になってから洗練さ、高貴さが出てきたように感じます。特に2021年は甘さがなく、垂直性がありながら、オレンジワインに求める濃密さもあるのでバランス的に優れているんですよね。開けたては少し硬い印象。翌日からが本領発揮です。(2025/3)
<栽培:Edited by essentia>
そもそもトレビアーノは、畑の下の川付近、湿気からサンジョヴェーゼを湿気から守る為に植えられた(湿気の影響で貴腐菌が着く事も)。ビオディナミ。除草剤、ホルモン剤も含め、一切の化学薬品は使われません。
<醸造:Edited by essentia>
10月中旬まで収穫を遅らせている。湿気が多い年には、一部貴腐菌が付着する事もある。20日間程度のマセラシオン。熟成は古トノー樽のみ。
<ストーリー:Edited by essentia>
ほぼ自給自足
1716年にコジモ3世によってイタリアで初めてワイン産地として位付け(DOC)されたのがカルミニャーノ(90年にDOCG昇格)。フランスのAOC法の100年以上前の事なんです。それだけ、カルミニャーノは当時の貴族にとって重要だったのです。 この地域は当時、メディチ家が狩りを行う為の保護エリア(バルコ・レアーレ)であったと同時に、農作物の栽培、そしてワイン生産で有名でした。ここに1920年代に住み着き、農作物の栽培で生計をたてていたのがベンチーニ・テシ家。 レオナルド・ダ・ヴィンチに近い家系でダヴィンチの叔母が住んでいた館も所有しています。所有している土地は150ha以上。60haのオリーブ農園と80ha以上の森林。そして8haの葡萄畑を所有。 現当主、ロッセッラ・ベンチーニはカルミニャーノの丘の上の洋館に1人で住んでいます。ガスは限られていて、お手伝いさんのお爺さんは、今も薪を燃やして自分達で作ったオリーブオイルと野菜でミネストローネを作り、自給自足に近い生活を続けています。
テッレ・ア・マーノ(手作りの大地)
90年代からワイン造りを行ってきたロッセッラに2001年、転機が訪れます。座談会でニコラ・ジョリーと出会い、衝撃を受けます。当時、ワイン造りの技術の進歩が目覚ましい時代に、ニコラ・ジョリーが語ったのは、技術ではなく、自然と共存し、自然の産物としてワインを造り、後世に残していく事の重要性だったのです。 ロッセッラは醸造所内の全ての化学薬品を捨て、化学薬品で痩せていた土壌を豆類の植樹や有機コンポストで活性化させていきます。2003年には酷暑で葡萄樹が死に、苦しみましたが10年以上をかけて土壌改善を進め、徐々に安定化。 カルミニャーノ唯一のビオディナミ生産者となった2002年、「酒の神バッカス」を意味するカンティーナ名、バッケレートに「手作りの大地」を意味するテッレ・ア・マーノを加えて、新しいバッケレート・テッレ・ア・マーノが始まりました。 9つに分かれる葡萄畑の全ては自分が所有する森に隣接し、葡萄樹だけのモノカルチャーではなく、色々な種類の昆虫、動植物の影響を受けながら栽培されています。除草剤、ホルモン剤も含め、一切の化学薬品は使われません。
一般的なカルミニャーノとの違い
120haしかない小さな産地、カルミナーノ。バッケレートの畑はカルミニャーノ村の西のはずれにある丘の上、周囲から森で隔離された場所にあります。栽培されている品種はサンジョヴェーゼ主体に、土着品種でこの地に多く残っているクローンのカナイオーロ。そして300年以上前からこの地で栽培されているカベルネ・ソーヴィニヨン。 一般的なカルミニャーノは川の影響で砂質。その為に、凝縮度より軽快なスタイルが多いですが、バッケレートは丘の上、急斜面の粘土石灰質のサンジョヴェーゼなので、性格は真逆。生育期間も長く、凝縮し、果皮も厚く粒が小さいのが特徴です。 9つに分かれた畑毎に個性が異なるので、別々に醸造。勿論、野生酵母のみで温度管理もせずに発酵。以前はステンレスタンクでしたが、今はコンクリートタンクを導入。発酵時の温度変化が緩やかなので発酵がゆっくり進み、より要素を持つようになったそう。 1番標高が低い畑の下には小川があり、その付近は湿気が多いのでサンジョヴェーゼは育たない。その為、トレッビアーノを植えています(湿気の影響で貴腐菌が着く事も)。これを中心に20日間以上果皮浸漬させて生まれたのがサッソカルロ。サッソカルロはサンジョヴェーゼをカビから守る為の葡萄から生まれたんですね。
(以上、輸入元情報を基にエッセンティアにて編集。転載の場合は必ず引用元を明記のこと)