[造手] Case Corini / カーゼ・コリーニ
[銘柄] Centin / チェンティン
[国] Italy / イタリア
[地域] Piemonte / ピエモンテ州, Costigliole d'Asti(Asti Centroから南に約15km)
[品種] Nebbiolo, Barbera / ネッビオーロ, バルベーラ
[タイプ] 赤 / 辛口 / ミディアムボディ / SO2(酸化防止剤)無添加
[容量] 750ml
<輸入元コメントを基にエッセンティアにて修正>2017ヴィンテージ
バローロ地区では、昔からネッビオーロにバルベーラを少し混醸することで、ネッビオーロに圧倒的に欠けるアントシアニンと、ネッビオーロにもそれなりにはあるもののバルベーラ程ではない酸を足していた。故ロレンツォ・コリーノも、このネッビオーロに足りないものをバルベーラで補完する手法を用いていて、彼の父、ヴィンチェンツォのあだ名?を冠した銘柄を2005年からリリース。2017年は傑作としかいいようのないヴィンテージ。
<畑・栽培>
標高230m、土壌は、泥灰土、砂質。1928年植樹、仕立ては、株仕立て(ゴブレ、アルベレッロ)。無農薬、無肥料、不耕起。
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以下、輸入元情報から詳細を引用
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5-10年に1回程度、ブドウの株の周りの土を起こす。畝の所などは完全に不耕起で、雑草を年2-3回刈るだけ。バルラほどの高樹齢の畑での最も重要とされるのは、ブドウ樹1本1本に少しでも長生きしてもらうこと。樹液が通らなくなって久しい場所は、ブドウ樹の一部でありながら枯れた状態とも言えるので、そこに湿気とか虫とかが居付くと腐るというか、土化してゆくので、取り除く必要が出ます。剪定も、ちゃんとブドウをつけてもらえるよう、そして次の年への保険の枝も考慮に入れつつ、株ごとに見極めながらやらなければなりません。他の仕事はともかく、剪定だけはロレンツォ一人でやるようです。
彼の場合、畑でトラクターを使わないので、土が潰れない。潰れないから、やわらかいまま、なので土を改めて耕す(保水性を高め、空気を含ませるために)必要がない。雑草は刈ってそのまま放っておく事で、自然に堆肥化する。この堆肥は、多く(収穫量)を望まないのなら、ブドウにとって十分な栄養分となる(森に肥料が必要ないのと同様)。微生物が雑草を堆肥化するために活動した際に、結果空気も十分に含まれることになるので、土壌が柔らかいままになる。雑草という餌があるので、微生物は増える。微生物が増えれば、他の生物にとっても同様に生き易い環境になる。そこに自然界のバランスが生まれる。そのバランスさえあれば、極端に害虫が出るということはない。
<醸造>
天然酵母。発酵は木樽で6-9週間ほど。その後、木樽で36ヶ月熟成。全行程でSO2(酸化防止剤)、は完全に不使用。
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以下、醸造に関して輸入元情報から詳細を引用
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醸造からボトリングまで、酸化防止剤を一切使用しませんが、それはただ単に使用する必要がないから使わないだけで、それを実現するために、先人の知恵に科学的理由付けをしたテクニックは駆使しますが、そのテクニックを実現するのに特別なテクノロジーや機械・設備が必要なわけではありません。エネルギー消費少なく、無理がない。
ブドウは完璧なものだけをセラーに持ち込む。そうすることで、バクテリアに対する過剰な心配がなくなるので、醗酵の初期段階に酸化防止剤を使う必要がない。除梗後圧搾されたブドウは100年以上使っている大樽に入れられ、醗酵を促す。セラーも樽にもブドウの皮にも酵母はたくさんいるでしょうから、培養酵母を使う必要がない。どんなに気温が低かったとしても、醗酵は1日もすれば始まりますが、3-4日は果帽に触れず放置。こうすることで、好気的な微生物、嫌気的な微生物とも各々が住みやすい環境で培養される。これがロレンツォのように糖度の高いブドウでも最後まで醗酵を進められる原動力になる。果帽が空気にさらされるのはバクテリア汚染や酸化の危険があるということで醸造学的にはタブーとみなされているので、できるだけ早くモストの中に沈めてあげるべきと言われている。じゃあなんでロレンツォは3-4日置いておけるのか?樽上部は軽くふたを閉じているだけなので、樽の容積以上に発生したCO2はふたの間から逃げるが、樽内の空気は基本CO2がメインとなる(ナチュラル・マセラシオン・カルボニック!)。なので、酸化のしようがない。長い醗酵・マセレーション後、ワインはフリーランで出てきたものだけ使用する。その際、ヴィナッチャがスポンジの役割を果たし、澱をせき止めてくれる。澱がそれほど混じってないワインは極端な還元には陥らないので、澱引き・樽の移し変えを必要としない。樽の移し変えは、還元に陥りそうなワインに酸素を与えるという意味もあるが、酸素は酸化の引き金となる物質でもあり、酸化防止剤を使わず醸造・ボトリングする造り手にとっては諸刃の剣である。
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