マヌエル・プルチーニ / ベリチオ・デル・シルカ 2021

B658

3,700円(税込4,070円)

[造手] Manuel Pulcini / マヌエル・プルチーニ
[銘柄] Bercio del Sirca / ベリチオ・デル・シルカ
[国] Italy / イタリア
[地域] Toscana / トスカーナ州
[品種] ヴェルメンティーノ40%、マルヴァジア30%、その他の白品種30%(うち20%は 8月に早摘みしたブドウ)
[タイプ] オレンジ / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml

<ティスティングコメント>
味わい:薄いイエローの色合い。レモンやグレープフルーツなどの黄色い果物の香りに貝殻などのミネラルのノート。柔らかくフルーティな口当たり。黄色い果物の心地良い果実を感じるエレガントでフィネスのある味わい。心地良い余韻には微かな苦みとミネラルが残る。

<醸造>
醸造:収穫は手摘み。ヴェルメンティーノとその他の品種は全房で圧搾、マルヴァジアは除梗・破砕して数時間のスキンコンタクト。低温で清澄した後、品種毎別々に野生酵母のみで自発的に発酵。その後マロ発酵と熟成。醸造添加物は一切加えずに醸造する。ブレンドは瓶詰め前に行い、無清澄・ノンフィルターで瓶詰め。SO2 はボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加。
2021 ヴィンテージは総生産量 754 本。2022 年 5 月時点の SO2 トータルは 62mg/l。
アルコール度数は 12 度。

<ストーリー>
Manuel Pulcini マヌエル・プルチーニはローマ生まれの現在 35 才。両親がローマ郊外に小さなカーヴを所有していたため、小さい頃からワインが身近にありました。
自然にワイン造りに関心を持ったマヌエルはピサ大学でワイン醸造学の学位を取得。その後、モンタルチーノのフォンテレンツァなどのビオディナミを実践するトスカーナの幾つかのワイナリーで働き、ビオディナミとナチュラルワイン造りへと惹かれていきました。
トスカーナには愛情を込めて手入れされていたブドウ畑が数えきれないほどあります。しかし、現代産業の流入によって見捨てられてしまいました。これらの畑は過去の農村の遠い思い出になってしまっています。マヌエルはこの衰退する農村の流れに反抗することを決意。友人のサポートで、トスカーナのルッカ近郊に約 2.3 ヘクタールの耕作放棄されたブドウ畑を借りて 2017 年 1 月に自身のワイナリーを設立しました。
マヌエルが目指したのは、ブドウ畑に新しい生命を吹き込み、現代的醸造学のワイン造りから解放された、自然を尊重したワイン造りのプロジェクトでした。

マヌエル・プルチーニにインスピレーションを与えているのは以下のような考え方です。
・四大元素、「水と風と火と土」は地球上に存在するあらゆる物質の原料となる自然の要素であり、生命を生む原型であり、宇宙の原理です。これは残していかなければならない農村の哲学です。
・現在の狂気に満ちたグローバリスムの世界においては、自然への回帰とは、過去の農村の価値を再発見し、土の上で額に汗して働くことです。

マヌエルは以下のように語っています。
「私たちがエネルギーと情熱をもって追求するプロジェクトは、古代の価値の発見、本物の農業、自然なワイン醸造を通して、忘れられたライフスタイルとブドウ畑を継承していくための新しいワイン造りのプロジェクトです。私たちはこのプロジェクトを通して伝統的な農業と現代の世界とをつなぐ架け橋になりたいのです。」

※四大元素説:
万物は水風火土(地)の四つの元素から成り立っているという思想。古代ローマやギリシャ時代から支持され、プラトンやアリストテレスの思想もこの四大元素の考え方を基にしていると言われる。

栽培について
ワイナリーの畑はルッカの近郊(北西)にあります。総栽培面積は約 2.3 ヘクタールで、実に 14 品種も
のブドウが栽培されています。しかし、0.1 ヘクタールに満たない品種が殆どで、主要品種はトレッビアーノ、シラー、サンジョヴェになります。区画は大きく 4 つに分かれています。栽培はビオディナミで、最初の数年は 500 番や501 番調剤を使用していましたが、形式的ではない、より適切なビオディナミを実践するために、数年以内に動物や牛糞、調剤などを購入できるよう準備中です。
施肥に関しては、堆肥や有機肥料は全く用いていません。その代わりに、緑肥として、ハーブや野菜、豆などを畑で栽培しています。土壌の種類に応じて、西洋アブラナや蕪、インゲン、クローバーなどを栽培しています。これらの植物や野菜は地中に有益な窒素を供給してくれるからです。また、畑の植物多様性を維持するためと有害な昆虫を避けるために、畝の間に自然なカバークロップを生やしています。
耕耘は、1 畝毎交互に 2 年に 1 回行っています(1 年目は偶数の畝、2 年目は奇数の畝)。ブドウ木にストレスを与えないように、夏季に伸びた新梢の先端を切る摘芯は行いません。グリーンハーヴェストや除葉も基本的に行いません。また畑に過剰な負荷を掛けないように、重い農業機械は可能限り使用していません。

醸造について
醸造においては、人為的介入を最小限にし、化学的な技術や人工添加物は一切使わずに、野生酵母による自然な発酵でワイン造りを行っています。SO2 は、ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために必要最低限のみ添加しています。ワイナリーの畑は他の産地と比べて ph が高いため、ブドウの酸が低くなり、非常に酸化リスクがあるため、現在までのところ、他のナチュラルワインと比較した場合、SO2 のトータル値はやや高くなっています。しかし、今後、徐々に減少できるように努力しているところです。
マヌエルは、酸とミネラル、フレッシュ感がある飲みやすいワインを目指しています。ワイナリーの畑は標高がそれほど高くはなく(約 300m)、ミクロクリマによる要因よりも、的確な収穫日と最高の房の選択によってこの目的を実現しています。そして、「水と風と火と土」を地球上に存在する自然の四大元素と捉え、この四つの要素を象徴するワインを造っています。

<このワインについて>
1985 年に植樹された 0.928 ヘクタールの区画“ベリチオ・デ・ル・シリカ”から生まれるキュヴェ。
マヌエル・プルチーニ自身による解説:
このキュヴェは自然の四大要素の中の『風』を象徴しているワインです。『ベリチオ・デル・シルカ』とは古いトスカーナの方言で「悲惨な悲鳴」を意味します。このワインが栽培される区画は、ブドウ木が畑の傾斜に対して水平に植えられています。このため、強い風が吹くとブドウ木がナイフのように風に切り裂かれ、支柱のワイヤーに触れて「悲鳴のような」音を発することが名前の由来です。狂暴な風ですが、畑の生物多様性を促してくれます。この区画だけで 10 品種のブドウがランダムに栽培されているため、その年のブドウの出来によって、毎年、異なるスタイルのワインが造られます。2019年はミネラルを備えた辛口の白ワインに、2018年はペティヤンに仕立てました。エチケットのイラストはこの悲鳴のような風に触発された人の顔を表しています。

(輸入元情報より引用)

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