[造手] Clement Perseval / クレモン・ペルスヴァル
[銘柄] 1er Cru “Chamery” / プルミエ・クリュ・シャムリ
[国] France / フランス
[地域] Champagne / シャンパーニュ地方
[品種] シャルドネ 40%, ピノ・ムニエ 35%, ピノ・ノワール 25%
[タイプ] 白 / 泡 / 辛口 / ミディアムボディ / ノン・ドサージュ
[容量] 750ml
<畑・栽培>
『シャムリィ村では同じ丘の斜面でも断層が存在し、表土が違っている。調べてみると僕が所有する畑には同じ区画の中にも更に細かい土壌の違いがある事に気がついた』
村の南西にある緩やかな傾斜の「クレモン」の区画には3つの異なる表土が存在している。区画上部にあるのは重い粘土質土壌。そこから50m斜面を下ると砂質土壌に変わる。更に下方へ移動すると今度は白色石灰を多く含む粘土石灰質土壌が剥き出しになっている。
『この区画は全てシャルドネが植えられているが、3つの表土の違いによって葡萄の個性が変わる。勿 論、ワインの個性も全く違うものになる』
華やかなアロマを持つ砂質土壌のシャルドネはピノ・ノワールやピノ・ムニエとアッサンブラージュすることでワインをまとめる役割。石灰土壌のシャルドネは硬質なミネラルが背骨の役割を果たすのでブラン・ド・ブランに使用することで個性が際立つ。葡萄栽培は父親の代から何も変わらず、極めてシンプルな方法で行われている。
『冬の間は一切除草せずに畝の間に下草を生やす事で土壌を柔らかく保つ。春以降も下草は基本的 に残し、伸びたら踏み倒していく。除草剤や化学肥料の使用は一切中止した』
シャンパーニュは雨が多く、湿気による病害は非常に多いので気候的に難しい年には最低限の有機肥料等による処置を行う。膝をついて素手で土を掘り、土壌について熱く語る「クレモン」。微生物が多い土壌は発酵したような匂いが強く、他の畑の無臭の土とは全く違う。土壌は着実に生命を取り戻している。
<醸造>
斜面中央部の黄色い砂質が多いのが特徴の畑に植えられた3種の品種をアッサンブラージュ。発酵は色々な大きさのステンレスタンクで収穫毎に分けて発酵させる。野生酵母のみ。できるだけ細かく分けて発酵させることでアッサンブラージュの可能性を高めている。一部古バリック熟成。ノン・フィルター。ノン・ドサージュ。
<ストーリー>
『シャンパーニュ』新世代の代表格
次世代のジャック・セロスとして今、最も注目を集める若手。シャムリィ村のミクロクリマに注目し、砂・粘土・石灰の 3つの土壌から異なるタイプのシャンパーニュを造る。
プルミエ・クリュ・シャムリィ村
20代後半の若手醸造家「クレモン・ペルスヴァル」。学校卒業後に「ジャック・セロス」等で研修を経験、2010年に自らのドメーヌを設立した。
『父から譲り受けた4haの畑は全てプルミエ・クリュ・シャムリィ村。下層部はこの地域特有のチョークだが、表面は2m以上も砂質に覆われている』
砂質土壌の特徴は水はけの良さと葡萄の熟度の高さ。表土に含まれる砂が日中の熱を蓄え葡萄樹を温 め、熟度の高い葡萄が収穫出来る。
『表土層が薄いモンターニュ・ド・ランスの東ではダイレクトに根がチョーク層に到達するので鋭角な酸や硬いミネラルがワインに現れる。しかし、シャムリィ村の厚い砂混じりの表土層からは、葡萄が完璧に熟 すので、そこに緻密さが加わる』
「オーレリアン」(ラエルト・フレール)に言わせれば、ペルスヴァルは最高の畑、栽培・醸造の知識、そして最も大切なワイン造りの情熱の全てを持っている珍しい存在。ヴァン・ナチュールの最大規模のサロン「ディーヴ・ブテイユ」でも一番の注目株。
単一品種・単一区画・単一年
『目指しているのはブルゴーニュの様に土壌を活かしたワイン造り。単一品種、単一区画、単一年でシャンパーニュを造るのが理想』
自らの所有する畑の土壌の複雑さを知るほど、その個性を反映したシャンパーニュを造りたいという思いは膨らんでいるよう。
数年後には3つの土壌を持つシャルドネの区画からは3つの異なるキュヴェをリリースする予定。
『畑を丁寧に耕して来た祖父や父は数畝毎に異なるこの村の特殊な土壌に以前から気付いていた。だから各土壌に相応しい品種やクローンを細かく分けて植えた。僕はそれを異なるキュヴェのシャンパーニュとして仕上げたい』
「クレモン」のシャンパーニュはノン・ドサージュでも膨らみのあるリッチな印象。ブラン・ド・ブランでさえもシャルドネの太い味わいを感じさせる。 酒質が緻密で詰まっている。デゴルジュマンから少し時間をおくことで、よりワインとしての深みを持つように なる。
[]