[造手] Tunia / トゥニア
[銘柄] Bianco “Sottofondo” Frizzante / ビアンコ・ソットフォンド・フリッツァンテ
[国] Itary / イタリア
[地域] Toscana / トスカーナ州、Civitella in val di Chiana
[品種] Trebbiano / トレッビアーノ100%
[タイプ] オレンジ / 微発泡 / 辛口 / ミディアムボディ / SO2(酸化防止剤)無添加
[容量] 750ml
<畑・栽培>
10年以上放置されていた畑を手作業で再構築し、ボルドー液も含め、一切の薬剤を使用せずにワイン造りを始める。伝統的産地ではないからこそできる自由で自然なワイン造り。
<醸造>
収穫を2回に分けてアッサンブラージュする。まず、熟す前に収穫し、モストのみを発酵させて酸度の強いワインを得る。その後、完璧に熟した葡萄を収穫し、葡萄を足で踏んで30日間のマセラシオンをしながら発酵させる。2ヵ月後に2つをアッサンブラージュしてボトリング。ヴィンサント用のモストを加えて2次発酵を促す。
<ストーリー>
荒廃した畑を復活させた
『トゥニアはエトルスコ時代の最も重要な神の名前で葡萄栽培やワイン醸造を司ったと言われる』
キャンティの東に20km、アレッツォに近い荒地に放棄され、朽ち果てた荘園が「トゥニア」。2008年に始まった新しいカンティーナ。
所有者は大学の同級生「キアラ」と「フランチェスカ」。更に「キアラ」の兄「アンドレア」の助けを得て彼女達の理想の追求が始まった。
ピサ大学で「キアラ」は経済学を「フランチェスカ」は生物学と醸造学を学び、卒業後、フランチェスカはサルディーニャで栽培の仕事をしていた。
『ミラノで働いていたキアラは最終的には自分でやりたい事をすべきと考え、フランチェスカと共に独立することを決意』
キャンティ・クラシコで畑を探すが、価格が高騰しているのと、自然環境が壊れている事、更に周辺の造り手からの化学薬品の影響を嫌い、断念。
アレッツォのフィレンツェ大学が所有していた荒廃した25haの葡萄畑に出会う。周辺は森で畑は無く、農薬の影響を受ける心配も無かった。
『放棄された葡萄樹は傷んでいたが、樹齢は40年と理想的で、何より土壌は農薬に侵されておらず健全だった』
15haの葡萄畑はサンジョヴェーゼ、コロリーノとカナイオーロの混植。3haのオリーヴ畑。残り7haは森を残してあり、生物多様性が確保されている。
『トラジメノ湖からの冷たい風が1年中吹くので気温が上がり過ぎないし、カビも少ない無農薬栽培には理想的な環境』
銅も硫黄も使わない
彼女達が目指しているのは有機栽培ではない。オーガニックで認証されている添加物は約50種類あるが、彼女達はこれを使わない。
『オーガニックは酵母、酵素、酸、タンニン、バクテリア等を加えることが許されている。これは自分達の造りたいワインではない』
彼女達が言う「ナチュラルワイン」は畑でも無農薬で、醸造段階でも何も足さないワインであり、極小量の亜硫酸以外は何も加えない。
『酵母も野性酵母のみ。清澄もしない。何も足さない。葡萄を発酵させただけの世界で最もシンプルな酒が私達のワイン』
野性酵母のみでの発酵は酵母の強弱、種類によって発酵がスムーズに進まず、バクテリアの繁殖などのリスクがつきまとう。
『色々な種類の野性酵母を増やせば、発酵は自然に進む。だから農薬は勿論、酵母を含む微生物を殺してしまう硫黄さえも使用しない』
畑は20年以上荒廃していたので微生物が豊富。硫黄を含むボルドー液すら使わないので非常に多くの種類の微生物が存在し、活性化している。
だが、放置されていたので葡萄樹のバランスは崩れ、果実自体の品質は酷かった。時間をかけて手作業で良い状態に戻していった。
『薬剤を使った畑は同じような個性になっていく。本当の個性(テロワール)は自然が作るもので人間や薬剤が作るものではない』
ジュリオ・アルマーニ
収穫した葡萄はドライアイスで酸化を防ぎながら冷やし、1日置くことで揮発的な果実由来の香をモストに安定させる。
『白葡萄は伝統的バスケットプレス。黒葡萄は足で踏んで野性酵母のみで発酵。発酵容器は特に拘らない。その時空いているもの』
若い2人の栽培、醸造に助言しているのがラ・ストッパの「ジュリオ」だが、土地の個性はクリスピーで軽やかな味わいなのでラ・ストッパとは全く違う個性。
『適度な小石を含む粘土石灰土壌でゆるやかな傾斜部。重厚さや骨格ではなく、クリスピーなミネラルや軽快な味わいがこの土地の個性』
軽快さを失わずに、複雑味を得る為に収穫のタイミングをずらして別々に発酵させ、アッサンブラージュするなど、独自の工夫がなされている。
(輸入元情報より引用)
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