[造手] Santa 10 / サンタ・ディエチ
[銘柄] Santa Tre / サンタ・トレ
[国] Italy / イタリア
[地域] Toscana/ トスカーナ
[品種] Trebbiano/ トレッビアーノ
[タイプ] 白 / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml
[畑] 2012年からトレビアーノ単一でワインを造り始めた。シエナ南部、東向きの畑。
[栽培] できる限り葉を多く残して葡萄が焼けないように栽培。できる限り遅い収穫。
<醸造>
収穫後、徐梗してステンレスタンクに投入。足で踏んで破砕して野性酵母のみで発酵。マセラシオンはヴィンテージによるが、1週間から1ヶ月。6ヶ月ステンレスタンクで熟成後、ボトリング。
<ストーリー>
5軒しか存在しない『シエナ』の造り手の1人
会計士を辞めワイン造りに転身。キャンティの造り手パーチナにワイン造りを教わりながら、年々成長している若手注目株。もう既に偉大なサンジョヴェーゼの片鱗を見せ始めている。
シエナに5軒残るカンティーナ
税理士として働いていた「ジャンニ・マッソーネ」はストレス性胃炎で体調を崩してしまう。仕事を続けていくか悩んでいた時、相談したのが「パーチナ」の当主 「ステファノ」だった。
『妻の妹がパーチナのステファノと結婚していたので親戚のような関係だった。ステファノの自由な生き方 に惹かれていった』
「ジャンニ」は税理士を少し休みながら自宅周辺の荒れ果てた葡萄畑を再生し始める。
『2003年にサンジョヴェーゼを中心にプティ・ヴェル ド、カベルネを植樹した』
お爺さんが所有していた 1.5haの葡萄畑と480本の オリーヴの樹を含む8haの土地を相続し、地下を熟 成庫、ガレージを醸造所に改装してしまう。 場所はシエナの南10kmの丘の上。自宅の周辺が 葡萄畑になっている。その周辺を森林が囲っていて 自然に囲まれた環境。
『シエナには造り手は5軒しか残っていない。シエナに近いので皆シエナで働くことを選び、葡萄畑は荒 廃していった』
「パーチナ」の「ステファノ」の協力で葡萄畑を再生していった。無施肥の自然農法を実践しながら、土壌を作っていく。
『今まで一度も薬品を使っていない畑。除草剤も肥料も使用していない。葡萄以外の植物が育っていたので複雑性もある』
醸造に関しても全くの素人だったので「ステファノ」に学び、自然なワイン造りを目指していった。
『50年以上放置されていた畑。見た目は悪いが土壌は健全だった。凝灰岩と砂を多く含む粘土質でトゥーフォと呼ばれる』
年産500ケース
2007年が初ヴィンテージ。年産500ケースの生産量なので専業では不可能。税理士を続けながら、毎朝、毎週末に葡萄畑を管理している。 醸造所は小さなステンレスタンクが5つだけ置ける小さなもの。設備も最小限。
『発酵はステンレスタンク。温度管理機能は付いてないので30度まで温度が上がらないように冷水を かけながら発酵させる』
発酵は野生酵母のみ。ボトリング前の極少量の亜硫酸以外は何も足さない。清澄もしない。フィルタリングも行わない。 「サンタ・スビト」は樽にも入れないでステンレスタンク で熟成。何度か移し替えをすることで澱をひく。「サンタ・ディエチ」はトノーで熟成。少しずつ色々な樽 を買い足していてフードル樽も試している。 以前は発酵容器も揃っていなかったので全品種を同じタイミングで収穫していたが、ここ数年で分けて収穫し、発酵させるように変更。
『カベルネは早く熟すので、以前は過熟していた。今ではカベルネをベストのタイミングで収穫し、発酵できるのでワインに構成力が出てきた』
樹が若いのでサンジョヴェーゼだけでは味の構成力がなく、複雑味が足りない。最適のタイミングで収穫されたカベルネはワインに背骨を与えてくれる。
『キャンティよりも重厚で硬いので飲み頃になるまでに時間が必要。今後は少しマセラシオンを短くして飲みやすさを出したい』
「サンタ・ディエチ」のリリースは収穫後5年。バローロよりも長い熟成期間を経てリリースされる。
家族を表すエチケット
自宅兼醸造所の隣には中世の塔が建っていてアグリツーリズモになっている。地下で自宅とつながってい てボトル熟成庫になっている。
『塔の地下を修復していたら、昔ワイン貯蔵庫であっ たことが判明した。その時にワイン造りという私の夢 の選択は正しかったと確信した』
「ジャンニ」と「エリサ」夫妻は2人の子供と共に暮らしている。彼等のエチケットは家族を表している。
『樹は家と葡萄の樹を表す。4つの葉は家族4人を表していて、葡萄の樹のように家族4人が成長して いく様を表している』
また、彼等はサンジョヴェーゼを使ってブランデーを蒸留している。果皮ではなく、果汁を蒸留したブランデー「スピリト・サンタ」も秀逸。
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