[造手] Zidarich / ヅィダリッヒ
[銘柄] Vitovska / ヴィトフスカ
[国] Italy / イタリア
[地域] Friuri Venezia Giulia/フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州、Carso
[品種] Vitovska / ヴィトフスカ
[タイプ] オレンジ / 辛口 / ミディアムボディ
[容量]750ml
<輸入元コメント>
コッリオのリボッラに対してカルソの代表品種はヴィトフスカ。ミネラルの表現に向き、フルーツよりも硬質な味わいを造り出す。
[土壌]表土は赤土。赤土はマグネシウムや鉄分を多く含む。粒が細かく粘土をほとんど含まない。
<栽培>
平均樹齢は約30年。仕立はアルベレッロ主体(一部グイヨ)で8,000本以上/haの密植。ビオディナミ。痩せる傾向にある畑のみ数年に1度だけ牛糞を撒いて対応する。灌漑もしない。段々畑は切り出した岩盤で造る。支柱は森から切り出したアカーチェの樹を利用。地下セラーは岩盤の空洞を利用している。
<醸造>
自然酵母。大樽とセメントタンクの併用で開放発酵。マセラシオンは約14日間。温度管理なし。その後、スラヴォニア大樽に移してマロラクティック発酵。そのまま24ヶ月間熟成してからボトリング。瓶熟成12ヶ月。
<ストーリー>
岩盤の上で育つ『ヴィトフスカ』
薄い赤土の表土の下は厚い岩盤。この岩盤と非常に相性の良いヴィトフスカに拘り、今では岩盤をくりぬいた発酵槽で発酵を行うなど独自の進化を遂げている。
岩盤の上の畑
「カンテ」と並び「ヴィトフスカ」最高の造り手と称されるのが「ヅィダリッヒ」。当主は「ベンジャミン」。硬い岩盤を砕き最高の場所に畑を開墾した。 「カルソ」地区は同じフリウリでも「コッリオ」とは異なる土壌。粘土石灰土壌のコッリオに対してカルソの表土は赤土。
『赤土はマグネシウムや鉄分を多く含む。粒が細かく粘土をほとんど含まない。そして、赤土を30cm掘ると岩盤がある。岩盤の上の畑』
この岩盤は地下30mにまで及ぶところもあり、水分を通さない頑丈なもの。「カルソ」の家はこの岩盤を切り出して造られている。
『石灰が主成分で硬い岩盤。雨水が長い時間をかけて浸食し、一部に空洞ができる。そこに赤土が入 り込み幾層にも岩盤と赤土が重なる』
葡萄樹は岩盤の割れ目から根を伸ばし、土を探す。 そこに溜まる水分を求めて伸びていく。この土壌がカルソ地区にヴィトフスカを根付かせた。
『こんなにも厚い岩盤が存在するのはプーリアの一 部とカルソだけ。岩盤がカルソのワインを造る』
トリエステ湾付近の第1テラスは岩盤が無いので「ヴィトフスカ」には向かない。 岩盤のある第2テラスで「ヴィトフスカ」は本領を発 揮する。岩盤の石灰と赤土の鉄分が「ヴィトフスカ」 のミネラルを形成する。
120km/h のボーラが葡萄を守る
もう1つのカルソの大きな特徴が120km/h を超える こともある「ボーラ」と呼ばれる強風。 風に耐える強い品種で糖度が高かったので「ヴィトフスカ」は食用としてこの地で重宝されてきた。
『ボーラは山風なので湿気を含まない。海が近いがボーラによって葡萄畑は乾燥する。カビや病気から守られる』
ボーラのお陰で昔から薬剤の使用量が少なかった。 ボーラがビオディナミを可能にしている。 畑では一切の化学薬品が排除され、有機肥料さえ も使われない。痩せる傾向にある畑のみ数年に1度だけ牛糞を撒いて対応する。
『美味しいワインを造りたいが、それ以上にカルソの 自然を代弁するワインを造りたい』
灌漑もしない。段々畑は切り出した岩盤で造る。支柱は森から切り出したアカーチェの樹を利用。地下 セラーは岩盤の空洞を利用している。
ヴィトフスカは岩の味
コッリオのリボッラに対してカルソの代表品種はヴィトフスカ。ミネラルの表現に向き、フルーツよりも硬質 な味わいを造り出す。
『ヴィトフスカは元々食用としてだった。当時のワインの主要品種はマルヴァジア。80年代までは糖度を得る為にヴィトフスカを足していた』
今でもその伝統を守り「プルルケ」は「ヴィトフスカ」と 「マルヴァジア」「ソーヴィニヨン・ブラン」のブレンドで 造っている。 「ヴィトフスカ」はカルソにしかない品種。この品種を より昇華させる為にカルソの岩盤で造った発酵槽で の発酵を2013年より開始。 岩盤で育ち、岩盤で発酵させた彼等の理想形ヴィトフスカが誕生する。
『他国産の樽で発酵するより、カルソの葡萄が、カルソの岩盤の中で、カルソの野生酵母によってワインに変化する方がいい』
岩の発酵槽は温度変化が緩やかなので発酵期間が長く、色々な種類の酵母が活躍してくれることも大 きな魅力になっている。
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