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[造手] Fred Loimer / フレッド・ロイマー
[銘柄] Gemischter Satz mit ACHTUNG / ゲミシュター・サッツ・ミット・アハトゥング
[国] Austria / オーストリア
[地域] Niederosterreich / ニーダーエスタライヒ州
[品種] Gemischter Satz / ゲミシュター・サッツの為、後述
[タイプ] 軽めのオレンジ / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml

<Gemischter Satz / ゲミシュター・サッツ>
グリューナー・ヴェルトリーナー、リースリング、ヴェルシュリースリング、ローター・リースリング、ローター・ヴェルトリーナー、ソーヴィニヨン・ブラン、ショイレーベ、トラミナー

<銘柄名の由来>
Achtung とは“注意”“気を付けて”の意味。飲みやすくてグビグビ飲めてしまう為、飲み過ぎ注意!という意味を込めてネーミングされています。

<輸入元テイスティングコメント>
濁りがあるオレンジかかったストローイエロー色。熟したリンゴ、桃、プロポリス、白胡椒、シナモンなどの複雑なアロマ。熟したリンゴやハーブティーのニュアンスと豊富なミネラルと程よい酸味のバランス。しっかりしたストラクチャーでフレッシュと柔らかなタンニン。ゲミシュター・サッツ(混植混醸)由来の複雑さも兼ねたオレンジワイン。

<栽培>
畑エリア:カンプタール(ツォービング・アイチェルベルグ)、標高:320m、土壌:片麻岩、雲母片岩、樹齢:55 年。

<醸造>
2020年9月下旬から10月中旬に葡萄を選定し手摘みで収穫。除梗したホールベリーをマッシュし、オーク樽にて 25℃以下で 2週間自然発酵。全ての澱と共に大きいオーク樽にて12ヶ月熟成。その後細かい澱と共に10ヶ月熟成。無濾過、無清澄、全ての工程で亜硫酸無添加。2022年8月にボトリング。

<ストーリー>
フレッド・ロイマー醸造所はオーストリアのニーダーエスタライヒ州にあり、ウィーンから車で北西に 1 時間走ったところにあります。パノニアからの熱風の影響で夏は35度以上になりますが、カンプ川に沿って北から冷気も来るので、同時にとても寒くなる、寒暖差の大きなエリアです。全体的に風通しがよく、病害やボトリティスの影響が小さく、そのため、ワインはフレッシュでクリアな風味になりやすいのが特徴です。

フレッド・ロイマーはワイン生産者の家族の下に生まれました。彼の父が1962年に祖父からファミリーの農場を引き継ぎ、その頃はまだ、鶏や牛、野菜などを作る傍ら、ワイン造りをしていました。しかし、徐々にワイン生産だけに集中していくようになります。ロイマーは、学校を卒業してから、ドイツやカリフォルニアのブドウ園で修業し、1987年に父親のワイナリーで働きはじめます。1997年、ロイマーがようやくワイナリーを引き継ぎ、今までのファミリーのワイン生産のフィロソフィーを変化させます。それまでは、凝縮感があり、アルコール度が高めのワインが主流でしたが、1998 年ボトリティスが大量に発生したことをきっかけに、ロイマーは、状態のよい果実のみを選果し、収穫を早める昔ながらのワイン造り、それは、アルコールが低く、フレッシュさがあり、フルーティーでミネラルがあるワイン造りに切り替えたのです。このスタイルのワインを造るためには、クリーンな果実が必要になります。ロイマーと彼の父が始めた 14ヘクタールの畑は、いまでは 60ヘクタールまで増えています。

ロイマー醸造所の地下には、ハインドルフ城にあったセラーを復元したものがあります。このセラーは、19世紀のアーチ状レンガセラーで、バロックスタイル。その上にはテイスティングルーム件オフィスがあるブラックボックスが建てられています。この建物は、ワインのボトルのように、最初は密閉されたように見えますが、ドアが開くとそこには素晴らしい、ピュアな世界が広がります。
現代美術館のようなこの建物と地下セラーの対比は、伝統とモダン。そこには、ワインというものが伝統的なルーツを持ち、しかし一方でいつも進化し続けなくてはいけない、色々なものに影響されながら、日々少しずつ変わっていかなくてはいけないものである、という意味も込められているのです。

・フィロソフィー
「犠牲なき持続可能性」、これこそが、フレッド・ロイマーのフィロソフィーです。ワインは楽しみであるからこそ、それを造る人間は、生きることを心から楽しみ、そして多くのことに関心をもって熱心に学ばなければならないといいます。何事にも妥協を許さず、常にハングリー精神を持って取り組む、ロイマーがクオリティマニアと呼ばれる所以がここにあります。

・理想のワイン
フレッド・ロイマーの目指しているワインは、ワインの糖度やエキスの濃縮だけを重視するのではなく、ブドウの生理学的成熟を重視し、ブドウ本来のアロマに満ち、テロワールの特徴を最大限に引き出したスタイリッシュなワインです。そして、ブドウの育つ環境の理想は、昔ながらのブドウ栽培の風景を再現すること。昔の人たちは、ブドウを栽培するだけでなく、その隣で家畜を飼い、野菜など様々な植物も育てていた。そして、科学の発達した現代、効率ばかりが求められますが、ロイマーは、あえて昔のやり方にすることで、ブドウの可能性を最大限に引き出そうとしているのです。

・フレッド・ロイマーの素顔
幾つかの雑誌や本で見かけるロイマーから受けたイメージは硬質。しかし、実際に会ってみると自分のことを『僕はファーマーだから』といってしまえるほど、気さくな人物でした。畑に出る事やワインを造ること、家族の存在、一緒に働いているスタッフを心から大切にしているロイマー。強さの中に太陽のような温かみを感じる人柄。そんな彼は、畑やセラーに関係していないスタッフまでビオディナミ農法の教育を受けさせるという一面ももっています。それは、出稼ぎで他の国から畑の作業に来ている人に対しても行っています。『彼らが母国に帰ったときに、ビオディナミ農法をやって欲しいと思っているつもりはないけれど、作業をしている人が、自分達のやっていることの重要性に気づいて、自分のやっていることを大切に思うこと、それが結果的にいいブドウを造り、いいワインになる、そして僕自身も得をするからね!』なんて笑いながら話してくれました。

そんなロイマーにも、過去に何度も苦しい時代がありました。醸造学校を卒業した83年、その後は、霜や雹でブドウがなかなかできなかった時代が続き、そして85年のワインスキャンダル。6年間で2回しかブドウが収穫できない年もあり、そんなときには、ワイン造りを続けていてもいいものかを悩んでいたといいます。でも、結局自分はファーマーで、ワインを造る以外にできることはない、だからワインを造ると決め、今のロイマーがあるのです。笑顔の向こう側に、今日も明日も明後日も、この先ずっと畑に出てブドウの手入れをしているロイマーの姿が想像できました。

ロイマーは、全てのワインを自社葡萄にて生産しています。カンプタールとテルメンギオンに畑を所有し、カンプタールの土壌はレスという『黄土』に多く覆われ、たった数百年の若さでしかありません(つまり、他の地域の土壌はそれよりももっと古い)。母岩は、基本的に原生岩、特に片麻岩であり、ハイリゲンシュタインだけは特別に、ペルム紀の砂岩主体のコングロマリットになっています。斜面下部などでは、レスや砂利、ロームの影響もでてきます。テルメンレギオンはウィーンからバーデンを通過し、南へと向かう電車路線名にちなみ、‘ズュートバーン’としても知られています。ブドウ栽培地域はウィーンの真南にあり、古くからワイン造りをしています。グンポルツキルヒェン周辺の畑は Eichkogel や Anninger の東や南向きの斜面にあり、ブルゴーニュの風景を思い起こさせてくれます。事実、土壌の組成を見てみると石灰土壌が多く、このことからもブルゴーニュと非常によく似ていることがわかります。まさにシャルドネやピノ・ノワールにとって最適なテロワールであり、この地域を見直す動きもでているのですが、グンポルツキルヒェンのローカルカラーはツィアファンドラーやロートギプフラーといった地場品種のキャラクターが強いのです。このユニークなブドウ品種は地元だけでなく、国際的にも評価が高く、その価値を高めています。

<Respekt(リスペクト)について>
ロイマーのワインは全てビオディナミ農法にて造られています。全てのワインに認証を取っている訳ではありませんが、Respektという認証を取得しています。Respektとは、 2007年にフレッド・ロイマーが設立。現在オーストリアを始め、ハンガリーやアルト・アディジェなど15のワイナリーがリスペクトメンバーとして活動しています。リスペクトは、みんなが一丸となってより多くのことを達成できる場所。お互いに学び合うため、お互いに教育し合うため、そしてサポートしあうための団体です。リスペクトは、ルドルフ・シュタイナーの考え方を基にしながら、それと同時に理論や実践では独立的で効果的に活動しています。加えてオープンでフレンドリー、そして専門的なことがやりとりできるような、志を同じくする人を探しています。同じような認証団体にデメターがありますが、デメターは全ての農産物を認証する一方で、リスペクトはワインのみの認証団体ということになります。

『農業に携わる者は、農夫である前に、一人の哲学者であれ』

生産者の態度や人間性が、ワインの品質を探究するという生産行為と同じくらい大切なものであるとリスペクトは考えています。リスペクトの理想は、『自然と人の両方を敬う(リスペクトする)こと』です。最高品質を達成することは、この尊敬を持って行動したことの延長線上にあります。しかし、人の内面は、試験することも、何かでコントロールすることもできません。だからこそ、常に何を思うのかが大切であり、自然や人々を敬う気持ちを持つことを忘れないことが大切であると考えています。
(以上、輸入元情報より引用)[]

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