[造手] Gabi / ガビ
[銘柄] Bel Capriolo / ベル・カプリオーロ
[国] Italy / イタリア
[地域] Friuli Venezia Giulia / フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州
[品種] Malvasia Istriana 50%, Vitovska 15%, Moscato Giallo 15%, Tocai Friulano & Ribolla Gialla 20% / マルヴァジア・イストリアーナ, ヴィトフスカ, モスカート・ジャッロ, トカイ・フリウラーノ&リボッラ・ジャッラ
[タイプ] オレンジ / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml

<輸入元テイスティングコメント>
パイナップル、アロエ、ハネデューメロン、レモンの皮、タンポポ、プーアル茶などの豊かでアロマティックな明るくエキゾチックな香り。丸みのあるフレッシュだけど柔らかい少しトロリとした豊潤で明快な果実味。バランスの取れた張りのある酸味が活きており、重くない馴染みの良い美味しさ。

<畑・栽培>
石灰岩ではなく「フリッシュ」と呼ばれる石灰を含まない砂岩や泥岩などの割れやすい石が多量に含まれる粘土質の土壌。葡萄の樹齢は80年以上。
9月中旬に収穫。

<醸造>
ステンレスタンクで自然酵母による発酵。マセレーションは約3日以内。ステンレスタンクとロースト無しの大樽で12ヶ月間熟成。
ノンフィルターでボトリング。

<ストーリー>
トリエステのカルソとスロヴェニアの国境付近に位置する小さなワイナリー「ガビGABI」。まだ30代の若き当主ガブリエルは父から受け継いだ樹齢80年以上の古木の葡萄を用いて独自のスタイルのワイン造りを行っています。ガブリエルが活動を始めたのは2010年から。生産本数は5,000本に満たない超少量生産です。ガブリエルはトリエステ大学の工学部で通っていましたが、15年前に父親が他界した時に残った畑や家族の事を考え、友人からの後押しもあり、全く違う方向のワイン造りをする決意をします。その時はほとんど悩むことなく自然に決断できたそうです。交換留学制度を利用してボルドー大学に移籍。ワイン醸造の基本を学びました。2011年には500-600ℓのワインを自分で仕込み小さな一歩を踏み始めます。

わずか1.5haの畑は自宅兼醸造所からも非常に近く、トリエステの中心街から車で20分ほど。東側にヴィトフスカで有名な「カルソ」が隣接しており、さらに奥にはスロヴェニアがあります。ガブリエルはこのエリアを「政治的にはイタリアですが、精神的にはスロヴェニア」と語っていました。カルソとは明確な土壌の違いがあり、石灰岩ではなく「フリッシュ」と呼ばれる石灰を含まない砂岩や泥岩などの割れやすい石が多量に含まれる粘土質の土壌です。無農薬でフカフカの畑には80年を超える老木が並び、あまりにも小さすぎてトラクターが通らないため、全て手作業で葡萄は栽培されます。アドリア海からの影響と東側のカルソから降りてくる山水のおかげで水分を確保できる利点がある特有のテロワールです。山道の途中にある小さく狭い坂道に家が点在する場所。そこにカンティーナがあります。完璧なガレージワイナリーという小ささですが、コンパクトに上手にタンクを収めており、おそらくトレジャーのワイナリーの中ではカンティーナの最小面積記録だと思います。フリッシュでできた岩に囲まれたガレージは岩の中を天然の水が流れ、セラー内にある井戸の水のおかげで1年中ワイン醸造に適した温度と湿度が保たれています。

ワイン醸造は自然酵母による発酵、SO2は必要最低限の使用に抑えられています。葡萄品種はカルソと同じくマルヴァジア、ヴィトフスカ、レフォスコ(カルソでは”テッラーノ”)を中心に栽培。そして戦後間もないころにピエモンテの軍人たちが住み着いたことにより伝わったバルベーラも使用します。カルソとは異なるフルーティーで輪郭のはっきりとしたジューシーな果実感。品種由来のアロマティックで香り高い白ワインとクランベリージュースのような飲み心地が表現された赤ワインは、他のフリウリやスロヴェニア生産者とは少し違う独自性を感じさせ、明るい親しみやすさを飲み手に与えてくれます。また、彼のワインはスクリューキャップにしているのも非常にユニークです。木製コルクのブショネのリスク、熟成後の味わいの変化などにおいてガブリエルはスクリューキャップが優れているという考えを持っています。2016年から彼は毎年必ずニュージーランドのワイナリーへ研修に行っています。自身とは真逆の大きなワイナリーですが、彼らの仕事の中に自分のワイン造りに活かせる部分があるという考えがあり、その一つがスクリューキャップだったのです。そして何よりガブリエルはニュージーという国が大好きみたいです。

父の死のあと、ボルドー、ニュージーで学んだ経験をもとに構築された彼のワイン醸造理念は、自然な魅力と現代的な若い感性が合わさった独自の世界観に昇華されました。彼の明るくフルーティーなワインはこの地の今までの雰囲気を覆すような独自の美味しさ。母マリアは立派になったガブリエルの姿をみせて上げたかったと感慨深そうでした。
(以上、輸入元情報より引用)[]
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