[造手] Barbacarlo / バルバカルロ
[銘柄] Montebuono / モンテヴォーノ
[国] Italy / イタリア
[地域] Lombardia / ロンバルディア州
[品種] Croatina, Uva Rara, Barbera / クロアティーナ,ウーヴァラーラ,バルベーラ
[タイプ] 赤 / 辛口 / フルボディ
[容量] 750ml
<畑・栽培>
現在はバルバカルロとモンテブォーノという畑から約20000本のワインを生産。畑はブローニの町の背後にある“マーガ谷”と呼ばれる丘陵地帯にあり(以前はこの谷一帯がマーガ家の所有だった)、周囲を緑に囲まれ外界と隔絶されており、彼らの行なうような“自然農法”を行なう上では理想的な環境となっている。無施肥による栽培、雑草も年3回刈るだけで畑には一切鋤き込まず時間をかけ自然に堆肥化させ、農薬もボルドー液のみを使用し、散布も従来の3分の1以下の回数しか行なわない。畑が急な傾斜にあるため、ボルドー液散布に特殊なトラクターを用いるだけで、除草・収穫など他の作業は全て手で行なう。
<醸造>
温度管理を行なわずに醗酵させたワインを大樽で熟成。樽の移しかえを何回も行うことで澱を取り除き、収穫翌年の春にボトリングを行い、瓶を横にした状態で2ヶ月ほど熟成させた後、瓶は立てられリリースを待つ。2酸化硫黄は樽を洗浄するときに使うのみで、醸造・ボトリング時には一切使用しない。
<ストーリー>
ロンバルディーア州パヴィアの南にあるブローニという町の、古い家系であるマーガ家によって営まれるワイナリー。
3つの畑、ワイナリー名でもあるバルバカルロは彼の最上のワイン、ロンケットは現在生産されていない。
Barbacarlo / バルバカルロ Croatina55%, Uva Rara20%, Ughetta20%, Barbera5%
Montebuono / モンテブォーノ Croatina55%, Uva Rara25%, Barbera20%
Ronchetto / ロンケット Croatina50%, Uva Rara25%, Ughetta15%, Barbera10%
・Croatina クロアティーナ・・・パヴィア周辺が起源とされるが現在ではロンバルディーア州、ピエモンテ州、エミリアロマーニャ州で栽培さる。ボナルダ ロヴェスカーラまたは単にボナルダとも呼ばれる。(ボナルダ ピエモンテーゼとは異なる。)
・Uva Rara ウーヴァ ラーラ・・・ピエモンテ州のノヴァーラやヴェルチェッリ周辺で古くから栽培されてきた。現在はロンバルディーア州などの広い地域で栽培される。“珍しいブドウ”という意味を持ち、一般的なブドウよりも熟すのに時間がかかるため収穫の遅いブドウとしても知られている。
・Ughetta ウゲッタ・・・ピエモンテ州のノヴァーラ周辺が原産といわれるが、その土地ではヴェスポリーナと呼ばれネッビオーロやボナル・ダ ピエモンテーゼと混ぜられることが多い。(ガッティナーラ、ゲンメ、カレーマなど)ロンバルディーア州ではウゲッタという名で栽培されている。
リーノ・マーガとオルトレポ パヴェーゼ
パヴィア周辺は、この州のD.O.C.銘柄の約70%をまかなうオルトレポ パヴェーゼの巨大な産地である。“ポー川を越えたパヴィアの地”という意味のこの銘柄は、この地方で元々造られていた様々なブドウやタイプの細かなワインを1つの銘柄にまとめ上げたものであるため、ありとあらゆる種類のワインが含まれている。そのほとんどのワインはマーケットを意識していない古き良きイタリアを感じさせてくれるものであったことから、生産量の多くは長年地元で消費されてきたが、近年その素朴さ以上に品質の高さで知られるようになり、国外への輸出も増加している。リーノ・マーガは、こうした土地で超個性的なバルバカルロというワインを彼の先祖と変わらないスタイルで造り続けている。
バルバカルロの名前がついた畑は約4ヘクタールの土地だけであり、その全てをマーガ家が所有しているため、彼らにしかこの名前をワインにつけることはできない。
それでも歴史的な背景から以前はサブタイトルという形とはいえ“Oltrepo’Pavese Barbacarlo”という単独D.O.C.銘柄があったほど重要視されていた。しかしその後この銘柄は、原産地呼称品質保護協会が「彼らの畑だけでなくその周辺の畑もバルバカルロの名前がつけられるようにD.O.C認定地区を拡大する」と言い出したために、リーノ・マーガの逆鱗に触れ消滅してしまった。
それでもそれから近年まで、彼のワインのラベルにはバルバカルロの名とオルトレポ パヴェーゼというD.O.C.銘柄名の両方が表記されてきた。しかし彼自身最高の出来と考えていた2003年ヴィンテージのワインが、残糖分が多かったことを理由にD.O.C.認定を受けられなかったことが彼を呆れ果てさせてしまった。2003年は彼の畑でも例年よりも極端に雨が少なく日照時間が大幅に長かった年であり、当然ブドウの糖度が上がり、ワインのエキス分、アルコール度数もそれだけ高くなった。出来る限り人為的な関与が少ない方法でワインを造ろうと考える彼は、ワインのアルコール度数がこれだけ上がったにもかかわらず、糖分が残ったのは酷暑であった2003年の自然環境がそのままワインに反映されたからであり、それもヴィンテージの特徴の一つだと考えているのだ。現在のワイン法はイタリア各地のワインの品質保護を目的に造られた格付け制度であるにもかかわらず、ヴィンテージの特徴やオルトレポ パヴェーゼ本来の個性を持っている自分のワインがD.O.C.認定を受けられない、そう憤慨したリーノ・マーガはバルバカルロの2004年ヴィンテージ以降全てをI.G.T.でリリースすることを決めた。
畑でもワイナリーでもできるだけに自然に任せた手法を採るだけでなく、使う道具もできるだけ自然素材のものを使ってたりします。樽を洗うための刷毛のような道具も植物の枝から自分で作るし、大樽の開口部をふさぐためにパテみたいなのにとある繊維を混ぜたものが使われるのですが、今はほとんどの造り手が合成繊維を使うのに対し、彼はとある植物繊維から作られているものをフリウリから手に入れている。そして今回気が付いたのが、柳の1種らしいのですが、これをブドウの枝を支柱や針金に留めるのに使っている。ほとんどの造り手はナイロンなり金属製の使い捨ててしまうものを使っていますが、彼ももちろん使い捨てしてますが木の枝なので当然土に還るという・・・。有機とかエコとかいう言葉が世に氾濫していますが、ここまでやってこそ初めてそれらの言葉を使う事ができるのではないでしょうか。
(輸入元資料より引用)
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