プリンツ / グーツ・リースリング・クーベーアー・トロッケン 2019

A411

2,400円(税込2,640円)

[造手] Prinz / プリンツ
[銘柄] Guts Riesling Q.b.A. Trocken / グーツ・リースリング・クーベーアー・トロッケン
[国] Germany / ドイツ
[地域] Rheingau / ラインガウ
[品種] Riesling / リースリング
[タイプ] 白 / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml

<輸入元コメント>
大変ボリュームのある辛口です。香りは甘い果実、ミネラルと生き生きとしたフレッシュ感があります。ベーシックなリースリングで、「グーツリースリングはスタートライン、入り口のようなもの。気に入ってくれたら上のワインも選んでもらえるので重要」とプリンツは話しています。

<畑>
銘醸畑"ハルガルテナー ヘンデルベルク"
ヘンデルベルクは1418年に文書で言及された歴史を持つ畑です。VDPによる格付けでは、エアステ・ラーゲ(1級畑)に認定されており、素晴らしいワインを生み出す銘醸畑として知られています。23haほどに葡萄が植えられており、プリンツはその内の標高200〜230m、南から南西向きの斜面に位置する3.5haの区画を所有しています。ラインガウの中でも標高が高く、朝日から夕陽まで、1日中太陽の恩恵を受けることができる場所です。また、丘の上部には粘板岩が多く含まれており、ワインにミネラル感を与えます。畝の間には草を生やしていて、急な勾配で土壌が流されないようにするために工夫されています。フレートは、「気候変動の関係もあり、より栽培地としてシュペートブルグンダーに適してきた」と話しており、今まさに注目すべき畑だと言えます。

[土壌] 軽いパウダー状の土、ローム層、砂、丸石、粘土質土壌。
[栽培] ビオディナミ。
[醸造] 選別酵母を使用し、ステンレスタンクで発酵、熟成させます。

<ストーリー>
クロスター エーバーバッハのケラーマイスターを務め、その名声を復活させた男。
ハルガルテン村の自らのワイナリーで醸す極上のワイン。

フレート プリンツという名の生ける伝説
1970年生まれのフレート・プリンツは、1991年に趣味でワイン造りを始めてからわずか数年の間に、ラインガウのワイン造りに重要な変革をもたらした人物として知られるようになりました。1995年、シュタインベルガーで名を馳せたクロスター・エーバーバッハ醸造所での勤務を開始すると、かつての名声を失いつつあった、当時のワインのスタイルを変更するよう助言しました。ワインに甘みを残すためにズースレゼルヴ(発酵前のブドウ果汁)を加える手法ではなく、シュタインベルガーが持つ特別な土壌の個性、ミネラル感を最大限に引き出す努力を行ったのです。この功績が認められたフレートは、2002年にケラーマイスター(醸造責任者)に就任したものの、2004年9月に醸造所を退社。その理由は、ハルガルテン村にある自身のワイナリーに専念するためでした。

ハルガルテン村で生み出される極上のワイン
フレートは、その才能を自身のワイナリーでも発揮します。独立して間もない2005年1月には、厳しい認定条件を持つVDP(ドイツ優良ワイン生産者協会)への加入が認められ、同年より、クロスター エーバーバッハのオークションでも彼のワインが競売にかけられるようになりました。ドイツの著名なワインガイドのひとつ、『アイヒェルマン 2019』では4星を獲得し、同年の『ヴィヌム』で3.5星、『ゴーミヨ』で3房を獲得。フレートが造る珠玉のワインは、生産される前に予約で埋まってしまうほどです。しかしフレートは、「私は”ワインメーカー”ではない」と言います。「品質が最高値なのは収穫直前だ。収穫した葡萄に、ワインメーカーが手を加えれば加えるほどワインの品質は落ちる。つまり、畑仕事が何より大切ということだ」。
2009年からオーガニック農法を選択し、2018年には公式にビオディナミを開始。有機栽培は「マーケティングのためではなく、品質向上のため」だと強調します。当初5haだった畑は、現在9haまで拡大しましたが、ワイン造りの哲学は変わっていません。私たちが2004年に彼の元を訪問した時、「ハルガルテンのために良いことをしていきたい。それが嬉しいし、夢だった。だから中途半端なことはしたくない」と熱く語ってくれましたが、その想いは今もなおワインの中に確かめることが出来ます。2017年の「ジェームズ サックリング.com」によるレポートでは、ラインガウの400本近いワインを試飲した中で、唯一100点を献上されたのがプリンツの「ユングファー リースリング アウスレーゼ ゴルトカプセル 2015」でした。また、「ヘンデルベルク シュペートブルグンダー レゼルヴ トロッケン 2012」が97点を獲得。同記事では、「フレート・プリンツが、我々のレポートの中で最高評価の甘口ワインと赤ワインを生産したという事実は、ラインガウの最近の発展について多くのことを述べている」と紹介されています。彼が造り出すワインは、かつて勤務した州営ラインガウ醸造所のワインの質を明らかに上回り、多くのドイツワインファンを驚かせることは間違いありません。しかしながら残念なのは、あまりに量が少ないことです。

シュペートブルグンダーへのこだわり
昔はリースリングしか造りたくないと思っていましたが、今は赤ワインにはまっています。1986、1991、1992年に、シュペートブルグンダーを植樹。2004年に植えた時には、いくつかのブルゴーニュの特別なクローンを選びました。より力強さが出て、色が濃くなります。全体の5%まで畑を増やしましたが、これ以上大きくするつもりはありません。現在ドイツの気候は15年位前のブルゴーニュ並みになっています。収穫は熟し過ぎない内に行うよう心がけています。赤は最低1年熟成させてから飲んでほしいと思っています。
シュペートブルグンダーは、8月に色付きが始まりますが、その時期に色が付いていないものは間引く必要があります。収穫時期にはどれも同じ色をしていて、熟度が異なるものの見分けがつかなくなってしまうからです。ハルガルテナー ヘンデルベルク(KA-420)は、1枝に対し2房に制限しており、熟しを早くするためさらに房の1/3を切ってしまいます。そのため、収穫量は30〜40hl/ha程度になり、集約感のある葡萄から、力強いスタイルのワインが生み出されます。一方、スタンダードクラス(KA-516)は、間引きの比率は低いため収穫量は60hl/haで、スムーズでエレガントな特徴があります。「他のエリアと比べて、ラインガウのシュペートブルグンダーには酸があり、太った感じはなく、ミネラル分がある。したがってアルコールがあっても軽やかになる」とフレートは語ります。

「この地方特有の重さのあるワインは造りたくない」
以前から私たちは、プリンツのワインに上質なモーゼルワインのような酸とミネラルとボリュームを感じていました。2001年に訪問した際に、「モーゼルワインを意識している。特にヴィリ シェーファーのワインが大好きで尊敬している」とプリンツが話すのを聞きました。またケルンの展示会でヴィリ シェーファーから、「モーゼルからワインを買って瓶詰めしたのでは!?」と冗談を言われたとも聞き、シェーファーもプリンツのワインを高く評価していて、非常によいライバル関係にあると知ることが出来ました。

<評価>
「ヴィヌム2019」で3.5星、「ゴーミヨドイツワインガイド2019」で3房、「アンインヒェルマン2019」で4星。ヒュー ジョンソン「ポケット ワイン ブック2018」に、★★→★★★で掲載。スチュワート ピゴット「ザ ワイン アトラス オブ ジャーマニー」掲載。
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