ドメーヌ・デ・ミロワール / ミズイロ 2016

A331

7,600円(税込8,360円)

[造手] Domeine des Miroirs / ドメーヌ・デ・ミロワール
[銘柄] Mizuiro / ミズイロ
[国] France / フランス
[地域] ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏(=州)、ジュラ県。フランス本土では最も海から遠いエリアのため、大陸性気候の様相が強い。
[品種] Chardonnay / シャルドネ
[品質呼称]:Côte du Jura
[タイプ] 白 / ミディアムボディ
[容量] 750ml
[生産量] 2016年のMizuiro、日本へは540本の入荷

<銘柄名の由来>
「まずは単純に昔から水色が綺麗で好きだから。畑で仕事していて、良い天気だと気持ち良いでしょ、そんな代表的なイメージだしね。そして水色、透明な水の色と書くけど、色で表すとブルーになる、当たり前だけど当たり前でない、そんな不思議感。日本独特の表現の仕方かなぁ、なんて思うし。そして何より、水は人間にも、動物にも、植物にもすべてに必要不可欠な基礎のものだから、うちのワイナリーのワインのベースと言うか基本とでも言うか、にあたる物なので意味合いがしっくりくると思ったから。水のような必要不可欠なものになって欲しい、という願いも込めて。「水」のような「色」を持ったワインになって欲しいんだよね。」(造り手ご本人のメール内容を輸入元情報から引用)

<輸入元コメント>
2016年ヴィンテージは2015年ほどではないにせよ、造り手同様にシャイなミロワールのワインにしてはなかなかに外向的です。先日里帰り帰国をしていた際に飲ませてもらったのですが、抜栓時間を早めるだけでステキな表情を見せておりました。とはいえ、待てば待つほどに凄みが増す事だけは確約いたしますので、抜栓という誘惑に負けないようにしてくださいね。(2020.2.3の輸入元メールより引用)

※以下、造り手本人の文章を輸入元より引用。

<畑>
約3.2haの単一畑。三方を森に囲まれ、他の畑から隔離されています。1950年代まで代々葡萄が植えられていたこの畑は、急斜面を含む立地条件による、仕事の困難さや低収穫量などの要因により、人々は葡萄作りを放棄し仕事が楽に行える畑へと移り、徐々に森に吸収されていきました。除草剤など存在しなかった50年代に栽培放棄され森化していた、そして再び葡萄が植えられた2005年以降も除草剤を一度も撒かれていないこの畑は、私たちが理想としていた環境でした。実に多様な植物が自生しており、折々の季節に様々な花が咲き乱れています。
その畑は一区画(厳密に言えば小道を隔てて約2.5haと約0.7ha)ですが、土壌は細かい隆起の違いや表土の構成により、幾つかの個性があります。

<土壌>
このジュラ県のワイン産地は、土壌はジュラ紀に形成された石灰岩の岩盤がベースにあり、立地条件等により泥灰土層、粘土層などが、その割合を変えながら岩盤上に覆い被り形づくられた土地だと言えます。この特徴的な石灰岩と泥灰土は、この土地の持つ個性を際立たせており、その個性が酸化的な熟成をさせた従来のジュラの典型と言われてきたワインや、酸化的熟成をさせない一般的な造りのワインにおいても十二分に反映させられ、また固有性を残せると考えました。そして自らワインを造るにあたり、これらの特徴に非常に魅力を感じたことが、ジュラという土地を選ぶ大きな要因となりました。

<栽培>
この畑で仕事を始めて以降、除草剤は元より、化学合成された農薬、肥料は一切撒いていません。私の中では有機栽培はあくまで大前提であり、有機栽培で認められている農薬においても、有機栽培認証機関で設定されている限度量を当てにせず、極力少なくするように取り組んでいます。例えば天候の厳しい年であってもその場凌ぎで農薬を使うのではなく、我々の畑に自生しているイラクサなどの植物から抽出した天然のエキスなどを用いて、畑の環境と対話をしながら永続的な栽培を実践することを心がけ、葡萄や畑の健全性や免疫力を高め、最終的にごく少量、時に無くしながらも、バランスが保てるような仕事をしていきたいと考えています。
農業は自然の一部を人が借りて行うものだと思いますし、そこに関わる私たちのアプローチ次第で、その畑は極端に人間本位な空間ではなく、周囲の自然環境と調和した存在へと近づいていってくれるのではないかと考えています。

<醸造>
全て温度管理をせず天然酵母での発酵・熟成、その後、無清澄・無濾過で瓶詰。樽熟成中に目減りした際に補酒を行った、酸化熟成させていない白ワイン。ワイン名はフランス語で2つの青の間、言い換えれば空と海(大昔は海底であるため)の2つの青の間に育つサヴァニャンを表現している。空、そして海からの恵みを受けたミネラルを特徴とするジュラの地を表現するのに欠かせない地場品種サヴァニャン。この葡萄と土地が融合し醸し出す独特の雰囲気で、この畑の個性を余すところなくワインに反映できれば、という願いから。


<ストーリー>
Domaine des Miroirs (ドメーヌ・デ・ミロワール)の鏡健二郎です。今回ワインを初めて出荷するにあたり、私なりの言葉でワイナリーについて紹介させて頂きます。

約6年半生活し仕事をしていたアルザスを離れ、2011年2月下旬より新たな地、ジュラ県の南に位置するグリュス村に移り住み、葡萄畑を購入、妻と共にワイン生産者として生活を始めました。2001年に渡仏して以来、フランス語や学問としてのワイン造り、そして実際のワイン造りを学ぶためにブルゴーニュ、北ローヌ、アルザスと移り、最終的に辿り着いた先はジュラでした。

ここに至るまでの長くも短い間、色々な方々に出会いそれぞれの感覚に触れたこと、また今までの仕事先で、生活や仕事を共にすることで得られた多くの経験は、何にも代え難い財産であり、独立するにあたって自分なりのワイン造りに対する考え、スタンスを持つ上で非常に有意義でしたし、今思えば、作業うんぬんよりも、精神面でより多くの影響を受けたように感じます。

私が抱く考えやスタンスは、現在のものを礎としながら今後も良い意味で変化すべきだと考えており、そうなることを自分自身期待してもいます。

このような経験を通して得られた私の考えは「自分がワインをすべての責任を持って造れる」となった時、ワイン生産者として在るうえでまず最初に「自分たちが責任を持って育てた葡萄のみを使ってワインにする」と言う単純で、そして純粋なところに行き着きました。葡萄の樹、畑の土、自生している草花、気候などを、私たち自身で見て、触れて、実際に畑で汗を流して、そしてそれらのリズムを肌で感じることでのみ、その畑の、その年の葡萄に対するより深い理解を得られ、その先に私たちが理想とする、土地、土壌、年の特徴や個性などが強く反映されたワインがあるのではないかと考えているからです。

それぞれの区画の特徴、周囲の自然環境、天候、近辺に生息する動植物など、それらの関係を注意深く自らの目で観察することでのみ、それらとの調和を図った葡萄栽培が可能となり、その葡萄から様々な要素が引き継がれたワインだけが、我々の土地やその年の個性を表現するだけにとどまらず、私の思うワインというもの、ここでの生活の在り方やその空気感さえも伝えてくれるのだと思います。

ドメーヌ名においても、私の姓である「鏡」を意味するフランス語、Miroir(ミロワール)からつけたものではあるのですが、私たちのワインが、先の述べたような理念を写し出す鏡であってほしいという想いでつけました。また複数形としたのは、日本から遠く離れた土地でも、家族・親族等の支えがあり今の私たちが在ること、気持ちの距離は常に近く、という気持ちから来ています。

現在私たちの畑には4種類の葡萄が植えられています。品種および作付面積
シャルドネ  : 約1.5ha
サヴァニャン : 約1.1ha
プールサール : 約0.4ha
トゥルソー  : 約0.2ha
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