[造手] Palazzone / パラッツォ−ネ
[銘柄] Grek Grechetto / グレック・グレケット
[国] Italy / イタリア
[地域] Umbria / ウンブリア州
[品種] Grechetto / グレケット100%
[タイプ] 白 / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml
<輸入元コメント>
色調は黄金がかった麦わら色。黄桃など熟した果実やハーブの香り。味わいはミネラル感とグリセリンを感じさせる酸味がバランスよく、軽くタンニンを思わせる渋みもあります。余韻も長め。
[畑] 標高280m、粘土質土壌の畑で6区画ありますが、その中で最も優れたグレケットの畑から収穫。
[栽培] 有機栽培。
[醸造] ステンレスタンクのみで20日間低温発酵、熟成。
<ストーリー>
2,500年の歴史を持つ「オリヴィエート」。近年では低価格ワインの代名詞のようになってしまった。
『オリヴィエートの造り手は25人しかいないのに市場 には500種類以上のオリヴィエートが存在する。これがイメージを悪化させた原因』
「ボトラー」と呼ばれる葡萄やワインを買取り、色々な エチケットを貼って販売する会社がウンブリアに80社もある。 オリヴィエートの90%はボトラーによるもの。自社葡萄でボトリングまで行うのは25人程度。
『ここでは 2,500年前からワインが造られてきた。そ れは土壌や気候がワイン造りにとって優れていたから。昔の人は理解していた』
1969年に「ドゥビーニ」家がパラッツォーネ地区の教 会を購入したのが「パラッツォーネ」の起源。 1970年に現当主「ジョヴァンニ」の父親が25haの土地に葡萄を植樹し葡萄栽培を開始。1982年にはボトリングまでを自分達で行うようになっていく。
『オリヴィエートは産業が無かったので自然が多く残っている。有機栽培で土壌を活かし、収量を下げることで葡萄の質を上げることが重要』
彼等の土壌は複雑。断層が重なった地域で色々な 土壌がモザイク状に入り組んでいる。
『火山の噴火によって海底が隆起した土壌。堆積土壌主体で一部にはシルトが出ている』
基本的には粘土主体なので保水力がある。暑いウンブリアでも葡萄は焼けることはない。
珍しい5品種ブレンド
『オリヴィエートはグレケット、プロカニコ、ヴェルデロ、 ヅルペッジオ、マルヴァジアの5品種ブレンドという珍しいワイン。ブレンドで複雑味を出す』
創業当時は伝統に則って5種類の葡萄を1つの畑に混植していたが2000年に植替え、今では区画毎に品種を分けて植えている。
『品種毎に病気への耐性も違う。熟すタイミングも違うので分けて栽培することにした。品種毎に発酵させてからアッサンブラージュ』
密植率も1,500本/haから5,000本/haへ変更された。畑ではボルドー液以外の薬剤は使用されない。 肥料も一切使用しない。
『自然環境が優れているので土壌が痩せることはな い。窒素が不足する時だけ空豆を植えることで窒素 を補給するが他は何も必要ない』
空豆や下草は急斜面の畑の表土が流されるのも防いでいる。標高250〜300mで全て北向き。 暑いウンブリアでは北斜面が良い。葡萄がゆっくり熟 すので高品質な葡萄が収穫できる。
グレケットがワインの骨
現在5種類の葡萄品種は色々な区画に分けて栽培されている。グレケットは6区画に分かれて栽培されている。土壌や日照量が違うので区画毎に熟度が 変わるが品種毎に一気に収穫する。 そうすることで色々な熟度のグレケットが収穫できてワインは複雑味を持つ。
『プロカニコはワインの肉で グレケットは骨。マルヴァジアは香を与えてくれる。ヴェルデッロはアルコールとボリューム。ドゥルペッジォは 酸を与える』
ブレンドワインは独特の質感を持っている。単一品種 の個性の強い尖ったワインにはならないが、味わいが 丸く溶け込んだ、しっとりとした質感がある。
『単一品種はグリルした肉のように肉そのもの。5品種ブレンドのオリヴィエートはボリートのような煮込んだ美味しさ。出汁と一体になった丸い味』
彼等のワインは一般的な「オリヴィエート」とは違いベ ースの「テッレ・ヴィナーテ」でも5年程度熟成する。 それだけ葡萄に力がある。
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