[造手] Altura / アルトゥーラ
[銘柄] Ansonaco / アンソナコ
[原産国] Italy / イタリア
[地域] Toscana / トスカーナ州、ジリオ島
[品種] アンソナカ主体、その他トレッビアーノ、マルヴァジーアなどの白品種
[タイプ] オレンジ / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml
<輸入元コメント>
このワインはコンスタントに熟成しており、少し赤ワインのように扱ってやるべきで(またワイン自体がそういう態度をとっており)、常にマロラティック発酵をし、低温で飲むべきではない(カンティーナの室温程度の温度をおすすめ)
前もって抜栓しておくことで徐々に花開き、開栓されたボトル内あるいはグラス内で進化します。
[土壌] 砂質、酸性でミネラル分に富む。
[醸造] 3分の1をマセレーション、ステンレスタンクで醗酵、ステンレスタンクで熟成。
<ストーリー>
私たち家族は島南部、カペル・ロッソ岬の灯台の直ぐ手前にあるこの美しいブドウ畑を再生させ、生産にこぎつけるため、必要とされた途方もなく多くの作業に喜びをもって挑みました。私たちは、ごく少数の田舎を決して投げ出さなかった人たち、その全員に感謝をしなければいけません。その人たちを除けば、たいていはその逆で、田舎の生活を投げ出す人が増加する一方だったのですが、私たちがジリオ島の田舎に最初に戻ってきた者だったのです。そのため、私たちを正気の沙汰ではないと思う人たちさえいました。
それでも私たちは、この土地で大変な努力の積み重ねと困難を要するブドウ栽培を信じ、ほんの数十年前までは盛んだったこのブドウ生産が、過去のものとならぬように働いています。数世紀を遡ってみれば、ワイン生産がこの島の住人の大切な生計の源であり、働く者の誇りだったのです。
古の生産者たちと同じ誇りを胸に秘め、美味しいといえるものを作りたいという信念をもって、私たちは物質、行政、経済面にわたる終わりなき困難に立ち向かい、ワイン生産をより良い形の再生へと高めています。私たちにとってのワイン生産は、単なる技術や文化保護の問題ではなく、それ以上に地域の再生と保全、そして景観を形作ってきた農村工学的な保全、修復作業の全体を意味しています。すなわち、環境的、社会的な衰退に対抗するためにおこす行動であり、優れたブドウ栽培という遺産の維持活動であり、そして、この島をリゾート地特有の生気の欠如や人間味にかける鳥かご生活から脱して、活気に溢れ豊かに活動できる未来へと導き、島の暮らしのよさは夏場だけにあるのではないと信じてもらい、この島の住人であるという誇りを持ってもらうことでもあるのです。
アンソナコは、ジリオ島に古くから根づき、最も普及したブドウ品種の伝統ある名称です。
アンソナコのその絶対的な特質は、何世紀という時の流れの中で自然の手が選びかれながら成長し、同時にブドウ栽培での古のマエストロたちが、その経験から、この美しくも厳しい土地に唯一、そして最も適した品種として育て上げました。一家で購入した栽培放棄されていた 4ha のブドウ畑で、私たちはいばらなどを取り除き、潅木を根から抜き取り、何千メートルもの石積みの壁を修復し、用水路を引くと同時に、畑では植樹、土着品種の芽接ぎをしたり、グイヨあるいは低いゴブレに仕立てています。これが、私たちの仕事です。
段々畑には大きな岩があちらこちらに。日照り、四季を通じて風に強い日差しのもとで、塩気を帯びた、土壌は全体的に砂質で酸性。養分を求めてより地下深くに根はもぐり、冷気が岩の下や割れ目深くまで入り込みます。低木のブドウ畑は収獲量も低い。多くの作業に手摘みの収獲。土着品種。
これが、私たちのブドウ。ケースあるいは背負いカゴにその日に醸造できる分だけ収獲します。摘み終わると肩に担いで野道まで運び、小さな運搬車に乗せて、村までいって醸造所で荷を下ろす。ちょっと一息ついたら直ぐに醸造作業。圧搾したら直ぐに果汁と果皮を分離し、ステンレスタンクにごく少量の亜硫酸を添加して落ち着かせます。その後、直ぐにワイナリーを整理整頓、ワインの搾りかすは大地に返してやり、新しい環境におちついたモスト(ブドウ果汁)自身はびっくりしつつも休息をとり始めます。ここで私たちもお休み。
翌日も同じ作業の繰り返しです。加えて休ませておいた前日のモストの初めての移し替えをします。この時点でまだ発酵は始まっていません。こうして私たちの力で行える分だけ、毎日、モストをタンクに収め、ブドウかすを畑に返すという作業を全ての収穫が終わるまで続けます。
発酵はカンティーナの室温で行いますが、たいていの場合マロラティック発酵も、その後の澱引、ボトリングでも同様で、一切その他の手を加えません。活力があり、自然で自由なブドウの本来から備わっている力に任せます。
それがワインというもの。
予測していたこと、予測できないこと、それが未来。
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