[造手] Les Quatre Piliers / レ・キャトル・ピリエ
[銘柄] アンクラージュ / Ancrage
[国] France / フランス
[地域] Loire / ロワール
[品種] Sauvignon Blanc / ソーヴィニョン・ブラン
[タイプ] 白 / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml
<銘柄エピソード:Edited by essentia>
より手の届きやすい価格帯でみんなに楽しんでほしいと、2022年に手に入れた若い樹の区画のブドウを使用し、2023年ヴィンテージからリリースされた新しいキュヴェ。そんなヴァランタンの想いがこのワインから感じ取れる。料理との組み合わせの幅が広く、ワイン単体でも十分に楽しめる。
<輸入元テイスティングコメント:Edited by essentia>
柑橘のようなフレッシュさと品種特徴のハーバルさが綺麗に表現されている。ライムの皮、海塩、チャービルを思わせる香りが広がる。
<栽培:Edited by essentia>
全体の栽培面積:17 ha。粘土質および火打石質の土壌。オーガニック栽培。55hL/ha。樹齢7年と14年。
<醸造:Edited by essentia>
手摘みで収穫。ダイレクトプレス。80%コンクリートタンク、20%古樽にて野生酵母を使用して発酵。そのままマロラクティック発酵を経て、6ヶ月澱とともに熟成。無濾過・無清澄で瓶詰め。2ヶ月瓶内熟成を行いリリース。【年間生産量】10,000本
<ストーリー:Edited by essentia>
ブルゴーニュなど世界中で学び故郷で表現
ヴァランタン・デロージュはトゥーレーヌのワイン生産者の息子として生まれ、ボルドーで学業を修めた後、シャトー・マンゴ(サン・テミリオン)で初めてロワール地方以外での実践的な経験を積んだ。2015年にはニュージーランドに渡り、ソーヴィニヨン・ブランの醸造に注力する。その後はブルゴーニュへ向かい、コシュ・デュリやポール・ピヨといったトップ生産者のもとで働き、アルザスではヴァンサン・シップのもとでも経験を重ねた。こうした多様な経験を重ね、2019年にヴァランタンは地元に戻る。しかしヴァランタンは父のドメーヌを継ぐのではなく、自らのドメーヌをゼロから創り上げる道を選んだ。ノワイエとサン・テニャンの間に広がる10haの畑を有機栽培に転換し、まずはブドウ樹の健全な成長に全力を注いだ。そして2020年ヴィンテージから自らのワイナリー、レ・キャトル・ピリエとしてワインを造っている。
品種とテロワールを表現するワイン造り
現在17haの畑を所有し、そのうちの12haのブドウからワインを造り、残りは他生産者に販売をしている。畑は約15の小さな区画に分かれ、最大でも1ha程度。粘土石灰質が優勢な土壌で主にソーヴィニヨン・ブランを中心に、ピノー・ドニス、ピノ・ノワール、カベルネ・フランを栽培し、ごく少量シュナン・ブランやコー(マルベック)、ガメイなども手がけている。畑はシェール川の両岸1km以内にあり、川からの暖気や西からの海洋性気候の影響を受けるロワールでも恵まれた位置にある。川の流れによって空気が循環し、春の霜害のリスクが下がる。また、畑が川の南北にまたがることで、日照や土壌構成が区画ごとに大きく異なり、その違いを生かすべく、ヴァランタンは栽培から醸造に至るまで、すべてを区画ごとに分けて行う。「目指すのは、土地と品種の個性を最大限に表現するワイン」と語る。地下には、「白い楽園」とも言える世界が広がっている。地下30mに掘られた巨大なトゥフォ(白い石灰岩)の採石場が、地中からミネラル交換を促し、地下のセラーは通気孔としての井戸を通して地上のブドウ畑ともつながっている。「私が最も求めているのは、白ワインの調和と、赤ワインの豊かな味わい。新鮮な酸味を持つことで、時間が経ってもワインが若々しく活き活きとした状態を保てるようにしている。私は、本物で繊細、そしてエレガントなワインを作りたいと考えている」
と自らのスタイルを語る。セラーでは、プレスに対する制御を特に重視している。圧力の加減やプレス時間、使用する果汁の選別まですべて綿密に調整する。全作業はビオディナミの月のカレンダーに基づいて行う。発酵はすべて自然酵母によるもので、清澄やろ過は一切行わない。ワインは、気温13度、湿度75%の安定した環境に保たれたトゥフォのカーヴで熟成させる。
循環型ワイン造り、自作の樽とSO2を使用
ヴァランタンの、その土地を表現するという考え方はブドウだけにとどまらない。「エコシステムの一部として循環型社会を実現したい」とワイナリーから15kmに位置するロッシュの森から、フランソワ・フレール社と協力してワインの熟成に使用する樽を造っている。「畑にいないときは、森の中にいる。私はドメーヌの近くの森から木材を選び、それを乾燥させた後、樽職人のもとで焼き入れを行う。使うのはきめ細かい木目のオークのみで、年間の生産はたった10樽。目指しているのは、長年にわたって一貫した品質を保ち、テロワールの力に応じて焼き入れを調整すること。これにより、樽を少なくとも20年間使い続けることができる。なぜなら、前工程から高品質なものづくりをしているという確信があるから。現在、ピノ・ノワールにはブルゴーニュの樽、カベルネ・フランにはシュヴァル・ブランの樽を使用しているが、将来的には全ての樽をこのロッシュの森の木から作りたい」
と夢を語る。
「偉大なワインを造るには10年かかると言われている。まだその道のりは長いが、目指しているのは、土地と品種の個性を最大限に表現すること。古くからの知恵−観察、忍耐、精密さ−に学びながら進んでいる。土地とヴィンテージの影響を感じられるようにするには、安定した品質の維持も重要だと考えているんだ。」
ワインはフィルターをかけず、使用するのは自家製の純粋な火山性SO2以外、添加物を一切使用していない。
【トゥーレーヌのニュースター。ソーヴィニョン・ブランとカベルネ・フランを新たな次元へ】
トゥーレーヌ地方、シェール渓谷に位置するワイナリー家族のもとに生まれたヴァランタン・デロージュ。幼いころからワイン造りの道を志した。ボルドーの醸造学校卒業後はサンテミリオンのシャトー・マンゴ、ニュージーランド、アルザスのヴァンサン・シップ、シャサーニュ・モンラッシェのティエリー&ポール・ピヨ、ムルソーのラファエル・コシュ(コシュ・デュリ)など、さまざまなワイン生産者の下でブドウ栽培とワイン造りを学んだ。そして2019年、ヴァランタンは地元に戻り、自らのワイナリー、レ・キャトル・ピリエを設立した。畑を引き継ぐとすぐに、すべての畑をオーガニック栽培に転換した。「私は農業とブドウ栽培を営む家族のもとで育った。そこは『働くこと』に強い価値がある環境だった。私は常に懸命に働いてきたし、情熱を持って取り組んできたおかげで、知識を深めるのも早く、有名なドメーヌの門を開くことができた」
とこれまでの経歴を振り返る。様々なワイン生産者の下で働いた中で、現在のヴァランタンに最も影響を与えたことを尋ねると、「すべての経験が、私の学びのさまざまな段階で行われたために、それぞれに影響があったが、特に印象深かったのはアルザスでの経験。その理由は、複雑なテロワールと、50%以上の急斜面で行う畑仕事にある。テロワールを理解してそれらを表現するための作業の重要性を学んだ」
と教えてくれた。
2023年、ヴァランタンは家族のドメーヌから5haを引き継ぎ、合計で17haとなった。この新しい区画によりAncrage(アンクラージュ)というキュヴェの誕生につながった。現在、自分たちで醸造しているのは12ha分のみで、それ以外はブドウのまま他のワイン生産者へと販売している。これ以上の量を醸造するつもりはなく、その他の区画はアグロフォレストリー(森林農法)に転換している。畑は約15の小さな区画に分かれ、最大でも1ha程度。粘土石灰質が優勢な土壌で主にソーヴィニヨン・ブランを中心に、ピノー・ドニス、ピノ・ノワール、カベルネ・フランを栽培し、ごく少量シュナン・ブランやコー(マルベック)、ガメイなども手がけている。畑はシェール川の両岸1km以内にあり、川からの暖気や西からの海洋性気候の影響を受ける、ロワールでも恵まれた位置にある。川の流れによって空気が循環し、春の霜害のリスクが下がる。また、畑が川の南北にまたがることで、日照や土壌構成が区画ごとに大きく異なり、その違いを生かすべく、ヴァランタンは栽培から醸造に至るまで、すべてを区画ごとに分けて行う。
シェール川右岸のノワイエ・シュル・シェール村に位置する5haの畑は、2つのリュー・ディに分かれて植えられている。キャトル・ピリエ(Quatre Piliers)はドメーヌの名前の由来にもなっており、樹齢25年のピノ・ノワールが植えられている。丘陵の麓に広がる赤い粘土に覆われた温暖な土壌から、頂上にかけてのより冷涼な土壌まで、多様なテロワールが広がっている。ル・ピュイ・オ・シアン(Le Puit aux Chiens)には、3.5haのソーヴィニヨン・ブラン(樹齢15−50年)と、平均樹齢30年のシュナン・ブランが植えられており、西向きの斜面に位置する。ノワイエ村で最も標高が高い冷涼なテロワールで、火打石を含む砂質土壌と白い粘土が主体となっている。石灰岩の母岩は地表から20−50cmの深さにあり、繊細でアロマティックな果汁を生み出す。
左岸のサン・テニャン・シュル・シェールに位置する5haの畑は、いずれもグランド・キュヴェ専用区画として管理され、3つのゾーンに分かれている。ベルナルディエールには、樹齢45年のコーが0.5ha植えられている。東向きの温暖なテロワールで、鉄分を多く含む赤粘土が主体。シェール川に近いために冷却効果もあり、遅熟で凝縮したブドウが肉付きの良い複雑な果汁を生む。ベル・エールとオー・デュスュ・ド・ヴィトレの区画では、表層に火打石の層が広がり、その下には石灰質の粒子を含む赤粘土が広がる。この構成が、力強く寛大なワインを形づくる。ベル・エールには、樹齢60年のソーヴィニヨン・ブランが植えられている。南東向きの区画で、面積は約2ha。オー・デュスュ・ド・ヴィトレは南西向きの区画で、樹齢70年以上のカベルネ・フランが2ha植えられている。
セラーでの作業は非常に緻密に行われており、ヴァランタンは特に果汁の抽出を繊細に行うことを重視している。プレスの工程は細かく管理されており、ドメーヌのボトリングに使われるのは最上質な部分のみである。トゥフォの地下カーヴは常に安定した温度を保ち、ワインは自然酵母によってゆっくりと発酵する。白ワインは樽内で発酵させ、赤ワインはステンレスタンクで一次発酵を行った後、さまざまなサイズの樽に移される。白には少量の新樽を使用するのが特徴である。
ヴァランタンのその土地を表現するという考え方はブドウだけにとどまらない。「エコシステムの一部として循環型社会を実現したい」とワイナリーから15kmに位置するロッシュの森の木から、年間わずか10樽ではあるが、自ら森で選んだ木から、ワインの熟成に使用する樽を造っている。 「私は80%の時間を畑で過ごし、残りの大部分は森にいる。この土地を表現するワインを造りたい。そしてワイン造りでは、ブドウはもちろん、セラーでの作業も重要だ。現在は、ピノ・ノワールに使用する樽はブルゴーニュ、そしてカベルネ・フランに使用するものはシュヴァル・ブランのものを使用している。それでも将来的には全ての樽をこのロッシュの森の木から作りたい」
と夢を語る。醸造において、ヴァランタンは添加物をSO2を除いて一切使用しないが、そのSO2も自ら作っている。
ヴァランタンに気候変動に関してどのように感じているかを尋ねたところ、「気候変動について客観的に分析できるほどの経験はまだない。ただし、作業時間の約80%を畑で過ごし、各区画の反応を丁寧に観察している。その結果、剪定や草生栽培、植物の健全な成長に必要な貯蔵力の調整を、区画ごとに最適化している。偉大なワインを造るには10年かかると言われる。まだ道のりは長いが、目指すのは土地と品種の個性を最大限に表現すること。古くからの知恵、すなわち観察・忍耐・精密さに学びながら、その実現を追求している」と教えてくれた。
ヴァランタンのワインはすでに素晴らしい味わいで風格をまとっているが、その先に見据えるビジョンの実現が楽しみで仕方ない。
(以上、輸入元情報を基にエッセンティアにて編集。転載の場合は必ず引用元を明記のこと)