[造手] Lamoresca / ラモレスカ
[銘柄] Bianco / ビアンコ
[国] Italy / イタリア
[地域] Sicilia / シチリア州
[品種] Vermentino / ヴェルメンティーノ
[タイプ] 白 / 辛口 / ライトボディ
[容量] 750ml
<輸入元テイスティングコメント>
暑い年だけに旨味とグリセリンがたっぷり。2 日だけの短いマセラシオンとは思えない濃密さ。口中では果実、旨味から始まり、後半はミネラル感が支配的。以前の不安定さや揮発的ニュアンスは全くありません!完璧!
<栽培>
標高430m。
<醸造>
以前は長いマセラシオンで重く、力強いワインでしたが、マセラシオンを2日間に短縮し、クリスピーでミネラリーな味わいに。開放醗酵桶で足で軽く破砕して自然発酵。2日間のマセラシオン中は5〜6回/日にピシャージュ。マセラシオンを短くした分、収穫は遅く変更。熟度が高いので色素は強く出ている。12ヶ月間、澱と共に大樽で熟成。ザルで不純物を取り除き、ボトリング。
<ストーリー>
●レストラン経営からワイン醸造家に転身●
食文化レベルの高いベルギーで大人気トラットリアを経営していたフィリッポ。自店で提供するワインをフランク・コーネ リッセンに委託して造り始めるが最終的には自分で造り始めてしまう。
シチリアワインは不味かった
世界 NO.1 レストラン「ノーマ」のグラスワインにシチリ アから始めて選ばれたのは「ラモレスカ」だった。彼のワインはイタリア国内よりフランス、ベルギーから人気 となっていった。 シチリアの中心、乾燥が激しくアフリカ大陸と近い厳しい環境の「サン・ミケーレ・ディ・ガンツァリア」。葡萄畑は稀でオリーヴ、サボテン、小麦の栽培が主。
『2000年に葡萄畑と46本の100年以上の樹齢のオリーヴの樹を購入。このオリーヴが古代品種モレスカ種だったのでラモレスカと名付けた』
標高430m、カターニャ県とエンナ県の境界に位置するサン・ミケーレ・ディ・ガンザリアのコントラーダ「ジリオ ット」に位置。
『石灰分の強い白い土壌で樹齢が高い。仕立はアルベレッロ。シチリア特有の乾いた風がいつも通る、一部の品種にとっては理想の土地』
この地域は暑く、非常に乾燥しているので栽培できる品種が限られている。
『乾燥に耐えられる品種としてヴェルメンティーノ、ネロ・ダーヴォラ、グルナッシュ、フラッパート。葉を残せる葡萄なので選んだ』
「フィリッポ・リッツォ」はベルギーでイタリア料理店を13年間経営していた。ワインが人気の店だったがシチリアワインは扱っていなかった。
『当時、シチリアに高品質なワインは無かった。ベルギーでインポーターをしていたフランク・コーネリッセンと出会いシチリアに興味を持った』
フランク・コーネリッセンに委託
2005年、シラクーサ、パッキーノの葡萄畑を購入した。この畑の葡萄の醸造をエトナに移住していた「フランク」が行うことになった。 200 年は「フランク」のカンティーナで醸造・ボトリングが行われた。しかし2006年、「フランク」は自分の畑を買い足し、自分のワイン造りに没頭していくことになって手が回らなくなる。
『石灰分が強い白い土の畑 0.85ha を購入し、フランクに醸造を頼んだが、距離もあったし、フランクも忙しかったので上手くいかなかった』
元々は自分のレストランで提供するワインを造るつもりだったが、ベルギーのレストランを売却。シチリアに移住して自らワイン造りを始めてしまう。 畑は完全有機栽培。自然環境を守り残していくことが重要だと考えている。 ウドンコ病が出た場合のみボルドー液を使用するが、 多くても年に3回程度。収穫の3ヶ月前からは絶対に使用しない。
『土壌のバクテリアを活性化させることが重要。窒素が豊富な土壌にはミミズが生息する。ミミズが地中に酸素を供給してくれることで、自然と土壌は豊かになっていく』
彼等は有機肥料も使用しない。糞などの動物性の肥料も使用せず、下草と葡萄の枝を土に返すこと、豆類を植えて窒素を供給することだけで土壌を活性化 させている。
毎日飲める軽快なワインに
醸造所はシンプル。発酵槽はファイバー樹脂製の大きなバケツのようなものを使う。
『発酵容器は何でも良い。素材は関係ない。温度管理はしない。その年の酵母によって温度の上がり方も異なるのだから』
酵母は野生酵母のみ。発酵が終わったら熟成用の容器に移すが、大樽、古バリック、セメントタンク、ファ イバー樹脂タンクの併用。
『昔は長いマセラシオンをしていたが品種の香や味わいの個性が隠れてしまうので白ワインで2日。赤ワインでは30日まで短縮した』
最近の「フィリッポ」のワインは軽やかさが出ていて、 飲み疲れない味わいに変化している。
『以前は収穫が遅過ぎたし、マセラシオンは長過ぎた。重いワインだったので毎日飲みたいものではなかった。今のワインは毎日飲みたい』
(以上、輸入元情報より引用)[]