[造手] Ranchelle / ランケッレ
[銘柄] Roccolina / ロッコリーナ
[国] Italy / イタリア
[地域] Toscana / トスカーナ州
[品種] Ansonica, Procanico, Verdello, Riminese, Clairette / アンソニカ, プロカニコ, ヴェルデッロ, リミネーゼ(ドゥロペルショ), クラレット(フランチェジーノ)
[タイプ] 白 / 辛口 / ミディアムボディ / SO2(酸化防止剤)無添加
[容量] 750ml
<輸入元テイスティングコメント>
フレッシュで素直な果実!開けたての明るくはつらつとした果実感がとても心地よく、時間をおくとより多品種からくる多層の旨味が癖になる一本。
<畑・栽培>
2015と2016に植樹された白葡萄品種全てを使用。畑は全体で4ha。除草剤、防虫剤も含め、農薬の使用は一切なし。使われるのは銅と硫黄のみだが、有機栽培で認められる量の1/4以下という極少量のみ。
<醸造>
手摘みで収穫し除梗。ヴェルデッロ、リミネーゼとノッチャネッロはステンレスタンクで混醸し、2日間マセレーションした後、軽くプレス。プロカニコは2つの畑から収穫。収穫時期が違うので別々に発酵24時間のマセレーションの後プレスし、それぞれ同じステンレスタンクに移される。アンソニカは24時間のマセレーションの後、優しくプレスし、同様に同じステンレスタンクに移される。5種ブレンドしたワインは更に約1ヶ月間発酵が続く。その後約6ヶ月間ステンレスタンクで熟成。SO2無添加。
<ストーリー>
マレンマの伝統的15品種混植畑の優しい味わい
90年代に国際品種に席巻され、廃れてしまったマレンマの伝統的ワイン造り。耕作放棄され、荒廃した混植畑を再生し、昔ながらの軽やかで沁み入るワインを醸す。
本当のマレンマ
『キャンティ・クラシコやモンタルチーノと異なり、トスカーナの原風景を残している南部、マレンマ。つい最近までマレンマにしかない土着品種が溢れていたのです』
フィレンツェとローマの中間、マレンマの中心部、サトゥルニア付近の人口80人の小さな村にあるカンティーナ、ランケッレ。村には1軒のレストランと1軒のバールしかありません。
『森に囲まれ、自然な動植物の生態系が残っている土地を探していた。整地され、作られた葡萄畑ではなく、自然の中で育った葡萄のエネルギーが必要だった』
ドイツ出身でデジタル・アーティストとして長く働いていたクリストフ。ワインが趣味で、いつかは仕事を辞め、ゆっくり農業をしたいと考えていました。
『そんな時、イタリアの試飲サロンで醸造家エンリコ・バケキと出会い、意気投合。残りの人生を穏やかに充実させる為にマレンマの小さな葡萄畑の購入を決めます』
1haの森に囲まれ、耕作放棄されたミロッキオ畑を購入。この畑にはマンモロやプニロテといったこの地域の土着品種15種類以上混植されていたのです。
『まさに忘れ去られたマレンマの原風景を残す伝統的な畑でした。バルベーラやボナミコ、クレレットの昔のクローンが残されていたのです。これは残すべき歴史だと感じました』
マレンマはエトルリア時代からワイン造りが行われてきた歴史ある産地。トスカーナでも珍しく海の影響を受けると同時に複雑な地形でミクロクリマを形成しています。
『マレンマの穏やかな海洋性気候とシルト、片岩を多く含む粘土質に注目が集まり、メルローやカベルネといった国政品種の最適地と見なされてしまい歴史が変わります』
育てやすく、売りやすい国際品種はマレンマを有名にし、大手生産者も参入。この地の土着品種や伝統的混植での葡萄栽培は壊滅してしまいます。
『僅か30年でマレンマのワイン文化は無くなったと思われましたが、放棄された畑の中で生き残っていたのです。これを復活させ、本来のマレンマを残していきたい』
チリエジョーロ、ノキアネッロ、アリカンテ、アンソニカ、リミネーゼ、ヴェルデホといった品種をご存知でしょうか?これは全てマレンマの土着品種だったのです。
『国際品種は土地に根差したのではありません。温暖な気候で育てやすいハイブリッド種です。マレンマのテロワールから生まれ、定着してた品種にこそ意味があるのです』
ミロッキオ畑は昔のマレンマの伝統が残っていた奇跡の畑でした。かつて、この地域は最も優れた葡萄畑だったのでミロッキオ(1,000の宝石)と呼ばれていたのです。
国際品種は最適ではない
2014年に設立されたランケッレは少しずつ畑を増やし、4ヶ所にトータル4haを所有するまでに成長。全ての畑は森に囲まれ、他の葡萄畑と隣接していません。
『2016年にはポデーレ・エリカの醸造家マルコ・ジョルダーノのサポートを得て、より自然な栽培と自然な醸造でもオフフレーバーのないワインを目指しています』
畑では除草剤、防虫剤も含め、農薬の使用は一切ありません。使われるのは銅と硫黄のみですが、有機栽培で認められる量の1/4以下という極少量のみ。
『農薬を使用してきた土地はバランスを失っているので、農薬が必要になるが、生物多様性の中で、自分でバランスをとってきた葡萄畑に農薬は必要ありません』
ランケッレでは凝縮したワインを造るために葡萄樹にストレスを与えるといった作為的な栽培をせず、出来る限り自然に育った葡萄をワインに変えていきます。
『この土地で自然と育った葡萄をワインに変えるだけなので薄く、繊細なワインになります。土着品種はコンテストワインではないのです。軽快な日常の美味しさが理想』
体に沁み入る優しさ
クローン解析されていない昔の土着品種を使ったワインなので現代のワインとは違い、凝縮感やストラクチャー、バランスに優れてはいません。体に沁み入る素直さが理想なのです。
『毎日の食事にあるミネスロトローネのように、素材そのものを味付けせずに、そのまま食べるようなワインでありたい。作り込んだ美味しさは必要ないんです』
醸造は全て手作業。ポンプもラベリングマシーンも使いません。ボトリングも漏斗を使って1本1本手作業で行い、コルクも手作業で打ち込んでいます。
『収穫した葡萄はタンクの上で除梗し、そのままタンク内に落とす事でポンプを使用しなくて済みます。モストはほとんどストレスを感じずに発酵までたどり着けます』
野生酵母のみ、温度管理なしで自然発酵。ドイツ人らしく全てのタンクの状態を毎日記録し、自然発酵でも大きな問題が起きないよう管理されています。
■ミロッキオ畑
アリカンテ、チリジョーロ、バルベーラ、ボナミコ、カナイオーロ、マンモロ、プニテロ等黒葡萄とプロカニコ、アンソニカ、クレレットなどの白葡萄が混植されている昔の畑。
■ペルゴラッチェ
2015年に植樹。チリエジョーロとアリカンテをマッサル・セレクションで接木しているので色々な個性のクローンが混在しているので、遺伝的な単純さがない昔ながらの個性。
■ロッコリーナ
2015年に植樹。プロカニコ、ノッキアネッロ、デュロペルジコ、ヴェルデッロ、クレレットといったこの地域の土着品種を混植。かつては小麦畑だった場所。
■ポッジォマッティオ
2016年に植樹。アンソニカとアリカンテ、チリエジョーロの混植。標高400mの高地にあり、海の影響よりも山の影響が強い。土壌は頁岩、シルト、粘土がバランスよく混合されています。
(以上、輸入元情報より引用)[]