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[造手] Skerlj / スケルリ
[銘柄] Vitovska “67” / ヴィトフスカ ・セイセッテ
[国] Italy / イタリア
[地域] Friuli Venezia Giulia / フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア
[品種] Vitovska / ヴィトフスカ
[タイプ] オレンジ / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml

<輸入元テイスティングコメント>
ブドウが育った土地そのものである石灰岩の容器で醸造することで、よりブドウに余分な要素を加えないという発想から生まれた、特別なヴィトフスカ。柔らかく繊細でありながら奥行きの深さ、そして余韻の長さには驚嘆させられる凄味のある味わい。

<畑・栽培>
2003年に植えたアルベレッロの畑より選別したブドウのみを使用。標高260-300m、大地のほとんどが固い岩石・石灰岩、岩盤質でできており、表層土がほとんどないのが特徴。樹齢10-15年。アルベレッロ仕立て。一切の肥料、堆肥を使わない。もちろん薬品類も一切使用せず、最低限の銅と硫黄物のみ。雨が少なく、冬に吹く強い風ボーラ(Bora)は風速150km、気温はマイナス8℃にもなり、立っていられないほどの強い風は、植物の栽培にとってかなり厳しい環境。

<醸造>
除梗し、カルソの石灰岩の塊をくりぬいて作った「石樽」の中で、果皮と共に醗酵。そのまま12か月間果皮と共に熟成。圧搾後、オリ引きを行い大樽へ移しさらに12か月の熟成。ボトル詰めの際にごく僅かにSO2を加える。

<セイセッテ誕生ストーリー>
極小規模ながら自身の考えるアイデアや実験を続けてきたマテイ。今回は、カルソの巨大な石灰岩を加工し、中心をくりぬいて作ったタンク、彼曰く「石樽」を手に入れたマテイ、昔訪問した際に試行錯誤を繰り返していた話を思い出します。
「このカルソという土地そのものと言ってもいい石灰岩。ブドウが生まれ石灰岩の養分を得て結実する、だからブドウがワインに変化する場所としても、きっとふさわしいんじゃないだろうか?」
そう話していた彼。もちろん、地域伝統の大樽での醗酵・熟成を否定するわけではなく、以前から彼が実験を続けてきた、ボトル詰めを行うまで圧搾をしない、トータル2年ものマセレーションを行って造られている「Sukkus スックス」に通じる、探求心のゴールと考えると、理解していただけると思います。

ブドウの持っている要素、表情を生かし、不必要な要素を削り取る。マテイが植えた「アルベレッロ仕立てのヴィトフスカ」より選抜した、果皮の厚いブドウを、除梗し石灰岩の容器の中で醗酵。その後も圧搾は行わず、翌年の収穫時期まで果皮と共に熟成の状態を保つ。圧搾を行った後、残り1年間は大樽に移し熟成。
「今は石灰岩のタンクが少ししかないから2年間入れておくことはまだ出来ないのだけれど、いつかはすべて石灰岩のタンクだけで熟成を続けたい」
そう話すマテイ。
「石灰岩のタンクは醗酵・熟成の過程で、大樽とは全く違う。普段から酸の高いヴィトフスカ、そして果皮と長いマセレーションをすることで生まれるタンニン。それが石灰岩のタンクの中では酸がとても丸みを帯び、タンニンも柔らかくなる。まるでタンクが【食べる】ような感覚」。

今までスックスの中で実験してきた、1年を越える長期間のマセレーション、そして石灰岩のタンクによる熟成は、これまでマテイが守ってきた「土地やブドウの表現」から、「偉大さ、可能性」へと切り替わるものだと感じさせられました。ワイン名である「67」は愛娘の誕生日より、彼にとってはわが子と変わらない、大切な思いを込めたワインです。

今までヴィトフスカというブドウにこれほどの可能性を感じたことはなかった。比べるつもりはありませんが、今まではダミアンのワインのような強さ、明確さを感じたことのなかったスケルリ。しかし、この67を飲めば、ダミアンとは異なる、しかしそれに何ら見劣りしない存在感を持ったワインだと感じさせられます。これまでのスケルリとは一線を画す「67」、ぜひ飲んでいただきたいワインです!

<造り手のストーリー>
トリエステ近郊、サレス。若き当主マテイ・スケルリはCarsoカルソと呼ばれる、強烈な個性を持つ土地にて、2008年よりボトル詰めを開始。2004年より自ら開墾した畑は、分厚い石灰岩を削岩機で砕くという途方もない作業を行い、畑では一切の薬品類、化学肥料、堆肥さえも使用せず。周囲の自然環境を尊重した栽培を行う。醸造は白ブドウを開放式の大樽にて、約2-3週間のマセレーション。途中一切の温度管理、SO2の添加を行わない。それがたとえ醸造学的に「危険」と言われる状況であっても、自身の感性を優先した醸造を徹底している。土地由来の強いミネラルと可能性、それでいてどこか親しみやすい雰囲気、サレスのワイン造りを担う若き造り手。

トリエステから北西に10km、内陸の町サレス。海までは15kmと離れていて、スロヴェニアとの国境までは23kmと近い。標高は260-300m、大地のほとんどが固い岩石・石灰岩、岩盤質でできており、表層土がほとんどないのが特徴。カルソ地域はこうしたカルスト地形、石灰岩、鍾乳石などの水溶性の岩石が覆い尽くす土地。そのため、現在ある畑はすべて人工的に造られたもの。上の岩石を取り除いて、海岸の町(ドゥイーノ)から赤土を運び入れて作った。また雨が少なく、そして何より冬に吹く強い風ボーラ(Bora)は風速150km、気温はマイナス8℃にもなり、立っていられないほどの強い風は、植物の栽培にとってかなり厳しい環境を作りだしている。オリーヴなど根の深く伸びない樹は簡単に倒れてしまう、建物も風に強い石造りの街並みも特徴的。

ほとんどの土地はこの石灰質の岩盤に覆われており表層土が全くないため、伝統的に農業よりも畜産、放牧といった産業が盛んにおこなわれてきた地域。サレスの町に、今でも残っている地域伝統のオスミッツァを現在も続けているスケルリ家。地域の現実的な問題(離農、人口減少、食文化の希薄化、、、 etc)の中、薄れていくオスミッツァの文化。このサレスの文化・伝統を愛し、本気で残したいと立ち上がった次期当主こそ、マテイ・スケルリである。2006年、まだ27歳という若さでありながら、自家醸造用の1haの畑を基本に周囲の放棄されたブドウ畑(高齢化、離農が進み、多くの畑が手入れさえされていない)を借り、自家醸造・ボトル詰め用のワインの生産を開始。

畑は代々引き継いできた樹齢の高い畑(40-60年)が0.6ha、他には2003年、2006年と自ら切り開いた畑が各0.5ha。どちらも放棄地をゼロから開墾(地中にある分厚い石灰岩層を削岩機で砕き、表土は近隣に点在するDulineと呼ばれる場所より赤土を運ぶ、という途方もない作業、、。)、高密植、アルベレッロ仕立てにてヴィトフスカ、マルヴァジア・イストゥリアーナを植樹。テッラーノは樹の特徴からグイヨに仕立てる。開墾当初のみ、微量ながら堆肥を使用したものの、高樹齢の土地や2年目以降の畑では一切の肥料、堆肥を使わない。もちろん薬品類も一切使用せず、最低限の銅と硫黄物のみ。基本的には畑の自然環境を整えることで土地自体のバランス感、しいてはブドウ樹の自己管理能力を高めることを尊重。収穫した果実は除梗したのち、開放式の大樽にて約2週間のマセレーション。野生酵母による醗酵を行う。

果皮の恩恵を受けたヴィトフスカ、マルヴァジア、それでいて全くと言っていいほど「強さ」というものを感じない。土地由来の重厚なミネラル分を持ちつつも圧倒的なしなやかさ、親しみやすさを持ったワイン。マテイ曰く「自分にとってのワインとは、偉大な物というよりも、もっと昔から身近にあったものなんだ。自分の開墾した畑の成長とともにワインの力も増していくと思うけど、このサレスのワイン、オスミッツァの雰囲気を忘れないワインを造り続けていきたいと思う。」、経験値の少なさ、畑の若さをものともしない、マテイの柔軟かつ、感覚的な栽培・醸造哲学。土地への強い愛情と、地域の伝統を守る彼の決意と行動に心からの敬意と表したい。
(以上、輸入元情報より引用)[]

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