[造手] Frederic Magnien / フレデリック・マニャン
[銘柄] Chambolle Musigny Condemennes Jar / シャンボール・ミュジニー・コンドゥムンヌ・ジャー熟成
[国] France / フランス
[地域] Bourgogne / ブルゴーニュ
[品種] Pinot Noir / ピノ・ノワール
[タイプ] 赤 / 辛口 / フルボディ
[容量] 750ml
<このワインについて>
■2017年ヴィンテージ情報■
適度に雪が降り、地中は適度に冷やされ、水分を蓄える。まさに典型的で平均的な冬。その後の目覚めの春は一気に温暖になり、生育サイクルは早めに始まりました。気持ちの良い晴天が続き、気温も高く日照量も多く、強い春でした。その為、6月の開花も例年以上に順調。理想的でした。7月には、ところどころで雷雨を伴う一時的な雨や雹が少しありましたが、深刻なダメージには至らず、葡萄樹は健全さをキープしました。全体的に夏は乾燥した年になり、早い畑では例年より2週間も早い8月最終週に収穫が行われました。
私達は他の造り手より若干遅い9月6日に収穫を開始しました。プロの収穫人を確保できたのでベストのタイミングで収穫を進め9月16日まで続きました。素晴らしかったのはその間一切雨は降らず素晴らしいコンディションだった事です。1年で1番重要な収穫が神様に味方されたようでした。お陰で腐敗果がほとんど見られない健全な果実。更にブルゴーニュにとって最も重要な糖度と酸度のバランスに優れていました。高い糖度がありながらも充分なリンゴ酸を残してくれたのです。その為、私達は例年以上の高い比率で全房での醸造を行いました。
<栽培>
プルミエ・クリュ「レ・シャルム」の下部にある畑でシャルムの扇型の斜面が少し緩やかになっている。土壌的にはほとんど変わらないが、少しだけ粘土層が厚くなっている。
<醸造>
小さなジャー(160 リットル)と古樽(新樽は全て排除された)、これらの異なる容器で熟成。
<ストーリー>
ドメーヌに近いネゴシアン
ブルゴーニュの多くの造り手が「フレデリック・マニャン」の成功を羨んでいる。同時に近年のワインの大きな変化に驚いている。1代でドメーヌを築き上げたシャブリの重鎮「ジャン・ マルク・ブロカール」も「フレデリック」の仕事と情熱を絶賛している。
『昔のヴィニュロン以上に畑で働く。だから彼はいつも日焼けしている。一時期悩んでいたようだが今は焦点が定まったね。ワインを飲めば解る』
「フレデリック」は全てのブルゴーニュの畑、区画、そして所有者まで知っている。毎日、畑に出て自分の足で条件に合った畑を探し出し、所有者と交渉するということを10年以上繰り返してきたから。 彼等は畑の所有者から委託を受け、栽培チームを派遣し畑の管理を全て自分達で行う新しい形のネ ゴシアン。書類上はネゴシアンだがドメーヌと変わりない仕事をしている。
『栽培責任者はルロワにビオディナミを導入した人で30年以上ルロワの栽培を指揮してきた。より繊細で果実のピュアな部分を重視したワインに進化していきたい』
ネゴシアンとして土壌を表現するためには従来の葡萄買いや樽買いでは不可能。栽培から関わり、理想の葡萄を育て、理想のタイミングで収穫することができなければ理想のワインはできないのだ。
ヴィラージュ・ワインが進化
土壌の表現に拘る「フレデリック」。100年前に決められた AOC には納得していないようで、その枠に収まらない取組も始めた。 鉄の多い畑から造ったワインに「クール・ド・フェ―ル (鉄)」。石の多い畑を合わせたワインに「クール・ド・ロッシュ(石)」。そして、粘土の強い畑のワインには「ク ール・ダルジール(粘土)」と表記したのだ。
『ヴィラージュ・ワインを造る時、村の個性以上に各畑の土壌の個性が勝ることがある。それならばその事実を表記するべきだと思った』
畑を選ぶ時に土壌と樹齢を最も重視している。
『ヴィラージュ・ワインでも最低40年の樹齢が条件。 土壌の個性を表現するにはある程度根を伸ばす必要もあるし、樹勢を落とし、樹中の水分量を減らさなければならない』
D.R.Cよりルロワ
10年以上前から有機栽培を取り入れ、太陰有機法に従った栽培や醸造を行ってきた。最近の「フレデリ ック」はより自然で人為的介入を少なくする方向に向かっている。
『D.R.C よりルロワが好きだ。1 点の汚れもない完璧に整理整頓されたワインよりも、欠点があっても 伸びやかで定規で測れないワインが好き』
通常、春に葡萄房が形成され始めるとツルの先端を切り落とし、ツルを伸ばす為に使う養分を葡萄房に使わせるようにする。葡萄の生育を促す栽培法でほぼ全ての造り手が導入している。
『春の摘芯もやめた。養分の分配は葡萄樹が自分でやる。人間がやるべきではないし、ツルを切られ ることのストレスの方が大きい』
ワイン造りは造り手の趣向やトレンドを極力排除した自然な形でありたい。醸造はグラン・クリュもACブル ゴーニュも基本的に変わらない。
ジャー(アンフォラ)熟成
日本に初めて「フレデリック」のワインが紹介されたの は「バレル・セレクション」という手法だった。インポーターが樽買いし日本国内で流通させた。
『当時の日本の流行でもあったのか日本は新樽100%しか買わなかった。実際は新樽の比率は当時でも50%以下だった』
日本に最初に紹介された「フレデリック・マニャン」は新樽100%のみだったので彼のワインに今でも樽のイメージを持つ人も多い。 加えて2002年まではノン・フィルターで少し濁っていたし、収穫も今より遅く、今より少し過熟だった。そし て、マセラシオンも長かった。 ここ数年で「フレデリック」の評価は一気に高まっている。2000年代前半まではワインに悩みが現れていたように思う。通過点だったのかもしれない。
『ジャー(アンフォラ)での熟成も開始。スペイン製の薄い素焼きの甕での熟成により、水分が少し蒸発し、若干凝縮する』
内側を蜜蝋で焼き固めていないジャーを使用。香成分や水に溶ける成分は何も無いのでバリックのようにタンニンや香をワインに与えない。
『葡萄そのものの個性を出してくれるが、現段階では、単体では複雑味に欠けると判断。バリック熟成のワインとのアッサンブラージュでバランスをとる』
2012年版ベタンヌ・ドゥソーヴではネゴシアンとして最高評価のBDマーク4つを獲得し一流のドメーヌ以上の評価を獲得した。ベタンヌのコメントが印象的で的確だった。
『フレデリック・マニャンは変わった。他のネゴシアンと区別しなくてはいけない。難しい年だった2008をとても上品に仕上げ、それが本物だということを2009年で証明した。今後も楽しみだ』
(以上、輸入元情報より引用)[]