[造手] Cirelli / チレッリ
[銘柄] Frizzante Bianco / フリッツァンテ・ビアンコ
[国] Italy / イタリア
[地域] Abruzzo / アブルッツォ州
[品種] Trebbiano / トレッビアーノ
[タイプ] 白微泡 / 辛口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml
<畑・栽培>
ビオロジック(IMC認可・有機農法)収穫は8月下旬。
<醸造>
葡萄は完熟の状態で収穫し、全房でプレス。果汁はステンレスタンクに移され、1次発酵が開始される。その後、低温保存していた果汁を投入し、自発的に2次発酵を促す。数カ月後にボトリング。ノン・フィルター。
<ストーリー>
素人から始めたワイン醸造
ワイン販売関係の仕事をしていた「フレンチェスコ・チレッリ」。徐々にワイン造りの欲求を抑えられなくなり、 1 人で全てできる規模の農園を探し始める。 最終的に自分の地元でもあるアブルッツォのアトリの山奥の土地を購入。森林を伐採し開墾。葡萄の植樹から始めることとなる。
『自然の一部としての農業をやりたかった。葡萄を造る為には森、オリーヴ、他の野菜。そして動物が必要。それが実現できる場所を見つけた』
「フランチェスコ」は葡萄畑以外にオリーヴの樹とアンズの樹、イチジクを栽培。更にスペルト小麦、にんにくも栽培している。 そして敷地内にはガチョウを放し飼いにしていて、彼等の糞が自然と肥料になっていく。
『肥料は使わない。近所の家畜やガチョウの糞。落ちたオリーヴやイチジク、そして自然と生える下草が時間をかけて腐り土に帰っていくだけ』
優れた葡萄を栽培したいのではなく、土地そのものを表現する葡萄を収穫することを目的としているので極端な収量制限なども行わない。
『葡萄は地上の植物で最も生命力が強いと言われる。だから土地そのものを表現できる』
彼の目指すワインは日常のワイン。醸造だけでなく、 栽培もできる限り自然の中で行われていく。
『IMCの認可を受けて全ての所有地はビオロジックが採用されている。それより重要なのは葡萄が他の植物や動物と共存すること』
トスカーナのアンフォラ
理想のワインを目指すうちに出会ったのが「アンフォ ラ」。シエナに住むアンフォラ職人と出会い、トスカーナの粘土から造られた「アンフォラ」を導入。
『イタリアの土の中から葡萄樹が育ち、葡萄ができる。 その葡萄をイタリアの土の容器の中でワインに変えていく。葡萄は土の中でワインに変わる』
葡萄が鉄や木材など馴染みの無いものに触れることなくワインに変わるのが最もストレスのない環境。それを実現できるのが唯一アンフォラだった。
『アンフォラの内側は蜜ロウを塗っていない。蜜ロウは少しずつワインに溶け出し味わいを変えてしまうから繊細さを消してしまう』
「ジョージア」のアンフォラは内側を蜜ロウで固めてあ る。これによって薄くても割れにくいが、蜜ロウは徐々に溶けだしてワインに独特の風味を与える。
『フリウリで使われるジョージア産のアンフォラは蜜ロウが使われているので繊細な品種だと蜜ロウの風味で品種個性が消えてしまう』
長いマセラシオンやタンニン、香味の強い品種であれば蜜ロウの風味も気にならないが、彼の目指すワインは綺麗さが必要。蜜ロウは合わない。
『厚いテラコッタのアンフォラは蜜ロウで固める必要がなく純粋。何の香もワインに与えない』
アンフォラでの熟成期間は今のところ9ヶ月。今後、樹齢が上がり葡萄自体のポテンシャルが高まれば、 もう少し長い熟成をしたい。
毎日のワイン
彼等は2つのラインを造っている。1つはステンレスタンクとセメントタンクで低温発酵させ、そのまま熟成させたライン。
『トレビアーノは1晩だけマセラシオン。直線的な味 わいのステンレス熟成と丸みが出るセメント熟成をブレンドすることでバランスをとる』
もう1つのラインがアンフォラ発酵・熟成。最良の区画の葡萄だけを使い、20日間以上のマセラシオン。 温度管理も行わず自然酵母だけで発酵。
『ワイン造りの理想を追求しているのがアンフォラで 造っているワイン。一方で毎日の生活の中に高品質のワインを提供することも重要』
ワイン造りの素人が始めた理想のワイン造り。アンフォラでの熟成もアルミ製の蓋にゴムパッキンを付けて酸化を防ぐなど合理的で無理がない。
(以上、輸入元情報より引用)[]