[造手] Le Coste / レ・コステ
[銘柄] Ripazzo Bianco / リパッツォ・ビアンコ
[国] Italy / イタリア
[地域] Lazio / ラツィオ州
[品種] プロカニコ主体、マルヴァジア、他
[タイプ] 白 / 辛口 / ミディアムボディ / SO2(酸化防止剤)無添加
[容量] 750ml
<リパッツォ誕生ストーリー>
前回、約2年ぶりにリリースとなりましたリトロッツォ・ビアンコ2015。気候に恵まれ、素晴らしい収穫であったにも関わらず、例年以上に高い糖分を野生の酵母が食い切ることができないという事態に。無事に醗酵が終わったのは約半分、残りはまだ残糖があり、さらには揮発酸が非常に高い状態になってしまい、、、。。ジャンマルコは、醗酵の終わらなかったタンクを諦め、終わったものだけをボトリ ング。約半分の収穫を失うという結果に、、、。
2015というヴィンテージの「個性」を見誤ったと話す彼。招いた結果を受け入れつつも、「そのままでは終わらない」という何ともジャンマルコらしい発想が!
残糖もあり揮発酸もかなり高い4000Lものワイン。
「廃棄するなんてあまりに簡単。それよりも、このワインの欠点を補うために少しだけ手を加えて、、、」
それは、2016年の収穫、醗酵を終えたビアンケットやビアンコ、ビアンコCruをそれぞれ圧搾し、その絞ったヴィナッチャ(搾った後の果皮・種子)を加え、タンクの中で再ひびマセレーション(果皮浸漬)を行うというのです。
醗酵が進み、活発な酵母を豊富に持ったヴィナッチャを加えることで、止まっていた醗酵が再び動き始めます。しかも健全な果皮や種子によって守られ、非常に安定した状態で醗酵を終えることができる。しかもビアンコやCruはプレスを強く行わない(Cru は全くプレスしない)ので、ヴィナッチャといっても十分にモストを含んでいる状態。これはある意味、2016のモストをブレンドしていることにもなる。彼曰く、「15年の強い果実のイメージに、 16年の特徴(繊細さ)が混ざりこみ、15年のリトロッツォとは全く異なる個性を持ったワイン」。あの不安定&アンバランスさは一体どこに行ったの?というほどの落ち着き。濃密で繊細、バランスの取れた味わい。むしろリトロッツォ・ビアンコよりも美味しいのでは!?そんな驚きのワインとなってリリースいたしました。 名前は、Litrozzo(リトロッツォ)を Ripasso(リパッソ:果皮を再び漬ける)することからRipazzo(リパッツォ)となりました。リトロッツォに負けないスルッスルの飲み心地と、いつものリトロッツォらしくない安定感。本当に驚きのワインです。
<リトロッツォ誕生ストーリー>
レ・コステの造るワインの中で、唯一自分たちが栽培したブドウ以外も加えて造られるリトロッツォ。
ピエモンテやトスカーナのように恵まれた環境とは違い、ブドウの価値が二束三文にしかならないラツィオ、ヴィテルボの現実。肥料や薬品を抑え良質なブドウを収穫したとしても何一つ評価されず、ただ「量」のみで金額の決まる協同組合。
結果、伝統的な農業は消え去り、質より量を求めて薬漬けになってゆく土地。そんな現状を少しでも変えるため、自分たちの考えに同調してくれる若い栽培農家とコミュニケーションを取り、無農薬で良質に栽培されたブドウを、市場価格の数倍の価格で買い取る(市場の価格があまりにも安すぎるんです、、、)。
そうすることで、一人でも多くの栽培農家が農薬や化学肥料をやめ、自然環境を尊重した農業を行うことで、地域自体が活性化してゆく。
「オレは今まで自分がいかに良い収穫、素晴らしいブドウ、最高のワインを造ることだけに集中してきた、だけど自分一人では何一つ変えることはできない。自分の原点ともいえるこの土地を守り、活性化することで、より意識を高く持った生産者を増やしていきたいと思っている。」
このリトロッツォの中には、そうした彼の思いが詰まっている。そして未熟ながらも、質の高いブドウを真剣に栽培しようという幾人かの栽培農家の思いも詰まったワインでもあります。
<畑>
グラードリの土地はラツィオ北部、ヴィテルボ近郊カルデラ型の湖ラーゴ・ディ・ボルセーナのほとりにある。このあたりの土壌は火山礫、凝灰岩、細かい顆粒状の石が積み重なり形成されている。砂質、火山性の堆積物、特に鉄分が多く、石灰質と共にブドウに特徴的なミネラルを与えている。標高も高く、350−450mという斜面、祖父の畑や周囲の小さな放棄地を寄せ集めた3ha(樹齢が 非常に高い)と、2004年に彼が手に入れた3haの土地「Le Coste」。2006 年より収穫・醸造を開始。
<栽培>
畑では農薬はもちろん、堆肥なども一切使わない農法を徹底(=自然栽培)。畑ではブドウ樹だけを栽培するのではなく、自家消費用に野菜やオリーブ(一部は販売用にも生産)、果実を混植。単一的な環境ではない、より多様性のある畑、自然環境に近づける努力を惜しまない。
<醸造>
2018年収穫のリトロッツォ・ビアンコ(プロカニコ、マルヴァジア中心)でまだ残糖があるワインに、2019年収穫のリトロッツォ・ビアンコのヴィナッチャを加えて再び醗酵を起こしたワイン。タンク内で6ヶ月、瓶内で6ヶ月の熟成。リパッソの技法を用いた。
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