[造手] La Pinte / ラ・パント
[銘柄] Sav’Or / サヴォール
[原産国] France / フランス
[地域] Jura / ジュラ地方
[品種] Savagnin / サヴァニャン100%
[タイプ] オレンジ / 辛口 / ミディアムボディ / SO2(酸化防止剤)無添加
[容量] 750ml
<輸入元コメント>
ジョージアを見学した際にサヴァニャンと同じような個性の品種がマセラシオンされていたのを見て試してみたのが始まり。
[畑] アルボワとアルボワ・ピュピアンに合計34ha所有。
[栽培] ビオディナミ。
<醸造>
収穫後、除梗してセメントタンクで野性酵母のみで発酵。12日間マセラシオンして、そのままマロラクティック発酵。熟成はセメントタンンクで6ヶ月間。
酸化防止剤無添加。
<ストーリー>
アルボワを復興させる為に作られた老舗ドメーヌ
アルボワでも有数の老舗であり家族経営を続けるドメーヌ。ビオディナミの導入でより表現力を増している。特にサヴァニャン、ムロン・ア・クー・ルージュ、ヴァン・ジョーヌはアルボワ最高レベル。
1952年設立
ジュラの住民なら誰もが知っている由緒正しきドメーヌ「ラ・パント」。60年以上に渡ってアルボワの象徴的造り手として発展を遂げてきた。
『創業は1952年。ヴァン・ジョーヌの歴史を後世に残すことを目的にロジャー・マルタンと当時の村長マルセル・プゥによって設立された』
現在も残っているラ・キャピテイン畑等20haを購入。ヴァン・ジョーヌしか造る気がなかったのでほぼサヴァニャンを植えていた。
しかし、サヴァニャンは遅霜の被害を受けやすいので生産量が安定せず、他の品種も増やし、ようやく1959年初めてのワインが造られた。
『当時からのモットーがPlante beau, cueille bon, et pinte bien(美しい畑を作り、良い葡萄だけを得て美味しく飲もう)』
1999年には「ステファン・ティソ」等と共に有機栽培に切り替え、シリカ等の調剤も使い始める。更にコンポストや調剤も自家製に切り替えていく。
『2009年にはピエール・フリックでビオディナミを実践していたブルーノ・チョフィが加入し34ha全ての畑をビオディナミへ転換』
その後、「ブルーノ・チョフィ」はフェルム・ド・ラ・サンソニエールへ移籍。元ドメーヌ・ドゥ・シャマンの「サミュエル・ベーガー」が栽培・醸造責任者に就任。
サヴァニャンのリスク
アルボワの丘の上部に畑があり、丘から吹き降ろす風が葡萄を常に乾かすのでビオディナミにとって理想的な環境。
『一方で丘の上は遅霜が多く、晩熟のサヴァニャンなどはその影響を受ける。よって収穫できる年は良い結果になるが収穫できない年も多い』
葡萄のエネルギーが高まったので、よりシンプルな醸造で繊細さを重視。新樽を廃止。フードル等硬質でワインに何も与えない容器に切り替えた。
『シンプルな醸造なので、表現力を高める為に今までより収穫を遅くして葡萄ができるだけ多くの要素を持った状態で収穫するようになった』
酸化防止剤なしで醸造する為にグラヴィティシステムでポンプを使わずに醸造できるように1950年代に造られた醸造所を一部改修。
『できるだけ介入しない。発酵中のルモンタージュもしない。バトナージュもしない。ワインをできる限り動かさない』
長期マセラシオン
畑はアルボワとアルボワ・ピュピアンに合計34ha所有。17haがサヴァニャンで色々なクローンが混在している理想的な畑。
『1.5haのムロン・ア・クー・ルージュの古樹も所有。シャルドネの亜種でアルボワにだけ残っている貴重な品種』
梗が赤いことからムロン・ア・クー・ルージュと名付けられた。黄桃やパイナップルのような熟した果実と優雅な香でシャルドネとは全く違う個性。
アルボワらしさに拘るオーナー「ピエール・マルタン」に対し、ボールナールで働いていた「ラウラ」と醸造責任者「サミュエル」は少し野心的。
『ジョージアのワイン造りを見学してサヴァニャンで長期マセラシオンを試し始めている。ジュラで初めてのスキンコンタクトワイン』
そのワインが「サヴォール」。アルボワは名乗れないが、12日間の長期マセラシオンで重厚ながらサミュエルらしく綺麗な酸が残されている。
マルタン家がアルボワのヴァン・ジョーヌを守る為に作ったドメーヌ。今もアルボワの品質を高め、アルボワの個性を守っている。
[0]