[造手] Le Coste / レ・コステ
[銘柄] L’abboccatello / ラッボッカテッロ
[原産国] Italy / イタリア
[地域] Lazio / ラツィオ
[品種] Procanico / プロカーニコ
[タイプ] 白 / 辛口 / ミディアムボディ / SO2(酸化防止剤)無添加
[容量] 750ml

<輸入元コメント>
エヴィーノとしては2014年にリリースさせていただいた懐かしいワイン。
当時ビアンケットが初めてリリースされた時の事でした。近年よく見られる猛暑によって酵母が減少し、醗酵不良に陥ってしまったタンク。
醗酵が止まり、残糖があるビアンケットの樽。その中でもまだ残糖の少ない1樽をL’abboccatello ラッボッカテッロいう名前でリリース(LOT1)。
しかしもっと残糖が多く、ジャンマルコ自身もリリースを断念した2つの樽(LOT2,LOT3)はスパークリング用のボトルに王冠で打栓!
ボトル詰め前に再度オリと攪拌し、瓶内で再び醗酵が始まるのを待つことに。しかしながら、一度止まった醗酵がそう簡単に動くというものでもなく、かろうじて酵母の活動が見られ醗酵が終わったのは、なんと6年後の2019年!?
ジャンマルコ曰く「当時はまだ瓶内醗酵の難しさや、猛暑の酵母不足について経験がなかった。」この時の経験によって翌年生まれたワインが、瓶内再醗酵のフリッツァンテ「ピッズィカンテ」だと聞くと、非常に興味深いです!
ただ、このラッボッカテッロ。現時点でも発泡は極僅か、まだ少し残糖は感じます。
ただ、その味わい、心地よさに本当に驚かされました。やはり、長い熟成によってワイン全体の一体感はもちろん、バランス感が養われたんだと感じます。
ベースである原酒は、ビアンケットということもあり、偉大さを持ったワインではありませんが、その掛けた手間と年月に見合う、素晴らしいワインだと思います!

<畑>
樹齢60年を越える畑の中の一部、200本のブドウ樹だけを使用。周辺の土壌は火山礫、凝灰岩、顆粒状の石が積み重なり形成されている。砂質、火山性の堆積物、特に鉄分が多く、石灰質と共にブドウに特徴的なミネラルを与えている。標高は 350m-450mの間に位置し、祖父の畑や周囲の小さな放棄地を寄せ集めた2ha(樹齢が非常に高い)。

<栽培>
畑では農薬はもちろん、堆肥なども一切使わない農法を徹底(=自然栽培)。畑ではブドウ樹だけを栽培するのではなく、自家消費用に野菜やオリーブ(一部は販売用にも生産)、果実を混植。単一的な環境ではない、より多様性のある畑、自然環境に近づける努力を惜しまない。

<ストーリー>
2004年、ジャンマルコ・アントヌツィはラツィオ北部のボルセーナ湖半にてブドウ樹の栽培、ワイン醸造を開始。彼の考え方は非常にシンプル、かつ合理的。自分の造りたいワイン、そこに到達するために何が必要なのか?

多くの素晴らしい造り手のもとで働き、知識・経験を・・・
祖父の持っていたグラードリのぶどう畑を起点にLe Costeの畑を・・・
フランコ・ピエーデ(台木を使わずに自根にて)から薬品など一切を排除した栽培を・・・
知識や技術に傾倒しない、感性に任せた醸造(本人は認めませんが)を・・・

知識・経験・畑・栽培・醸造、そしてそこに「どんなものを造りたいか?」という彼の考える「到達点」。そしてそこに辿り着くために必要な手段。結果、いつも挑戦につながる、いわば全く妥協のない彼の信念。だからこそ毎回楽しませてくれる、常に想像の2〜3歩先をゆく造り手。

ジャンマルコ・アントヌーツィ、彼ほど合理的、かつ感性的な造り手に出会ったことはあっただろうか。ヴァレンティーニやジュラール・シュレール、愛する造り手のワインを飲むうちに、自らワインを造りの道を選んだジャンマルコ。フランスをはじめとした多くのワイナリーでの経験、そして祖父より受け継いだグラードリでのブドウ栽培、そ れぞれ全くの無関係のようですべては彼の計画した通り。そう感じさせてくれる説得力を持っている。 そして、それだけでは終わらない彼のエネルギーは、畑での挑戦はもちろん醸造においてもただならぬものがある。そんな彼はいつも想像の斜め上を進み 続ける彼のワイン。そこには造り手だけでない、飲み手へのたくさんのメッセージ が散りばめられている。 グラードリの土地はラツィオ北部、ヴィテルボ近郊カルデラ型の湖ラーゴ・ディ・ボルセーナのほとりにある。このあたりの土壌は火山礫、凝灰岩、細かい顆粒状の石が積み重なり形成されている。砂質、火山性の堆積物、特に鉄分が 多く、石灰質と共にブドウに特徴的なミネラルを与えている。標高も高く、350-450mという斜面、祖父の畑や周囲の小さな放棄地を寄せ集めた3ha(樹齢が非常に高い)と、2004年に彼が手に入れた3haの土地「Le Coste」。2006年より収穫・醸造を開始。

2012年ヴィンテージより、大きく変貌を遂げたBianco。これまでは区画の違いを感じることなく、1種のワインとしてボトル詰めしていたものの、見事な収穫を迎え、醸造過程にて起きた樽ごとの違いをはっきりと感じたジャンマルコ。醗酵がやや早い段階でストップした結果、若干の甘味と酸、なんとも心地よい口当たりの良さを持つL'abboccatello。果皮の印象が少なく、より本来のビアンコらしい飲 み心地を持つBianchetto。そしてこれまでのビアンコとは圧倒的に違う迫力と安定感、明らかな成長を感じるBianco。3種類のビアンコをリリース。そしてさらにはBianco2011の中で、最も可能性のある(言い換えればまだボトル詰めしたくない)1つをボトル詰めすることなく計24 か月樽内にて熟成し、一年遅れでボトル詰めしたというBianco R。そしてこれまではPainoに混ざっていた樹齢60年を越える高樹齢のプロカニコのみを、ごく短いマセレーションを行い木樽にて醗酵・熟成したというLe Vigne piu Vecchie。2004年に彼が手に入れた3haの土地「Le Coste」とは比べがたい、全く別の雰囲気、それでいてやはり年月の醸し出す迫力、醸造という部分ではややおとなしい分、現段階での完成度に驚かされる。

赤においても飲み心地を優先、2週間のマセレーションによる醗酵、圧倒的な滑らかさを持ったRosso、ビアンコ同様、1年長い樽熟成をさせたRosso R。見事ともいえる収穫を迎えた2012年とは対照的に冷涼な雰囲気を持った2013年の白はBianchetto, Bianco の二つ。果皮の剛健さよりも果実的な香りや酸の印象が強い「バランスと繊細さを持ったヴィンテージ」、ビアンケットはより飲み心地の良さとスムーズさ、ビアンコについても前年より繊細さを感じるワインとなっている。そして結果的にRosato は今回より果皮との接触を行わずに果樹のみでの醗酵に挑戦。これまでをはるかに超える手ごたえを感じたというジャンマルコ。そして時折リリ ースされるRosso di Gaetano、以前からジャンマルコが栽培を手伝いブドウを分けてもらっていた近所のガエターノ爺。彼の畑で素晴らしい収穫を迎えられたこと&ガエターノの生計を助けることにもつながることから、醸造&ボトル詰めされる。それぞれのワインの種類に、生産量がまったく追いついてない。そんなことは百も承知、一切動じることなく突き進む自由奔放、傍若無人、それこそが彼、ジャンマルコ・アントヌーツィである。
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