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カッシーナ・リエート / ヴィーノ・ドルチェ・カドー 19-23

型番 G056
販売価格

8,800円(税込9,680円)

在庫数 残り1
購入数

特定商取引法に基づく表記 (返品など)

[造手] Cascina Lieto / カッシーナ・リエート
[銘柄] Vino Dolce Cadò / ヴィーノ ドルチェ カドー
[国] Italy / イタリア
[地域] Piedmont / ピエモンテ州, Castiglione Tinella, nelle Langhe / ランゲ地方カスティリオーネ・ティネッラ
[品種] Moscato Bianco / モスカート・ビアンコ
[タイプ] 濃白 / 酸化熟成 / 甘口 / ミディアムボディ
[容量] 750ml

<銘柄エピソード:Edited by essentia>19-23VT
今回、密かに造り続けてきたパッシート(甘口)がリリースされました。やはり「モスカート」と聞くと、日本でもパッシート(陰干し)やデザートワインのイメージがあると思います。ただ、甘口を造る上でどうしても越えなければならない課題があり、2人の考える「極力手を加えないワイン造り」の中では決して簡単なことではなかったといいます。
樹齢50年を越えるブロージアのモスカート、2019年より一部を収穫せず、さらに1ヶ月後に遅摘み。陰干しのように凝縮したブドウを収穫。高い糖分の元、残糖がある状態で醗酵が止まり、50Lほどのダミジャーナ(ガラス容器)で熟成。
「モストの量が少なかったこともあるけれど、せっかく造るのであれば、やはりモスカートの単調な香り、味わいではなく、そこに複雑さや奥行きを持たせたいと思い、ソレラ方式に着想を得た」
といいます。上記の方法を5ヴィンテージ繰り返し、継ぎ足しながら空気とも接触させ、酸化熟成を維持し続けたという、非常に特殊な方法によって生まれた甘口ワイン。
「Cadò(カドー)」という名前は、ピエモンテの方言で「贈り物」や「プレゼント」を意味する。その名前に恥じない素晴らしい味わい。

<輸入元テイスティングコメント:Edited by essentia>19-23VT
果実的な味わいと自然な甘み、そして熟成由来の複雑な香りの要素と奥行き。酸化熟成香も加わり、その幅の広さには驚かされます。そして、抜栓してからも非常に安定しており、1、2ヶ月が経過してもなお変わらない、むしろより香りが広がっているようにさえ感じる素晴らしい甘口です。

<栽培:Edited by essentia>
カンティーナに隣接するブロージアの畑、樹齢56年。1haあたり4000−4500本、グイヨー仕立。

<醸造:Edited by essentia>
1ヶ月以上収穫を遅らせ、樹上にて凝縮したモスカート。そのままプレスし、果汁のみで醗酵を行う。50Lのダミジャーナ(ガラス瓶)に入れて12ヶ月の熟成。翌年も同じように醸造を行なったワインをアッサンブラージュ(ソレラ式)、2019−2023と、5年間のヴィンテージを合わせ、酸化熟成。毎年新しいヴィンテージを少しずつ加えてブレンドすることで、ワインに再び生命が吹き込まれる、複雑さや新鮮さを高めつつ熟成を経た特別な甘口。

<ストーリー:Edited by essentia>
エヴィーノとして、これまで出会ってきた造り手の中では異質といいますか、、、むしろ特別な存在となります。ワイナリーの当主は、日本人である佐々木ヒロトさんと理恵さん。1997年よりイタリアに移住した彼は、ファッションや芸術だけでなく、特に歴史や伝統を重んじる心や食文化に魅了され、この土地で暮らすことを決意。イタリア生活の中で、素晴らしいワインの造り手たちとの出会いをきっかけに、これまで20年以上に渡り、イタリアと日本をつなぐ懸け橋として活動してきました。彼が愛してきたものはイタリアの食であり伝統に結び付くワイン。しかし、それ以上に彼が尊重してきたもの、造り手達の「情熱や魂」でした。目に見えるものだけではなく、強い想いや揺るぎない意志をもった素晴らしい造り手達。彼らとの出会いこそが、彼の原動力であったといえます。

私自身、エヴィーノを始めたきっかけでもあるダミアンや、レ コステのジャンマルコとの出会い、そこに彼の存在を欠かすことはできません。当時、まだ何も知らなかった私に、数えきれないほどの知識や、得難い経験を。そして共に長い時間を過ごし、多様で鮮烈な素晴らしい出会いに恵まれました。彼とダミアンから学んだ(ケンカした)ことは数えきれず、、(笑)。この2人は私にとって、まるで年の離れた兄のような、かけがえのない存在です。
この土地に根付き、イタリアに生きる日本人として、イタリア文化を伝えてきた彼。そしてワイン生産者との出会いにより、畑からカンティーナ、そして共に過ごす食事まですべて、ワイン造りへの憧れは募ってゆきました。そして、これまで自身が出会い愛してきた造り手たちと、変わらない想いで畑に立ちワインを造る、新たな道に進むことを決意。

2017年、世界遺産でもあるイタリア北西部、ピエモンテ州ランゲ地方カスティリオーネ ティネッラと、その近くに合わせて0.8haのブドウ畑を手に入れます。ワイナリーの名前は「Lieto リエート」、幸せや喜びを意味し、共にワイン造りを行う奥様の名前も重ねた名。ピエモンテ州ランゲ地方での暮らし、そしてワイン造りは、ヒロトさんと理恵さん2人の想い描いてきた夢が実現し、新しい始まりともいえる瞬間でした。

カスティリオーネ・ティネッラは、DOCでいう「Moscato d’Asti モスカート ダスティ」になるエリアということもあり、畑には高樹齢のモスカート、コルテーゼが残る希少な畑。中でもカスティリオーネ・ティネッラの畑では、1960年代に植えられた樹も多く残り、収穫するモスカートの中心。1haあたり4000−4500本、グイヨーにて仕立てられたモスカートの畑。手に入れる前からも、大事に栽培されてきたことを実感できる土地の状態の良さ。そして何より50年を越えてもなお、樹勢があることに驚かされます。

栽培は、彼がこれまで造り手達から学んだことを生かしながら、土地に負担をかけない栽培方法を実践。中でも彼のワイン造りの「根幹」ともいえる、ダミアンの影響がとても強いことを明確に感じます。ブドウの完熟に対する「種子」の大切さ、そして収穫まで十分な時間を費やし、糖度計や果実ではなく、種子の完熟を意識したブドウ栽培。土地の自然環境の回復を待つため、2017は収穫を見送りました。翌2018年より、実験的な醸造として極僅かながら収穫。まず、最も尊重すべきは、ブドウ畑の地力の復活であり、周辺の生物的な環境の重要性。本格的な収穫・醸造は2019年の収穫からとなります。

モスカート・ダスティといえば、甘口の微発泡として世界中で親しまれています。しかし、残糖を残したまま、発泡性ワインをボトル詰めするには、通常のワインを遥かに越えた添加物、そして人為的なコントロールが必要なことも事実。リエートが造るものは、甘口のモスカートダスティではなく、完全に醗酵が終わった残糖のないモスカート。液体として完成(バランスの取れた)したワインの醸造を目指しています。比較的収穫時期が早く、糖度の上がりやすいモスカート、樹上にて完熟を待ってから収穫。周囲のモスカート生産者より、2−3週間遅れた収穫は、周囲から見ればすでに異様に思われて当然。すでに異質な視線を浴びているという話も、、、汗。しかし裏を返せば、「完熟し、糖度の高まったモスカートは、決して《軽い早飲み》ではなく、強い香りとアロマの奥に素晴らしい骨格や繊細さ、可能性を秘めている。」そう語る彼。

醸造については、種子まで完熟したブドウを、果皮と共に醗酵を行います。マセレーションの期間については、特に定めているわけではなく、アルコール醗酵が終わること。そして、液面に形成されている果帽の勢いが収まり、沈み始めるまで。アルコール醗酵が終わるのを、待ってからの圧搾を意識しています。圧搾後、そのまま24ヶ月の熟成期間を取ったのちボトル詰め、6カ月以上の熟成期間を取ってからリリース。醗酵途中の「無防備な」ワインを守る“ゆりかご”としての、果皮・種子の存在の重要性。そしてワインは樽の中でフォルム(全体像)が形成され、瓶の中でディティール(細部)が造られるという考え。その考えは、ダミアンから学び、ジャンマルコから感じたことをそのまま行っている。同じ体験をしてきた私にとっても、強く共感できる徹底したワイン観をもっています。

収穫までに十分成熟を待ち、そして醸造から熟成、リリースまで時間を費やすことを怠らない成熟したワイン観とモノ造りの意志。本人曰く「彼ら(ダミアンやジャンマルコ)に飲ませても、恥ずかしくないワインを造らないとね。中途半端なことをしていたら怒られちゃうから、、、。」そう笑う彼には、心からの愉しみと妥協しないモノ造りの意志を感じます。まだ始まったばかりというか、、、むしろこれから始まる生まれたばかりのリエート。ヒロトさんと理恵さん2人の夢とその未来を、これからも見守っていきたい、愉しみな造り手の一人です。
(以上、輸入元情報を基にエッセンティアにて編集。転載の場合は必ず引用元を明記のこと)

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